「F1速報」スペインGP特集号を買ってきたren.です。
開幕号以外を買うのは、いつ以来だろうか。
まあ、ウィリアムズ優勝が8年ぶりっていうんだから、多分同じくらいかもっとだと思う(w
さて、本題は勿論こちら。
● 「魔法先生ネギま! 38巻」 赤松 健 講談社/マガジンKC
細かいよ!!(w
これ、ピンナップか何かにした方がいいんじゃないかしら。
さてさて、何はともあれ最終巻。
事前に色々な方面からネガティブな情報もあったので、覚悟完了して読みましたが……。
なんだよ!ちゃんと面白いじゃないか!(w
しかも、かなりのハードSFですね。
まさにクラークの「高度に発展した科学は魔法との区別が困難である」。
以前、私は……18巻の時か、超という存在について、「時間の遡及性」という言葉を使って考察(というか妄言)を行いました。
この時は、「時間の遡及性」込みで、時間軸は1直線であることを予想していました。
最終巻の途中で、未来の消えた家系図が出たときは「ビンゴか!?」と思いましたが、捏造と発覚してプシュー(w
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の写真のような演出かと思ったよ。
というわけで、予想ははずれて「平行世界観」が背景だったようですね。
超も簡単に説明していますが、つまり、ハッピーエンドな現実も、よりユートピアも、よりディストピアも、全て存在し続けるというのが結論です。
そういう意味では、語られないどこかの世界では、その後も地獄のような展開が続いているということ。
ちなみに、タイムパラドックスは起きないので、二人のエヴァが顔を合わせても大丈夫、かな?
別のパラドックスが起こる場合もあるんだけれど。
「平行世界」もSFでは使い古されてきた世界観です。
一口に「パラレルワールド」とは、よく聞きますが、真っ向からそれを描いた漫画はあまりないのが現実。
まあ、私は竹本ファンなので、「さよりなパラレル」を本格的な平行世界SFとして推しますが(w
ともかく、この言葉が使われる一般作品は結局、「都合のよい世界」しか描かれないというのが現実です。
「ネギま!」は、まさに、そういう終わり方だと言えます。
とはいえ、それは悪いことではなく、それが「平行世界モノの文法」とも言えます。
それぞれの世界はただ不幸なだけでも、ただ幸福なわけでもない。
そこでがむしゃらに運命に抗い、笑顔を掴む者がいる。
そのひとつの形が、作者によって提示されたというだけなのですから。
作品上で描かれなかった世界に思いをはせるのも、また、読者の特権です。
つか、平行世界モノのなんでもありさ加減を踏まえると、もしかしたら「明日菜が目覚めた130年後」が、「明日菜が消えた130年前=現代」と繋がる世界とも限らないんだよね。
何せ、火星独立戦争が発生して、予定より30年も目覚めがずれたというのも、パラレルワールドにおけるイレギュラー発生と考えれば、そこから世界は分岐し始めるわけだし。
パラレルエヴァも「あっちのアイツ」って言ってるし、怪物化したネギが死を迎えたというのも、平行世界観の解釈的には怪しいですよね。
どちらにしろ、それが明かされた段階で分岐が始まったようなので、現代のネギは多分もう、そのネギにはなれないと思うけど。
38巻分、355話、連載期間9年という長丁場だった「ネギま!」。
さすがにこれだけ長いと絵だけでなく、序盤の設定や伏線の意味が変わってしまうこともあります。
カバー下の、ネギの誕生日についてなんかは最たるものですな。
確かに、魔法世界編のエピソードには、「コレを長々とやるなら、アレを描いておいて欲しい」という部分が多々ありました。
長すぎたもんねぇ(w
その所為で出番が少なくなってしまったキャラのファンの心中や如何にですが、何しろキャラクターが多すぎた。
全てのキャラクターの見せ場を描いていたら、それこそライフワーク化してしまうでしょう(それはそれで?w)
その取捨選択のための人気投票だったのかもしれません……が、あまり関係はなかったような。
完全にはしょられた「ナギ対決・救出編」を代表として、描かれなかったことを残念に思う部分は多いですが、そこもまた想像できる読者の特権かなぁ、と私は思ったりするんです。
多分、私がアメコミが好きだという部分が、その辺の割り切りに通じるのかなと自己分析してみたり。
アメコミって、「それは今、ここで語る物語ではない」で済まされる展開が多いんですよね。
後々、その辺を補完するシリーズが始まったりしますが、それはそれで「読者の予想の答えあわせ」。
贔屓目で見すぎなのかしら?
でも、そういうことなら、「タイムトリッパーさよちゃん」や、「火星のキャプテン(龍宮)」とかを、みんな自由に夢見てもいいじゃない。
勿論、私は「こたなつ道中記」を妄想させていただく(w
まあ、総じて、「うまくまとめた」ととるか、「伏線投げっぱなし」ととるかは、人それぞれかと。
私は前者ですが、後者の意見の方が、やはり声高なのかな。
いや、もちろん私も不満がまったくないわけじゃないよ?
でも知りたかった大半は人物や世界の解説や設定なので、巻末解説は続けて欲しかったなぁ、という感じ。
さて、なんだか話が初手から脱線した(w
改めて最終巻の雑感を、だらだらと書き並べてみましょう。
なにはなくとも、小太郎のゴールイン。
……実は単行本発売前にうっかりネタバレで知ってしまい、臍を噛みました。
まあ、あちこちでフラグを立てまくったコタですが、夏見が一番のお似合いでしたわな。
そこ→、つり橋効果とかいわない(→私
ところで冒頭、オスプレイやハインドを、そんな風に投げたら大変なことになると思うぞ。
また「ウィドウメイカー」って呼ばれちゃうじゃないか。
ついに発動した千鶴のアーティファクトで、ネギのアナル完全開発。
いろいろな意味で深すぎだろ(w
この騒動で判明したネギの想い人ですが、唯一言葉としてはっきりしているの「イ」。
よし、「犬上小太郎」ですね、オッケー、略奪愛!
明日菜の「一周回って」「実際つきあうとどうか」「ある意味似た者同士」という台詞も裏づけになるしっ!!
……え?小文字の「ィ」じゃないかって?
いや、そんなの知らん。
久々の五月のカリスマ。
いやぁ、やっぱりムチましかっこいいわぁ。
後日談の姿も別嬪さんですね。
で、その五月に指摘されたエヴァの、恋愛オンチっぷりがめんこい。
長いこと一人を想い過ぎて、自分の状況が見えなくなっているんだね。
まあ、その割にラストシーンでは、ナギの隣には座れなかったようですが。
なんだ、アリカに譲って、ラカンに鞍替えか?(w
明日菜と委員長のあれこれは、掛け値無しに泣けますね。
ここはコールドスリープSFなモチーフですよねぇ。
あと、東方project二次創作で使われる、妖怪と人間の寿命ネタとかも思い起こされます。
まあ、ネギのふくらはぎペロペロで、感動も台無しですが(w
ここでうまく演出に使われているのがタイムカプセル。
ちょっと現代での登場が唐突過ぎましたが、綺麗なつなぎ方でうならせていただきました。
樹がちゃんと成長して、葉が茂っているところも、実は明るい先の展開への暗示なのかな。
にしても、いくら予定と違ったとはいえ、誰も出迎えがいないというのはひどいよなぁ。
考えてみりゃ、タイムカプセルよりも、そっちの心遣いが欲しいよなぁ(w
街を彷徨う明日菜に降りつける雨。
やはり未来都市といえば雨だよな!!(←ブレードランナーファン
酸性雨じゃなくてよかったね。
街行く人が傘をさしているところに注目。
さすが人類史上最も完成された二大発明品のひとつ!
130年後、しかも魔法技術が流入しても、まったく形が変わらなかったか。
ちなみにもうひとつの発明品は自転車ね。
明日菜が委員長の子孫によって連れて行かれた墓地。
あやかの墓石……その後ろのは……「マイケル・ジャクソン3世」!? いるんだ!?(w
あと、「スティーブ・ワークス」はジョブス(英語の"仕事"つながり)ですね。
アップルへの賛辞は、マックを作画に取り入れている赤松さん自身の感謝ですかね。
真ん中の墓石は、印刷の都合か擦れて読めないんで、誰か教えてください。
少し話を戻して、現代でのネギとの対話。
まずは、もはや絵の違いもノスタルジーのひとつとなった名簿から。
五月のフランス留学などの書き込みから、この段階で将来の道筋がかなりわかっていたことがわかりますね。
また、千雨のISSDA顧問入りとか、葉加瀬の技術提供とかは後日談でわかりますが、隊長に"ボディガード依頼"って誰のだろう。
川辺でのワンカメ撮影のような会話シーンもいいですね。
こういう構成って、失敗するとただの単調なものになっちゃうんだけど、まるで映画のように時間の流れを感じさせる名シーンです。
こういうのはぜひ、映像でも観てみたいと思う。
7年後の後日談。
まさか、夕映がハードボイルド探偵になっているとは。
「真帆良にはいい風が吹くなぁ」(小太郎がうらやましそうにみている
つか、普通にかっこいいと思った矢先に、普通にエロかった(w
その後のクラスメイトについていくつか。
朝倉、まるでカイ・シデン。
のどゆえ、無重量が人体に与える影響のモルモット。あと、ぴっちりスーツごちそうさま。
このせつ、結婚年が同じだが、異文化交流した世界なら同性婚もあり得る?
楓、人間やめたな……と思ったが、考えてみりゃ皆そんなのばかりだった(w
アキラ、あるんだ、軌道エレベーターにもエレガって。
鳴滝姉妹、異種族間結婚でも子供は生まれるのか。コタ夏も安心だ。
千雨、すっかりズボラに見えるが、ネットアイドルは続けているのかしら。
ザジ、やっぱり監視者だったか!! 世界の観察者もSFではお約束。
桜子、姿が見えないと思ったら、フェイトはここにいたのか(w
超、「自身の世界」とは元々の世界のことなのか、それともパーソナルワールド所持者になったのか。
というわけで、完結した「魔法先生 ネギま!」。
赤松さんはじめ製作スタッフの方、お疲れ様でした。
新たな「オフィシャルのネギま!」を再び読める日を、心待ちにしております。
また、私もこの作品を通じて、お知り合いになった方、お世話になった方も多くいます。
作品は終わっても、そのご縁が終わるわけではありません。
「ネギま!」によって始まったこのブログですが、まだ続けますので今後もよろしくお願いいたします。
まだまだ小太郎は描くぞ(w