先日、ひょこむのカバン屋さんの記事に「昔はカワサキの部品補給は悪かった」という話が載っていた。
「カワサキの部品補給はよくなった」で終わっているのだが、昔のカワサキの部品補給の話を。
国内の部品補給について、昭和45年(1970)年頃、部品補給は散々であった。
明石のメーカーの部品補給体制は、アメリカへの補給体制も含めて、大掛かりな自動倉庫が建設されていた。
これを担当していたの田崎さん(現川重会長)であった。
メーカーとしては、部品補給を改善しようという意欲は大有りだったのである。
然し、第一線の部品補給状況は一向に改善されなかったし,
部品は経営的にはずっと足を引っ張っていた。
部品を担当する人たちはみんな真面目に頑張っていたし、根元のメーカーも努力はしていた。
然しである、どうしても第一線の補給はよくならない。
これは仕組みシステムの問題で、人の努力などでは改善されるものではなかったのである。
当時の国内は、ホンダカブなどのモペット全盛時代であった。
一機種100万台を売るホンダなどの部品補給体制を真似て造られたシステムは、10000台も売ることが難しいカワサキのバイクには、当てはまらなかったのである。販売体制も同じ欠陥を持っていた。
各県に出先を持ち、さらにその支店、営業所を持つ販売ネット、そしてその出先それぞれに部品在庫を持つ。
ご承知のように、1台のバイクの部品は、10や50点ではないのである。
それを揃えようとすれば在庫は多くなる。多くはなるが全ては持てる訳はない。
トータルでは、カワサキの部品は充分なはずなのに、各営業所は全く不完全な部品在庫をそこそこの数量もってはいたのである。
大阪の所長をしていたとき、
レースも一生懸命やっていた浜寺モータースの親父さんに、こっぴどく文句を言われた。
「修理をするのに10の部品を頼む。確かに5つは直ぐ来る。3つは10日後、2つは1ヶ月も掛かる。バイクは治っていないのに始めの部品の請求書だけは来る。
まだ、バイクは治っていない。そんな部品代払えるか」と言うのである。
なるほどと、思った。
これでは大阪に部品倉庫を持って幾ら在庫を揃えてもダメだと思った。
根本的に補給のシステムを変えるべきだと考えて、抜本的な対策に入った。
1.出先の営業所などは部品倉庫を廃止する。一切部品を持たない。
2.明石に大きな部品倉庫を持つ。
3.明石から、現地への物流を専門家(宅配便)に任せて早く届ける。
こうすることにより、明石に部品があれば、物流の時間だけで販売店に部品は届くはずである。
こういうコンセプトでカワサキの部品補給は、根本的に変わっていった。
今なら、当たり前みたいな話だが、当時は画期的であった。
カワサキ陣営内でも反対意見もいっぱいあった。それを押し切って賛成する営業所から順次スタートした。
40年近く前の話である。
その後、このシステムはどんどん進化、専門化してノウハウもたまりヨーロッパでも採用した。
20年ほど前のことだが、ヨーロッパでもカワサキの部品拠点はオランダの1箇所だけに絞った。あとは物流でカバーしようというのである。
今、国内も物流は本当によくなって、殆ど1日でどこにも着くような水準になっている。
カワサキの部品補給もよくなっているはずである。
今後の課題は、中古車でカワサキを買った人への部品補給や、特に旧い機種に人気が高いカワサキだから、旧型部品をどうするかは、課題だと思う。
こんな専門部品店も東京にあるのだが。システムに興味を持ち、その後もセールスシステムなども多く手がけた。
いまは、その延長でSNSなどにはまっている。
人の努力で解決するには限界があると教えてくれたのは部品であった。
「カワサキの部品補給はよくなった」で終わっているのだが、昔のカワサキの部品補給の話を。
国内の部品補給について、昭和45年(1970)年頃、部品補給は散々であった。
明石のメーカーの部品補給体制は、アメリカへの補給体制も含めて、大掛かりな自動倉庫が建設されていた。
これを担当していたの田崎さん(現川重会長)であった。
メーカーとしては、部品補給を改善しようという意欲は大有りだったのである。
然し、第一線の部品補給状況は一向に改善されなかったし,
部品は経営的にはずっと足を引っ張っていた。
部品を担当する人たちはみんな真面目に頑張っていたし、根元のメーカーも努力はしていた。
然しである、どうしても第一線の補給はよくならない。
これは仕組みシステムの問題で、人の努力などでは改善されるものではなかったのである。
当時の国内は、ホンダカブなどのモペット全盛時代であった。
一機種100万台を売るホンダなどの部品補給体制を真似て造られたシステムは、10000台も売ることが難しいカワサキのバイクには、当てはまらなかったのである。販売体制も同じ欠陥を持っていた。
各県に出先を持ち、さらにその支店、営業所を持つ販売ネット、そしてその出先それぞれに部品在庫を持つ。
ご承知のように、1台のバイクの部品は、10や50点ではないのである。
それを揃えようとすれば在庫は多くなる。多くはなるが全ては持てる訳はない。
トータルでは、カワサキの部品は充分なはずなのに、各営業所は全く不完全な部品在庫をそこそこの数量もってはいたのである。
大阪の所長をしていたとき、
レースも一生懸命やっていた浜寺モータースの親父さんに、こっぴどく文句を言われた。
「修理をするのに10の部品を頼む。確かに5つは直ぐ来る。3つは10日後、2つは1ヶ月も掛かる。バイクは治っていないのに始めの部品の請求書だけは来る。
まだ、バイクは治っていない。そんな部品代払えるか」と言うのである。
なるほどと、思った。
これでは大阪に部品倉庫を持って幾ら在庫を揃えてもダメだと思った。
根本的に補給のシステムを変えるべきだと考えて、抜本的な対策に入った。
1.出先の営業所などは部品倉庫を廃止する。一切部品を持たない。
2.明石に大きな部品倉庫を持つ。
3.明石から、現地への物流を専門家(宅配便)に任せて早く届ける。
こうすることにより、明石に部品があれば、物流の時間だけで販売店に部品は届くはずである。
こういうコンセプトでカワサキの部品補給は、根本的に変わっていった。
今なら、当たり前みたいな話だが、当時は画期的であった。
カワサキ陣営内でも反対意見もいっぱいあった。それを押し切って賛成する営業所から順次スタートした。
40年近く前の話である。
その後、このシステムはどんどん進化、専門化してノウハウもたまりヨーロッパでも採用した。
20年ほど前のことだが、ヨーロッパでもカワサキの部品拠点はオランダの1箇所だけに絞った。あとは物流でカバーしようというのである。
今、国内も物流は本当によくなって、殆ど1日でどこにも着くような水準になっている。
カワサキの部品補給もよくなっているはずである。
今後の課題は、中古車でカワサキを買った人への部品補給や、特に旧い機種に人気が高いカワサキだから、旧型部品をどうするかは、課題だと思う。
こんな専門部品店も東京にあるのだが。システムに興味を持ち、その後もセールスシステムなども多く手がけた。
いまは、その延長でSNSなどにはまっている。
人の努力で解決するには限界があると教えてくれたのは部品であった。