雑感日記

思ったこと、感じたことを、想い出を交えて書きたいと思います。

海外販社再建方針 昔話ー39

2007-03-15 06:04:22 | カワサキ単車の昔話
海外販社の再建方針と前田祐作君

1982年9月1日、本社が出した標記計画書が手元に残っている。
陽の目をみることはなかったのだが、当時の難しい状況の中でいろいろ考えられた案の有力なものの一つではあった。

もう25年も前の話だが、こんな話があったということを知っている人も、覚えている人も本当に極々僅かだと思う。

内容は、信じられないようなビックリするようなものである。
財務対策として考えられているのだが、

KMC以下の海外販社を順次カワ販の子会社にするというドラスチックな案である。
その数値と実行手順が時系列に纏められているが、82年83年度中に実行しようと計画されたのである。

当時の単車事業部はダンピング訴訟、HY戦争などの影響でアメリカ市場の在庫過多からKMCの経営危機など、事業部全体ひいては川重全体に影響を及ぼす事態になっていた。

たまたま、カワ販を担当していたし、計画の中枢にカワ販があったのでこの計画の存在をよく知っているのである。

この計画は実行されずに終わるのだが、それは計画の実行段階で無理があって難しいとカワ販側が指摘したからである。
財務の難しい手続きなど私には皆目解らなかったが、当時カワ販の総務部長をしていた前田祐作君がこれを見つけたのである。

前田君とは若い頃から、ずっと一緒に仕事をする機会が多かったが、私にとってはずっと援けて貰った仕事仲間である。
私とは性格的には全然違っていて、総務、財務などに詳しくこれらの基本計画を殆ど担当してくれた。

この後、私が事業部へ戻り企画を担当してからも、最大の課題であった海外販社を担当する関連事業部長として援けてくれた。

その前田君がこの計画のカワ販の増資過程に無理があり、計画期間内での実行が難しいのではないかと指摘したことにより、計画は見直されたのである。


若し、この通りの計画で進んでいたら、事業部もいまのKMJも又違った形になっていたであろう。

あまり誰にも知られていない、昔のお話である。
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