昨夜から片頭痛で、一日寝ていたren.です。
ちょっと風邪気味なのかもしれない。
ここのところ乾燥気味だからなぁ。
暖房の上に、濡れタオルをおいておこう。
さて、そんなわけで特に買い物やお絵かきもしてないので、久々にミリロボ考。
今回から、実際に戦闘に関して考察してみましょう。
まずは、一番アニメ・漫画栄えするであろう、宇宙での運用から。
人類の歴史で、実際に宇宙で行われた戦争はありません。
少なくとも、表向きは。
というのは、いわゆる「スターウォーズ計画」に絡み、人工衛星同士の戦闘は行われた可能性がありますし、2年前には
中国が弾道ミサイルで自国の人工衛星を撃墜したとか、去年はやはり
米軍が制御不能になった自国の軍事衛星を巡航ミサイルで撃墜したとか、報道されたことがあります。
しかし、人の乗った宇宙船同士が交戦したという事実は、今のところありません。
アニメ・漫画の宇宙戦争モノでよくあるシチュエーションは
・宇宙戦艦同士の艦砲射撃戦
・宇宙空母からのミリロボ出撃
・宇宙でのミリロボ同士のドッグファイト
といったところでしょうか。
ひとつずつ考察してみましょう。
◆ 宇宙戦艦同士の艦砲射撃戦これは、ミリロボの話ではありませんが、一応。
宇宙には上下がありません。
地球上の海上艦同士なら、水上という平面状の戦いですし、潜水艦だって重力がありますから、アクロバチックな3次元戦闘はほぼありえません。
しかし、宇宙戦艦は3次元空間のどの相対位置からでも戦闘が可能です。
この辺を表現したゲームが、PSの「
オウバードフォース」です。
3軸で移動、回転できるシステムで、ぶっちゃけ理解しづらいゲームでした(w
この戦いは、ある意味地上の戦車戦に近いものとなるはずです。
兵器艤装は戦艦のどの面にも出来るでしょうが、有利に戦うためには相手に対しての投影量(見掛けの大きさ)を小さくしなければなりません。
つまり、細長いフォルムの戦艦ならば、後面に推力機があるとすればそこが弱点になりますから、前面を相手に向ける事になるでしょうね。
となると、艤装は前向きに集中されるでしょう。
宇宙空間は無重量のため、質量の移動には慣性が大きく関わります。
となると、移動しながらの砲撃戦の場合、相手の動きを読み、未来位置への砲撃が重要になります。
回避も質量の大きな戦艦は難しいでしょうね。
しかし、それはお互い様なので、派手な艦砲合戦より、遠方からの先手必勝、一撃必中が基本。
そこで重要になるのが、艦載機としてのミリロボです。
艦から離れ、敵艦の位置を探る哨戒行動を行うのです。
◆ 宇宙空母からのミリロボ出撃前述の条件から、ミリロボの発艦位置は、戦艦の攻撃されづらい側面(上面、下面も含む)でしょう。
最もスペースの取れる位置でもあります。
地上のように滑走する必要もないので、壁面から放り出すような構造が望ましいでしょう。
そうすれば、固定アームでちょっと艦内に引き込むだけで、広いメンテナンススペースがあります。
アームによって外側に押し出されたミリロボは、慣性によって艦から離れたあと、自分の推力によって航行を開始します。
慣性があるため、大きな方向変化は出来ませんので、直進が基本。
地上の飛行機のように、空気摩擦による方向転換は出来ませんから、その代わりに方向変化用の推進力が必要になります。
人工衛星のようなアポジモーターのようなものか、カウンターウェイトの放出がそれにあたります。
なお、「ガンダム」シリーズに登場する"アポジモーター"は、推進剤を噴射してアクロバットな方向転換が可能な機能となっていますが、実際のアポジ(キック)モーターは、人工衛星を遠地点に軌道投下するもので、大きな推力のあるものではありません。
小型のミリロボでは、安全に帰還できる行動範囲は狭いでしょう。
移動のための推進剤の問題よりも、パイロットの生命維持のための酸素の量や、その心理的安定をも考慮しなければならないからです。
人間は上下のない宇宙空間では、まともな状態ではいられないといいますから。
なので、単に哨戒行動を行うなら、やはり無人機が使われるべきです。
哨戒によって判明した敵艦位置に対し、遠方からの艦砲射撃をかけるのです。
哨戒以外ならば、やはりその小さな投影量を利用した遠距離奇襲でしょう。
狙撃用の兵器(ライフル的なものでも、巡航ミサイルのようなものでも)を持って、敵の反撃を受けづらい場所からぶっ放してすぐに離脱するわけです。
現代戦の攻撃機的役割です。
「大戦略」のようなSIMゲームを遊んだことのある人なら、身軽な長距離攻撃兵器の有用性は実感できると思います。
相手の間合いに入ることは、戦闘としてはナンセンスなのです。
しかし、それでは華がないのも確か(w
では、宇宙でのミリロボ同士のドッグファイトを考察しましょう。
◆ 宇宙でのミリロボ同士のドッグファイト前述どおり、慣性の大きな宇宙空間では、戦闘機のような3次元戦闘は難しいはず。
相手同士で回転半径の小さなバックの取り合いなどしたら、機体もパイロットも持ちません。
また、小型機単独で自由に動き回っては、母艦に帰れなくなる恐れも。
その辺は多くのアニメ・漫画ではあまり気にされていませんがね。
「宇宙海兵隊ギガース」では、"母艦から離れる事=死"ということが強く描かれていたり、「ガンダム」シリーズでも近年のスピンオフ作品では描かれていることもあります。
つまり、最もそうした状況がありえるのは、敵味方の母艦同士が帰還可能距離で、同一方向に進行しているシチュエーションでしょう。
母艦と母艦の間でミリロボの集団戦が行われ、そこを突破した者が敵母艦の破壊に向かうわけです。
戦闘で有効なのは、機雷の放出です。
一定範囲に小さな質量弾をばら撒けば、互いの慣性力で破壊力を生みます。
ただ、自分や味方にもぶつかるので、ある程度の時間で自滅する弾丸じゃなきゃ危険ですが(w
機銃も、ばら撒くように使えば同様の効果が得られるでしょう。
小型の誘導ミサイルは直進力が強すぎて、ドッグファイトでは使えないでしょう。
ミサイルごときに慣性を消すほどの逆推進を与えるのはもったいない。
アニメ・漫画のミリロボモノで華々しいのは、肉弾戦でしょう。
やはり、日本人としては、手にした刺突武器で相手と斬り結ぶミリロボの肉弾戦は、かっこいいと感じるシチュエーションです。
しかし、もろいミリロボの手でガッツンガッツン殴りあったら、自分の方が壊れちゃう(w
また、高速で移動する小さな機体同士で、相対距離を縮め、近接状態を維持するのも難しいでしょう。
でも、肉弾戦はナンセンスかといってしまうのもロマンがない。
こんなのはどうでしょう。
相対距離を近くした敵に対し、ワイヤーやネットを射出し、からめとってしまうのです。
そしてウィンチで巻き取り、相手を引き寄せ、格闘用に作られた丈夫な腕(ショベルカーのバケットくらい丈夫なもの)で殴ったり、機銃で蜂の巣にしてやるのです。
イメージとしては、こんな感じ。
海鷲同士の餌の奪い合い敵にダメージを与えたらワイヤー・ネットを切り離し離脱。
からめとられたほうも、なんとか切り離そうとするでしょう。
このワイヤーやネットは、宇宙空間に浮かぶデブリや岩塊を利用して、自機の移動方向を無理やり変えるのにも使えるでしょう。
また、ダメージを受けて浮遊してしまった時、救助にも使えるかもしれません。
あら、これは便利(w
なんにしろ、パイロットの生命維持状態が、小さなダメージで損なわれてしまうような、小型ミリロボ同士のドッグファイトは、攻撃をひとつ当ててしまえば簡単に決着するでしょう。
パイロットが脱出できたとしても、パイロットスーツに宇宙遊泳用の宇宙服ほどの生命維持装置があればいいのですが。
これのハイブリッドタイプ程度は欲しいですね。
ザッとですが、アニメ・漫画でよくあるシチュエーションを私なりに考察してみました。
この考察は、「非ロボット原理主義」(人間型ロボットは兵器に不向き、という考え)の私がミリタリーロボットの理想を、ガンダムなどのロボットモノに明るい友人の意見を取り入れ、「
それなら私も納得できる」というものをまとめたものです。
友人の協力に感謝するとともに、「そんな考え方もあるよね」という例であることを記しておきます。
次回は、地球上での空中か地上での戦闘について、考察してみたいと思います。