どうも、ren.です。
天気が崩れるという予報ですが、今は今年最後の満月が綺麗に見えています。
● 「スズメバチの黄色」 KADOKAWA
今年の夏に出てたんだね。
気づかなかったよ。
「ニンジャスレイヤー」シリーズの外伝小説。
いつものエンターブレインからではなく、KADOKAWAから依頼を受けて書かれた新作です。
外伝としての筆致なのか、いわゆる忍殺語は鳴りを潜め、新規の読者にも読みやすいでしょう。
目に出来るフィーチャーは、正伝を知っていればなおさら楽しめるのは確かですがね。
「ニンジャスレイヤー」シリーズは"サイバーパンク・ニンジャアクション小説"ですが、こちらは徹底した"サイバーパンク・ヤクザアクション小説"です。
一応、ニンジャも登場しますが、あくまで物語の主導はヤクザたち。
物語はラオモト・カンがニンジャスレイヤーに倒され、ソウカイ・シンジケートが崩壊した後。
アマクダリ・シャドーギルドが結成される以前の老元千葉ことチバくんが主人公の一人となっています。
腹違いの兄である夜路(ヨルジ)に狙われた千葉が潜り込んだのは、ヤクザ組織である「老頭」が牛耳るこの地域であるネオサイタマ龍256地区。
千葉は使い走りの火蛇(カジャ)に助けられ、その協力者である大熊猫と三人で、地域を巻き込む陰謀に立ち向かう。
基本的に物語りは火蛇の視点によって進みます。
火蛇のまっすぐな性格は、読み進めていくのに邪魔にならず、軽快な展開を楽しめます。
千葉はヤクザの跡取り息子らしく狡猾で、堂々としており、アマクダリ以降のアガメムノンによって鬱屈した立場に歯噛みしている時とはうってかわってダークヒーローしていて、かっこかわいいです(w
協力者のハッカーである大熊猫の他にも、火蛇の昔なじみの氷川、若い女アサシンの羅刹374、花魁のミルチャ、といった若い世代が活躍するので、よりラノベっぽさを感じますね。
もちろん、その若者たちを支える老人たちや、権謀術数で身を滅ぼしていく蠱毒のような大人も魅力的です。
分かりやすいストーリー。
ドキドキハラハラの展開。
胸のすくバトル。
このラインも「ニンジャスレイヤー」シリーズ同様に、今後も続いてほしいところです。