★東京オリンピックには男女とも3人が出場するようだが、そのうちの2名が、一昨日の日曜日に、オリンピックと同じコースで、マラソンでは異例の残暑の環境の中で行われ決定した。
来年オリンピックが夏だから、『暑さに強い』ことも条件の一つになったのだろう。
MGC(マラソングランドチャンピオンシップ )という初めての仕組みで、一発勝負の緊張感の中での戦いで、従来にはなかった選出方法である。
従来のいろんな大会での成績からの選考は、もう一つ透明性がなく、何となくすっきりしないなと思っていたが、3名のうち二人が内定したので、
私は『コレでよかった』のかなと思っている。
昨日はテレビで実況を観ていたが、実力者だけの決戦マラソンで緊張感もありなかなかオモシロかったと思っている。
日本陸連が『この企画を持ち出した背景はマラソンの低迷』だという。
男子は瀬古・中山の時代から以降はずっと低迷だし、女子も有森裕子がバルセロナで銀、アトランタで銅、高橋尚子がシドニー、野口みずきがアテネで、共に金メダルを獲得したのは、もう遠い昔のことになってしまった。
日本人には結構なじみ深いマラソンを東京オリンピックを前に盛り上げ、マラソンの代表選考も、一発選考で公明正大にやろうという考えのようなのだが、必ずしも賛成ばかりではなかったようだ。
こんな論評記事もあった。
『MGCという一発選考が可能になったのは、単に80年代の瀬古や中山というスーパースターがいなくなったからだ。当時は、大会すなわち主催する新聞社が選手を奪い合い、「一発」に断固反対していたことを忘れてはいけない。
MGCは「東京オリンピックを盛り上げる」手段で、日本のマラソンを強化する目的意識はない。
結果論として、強化につながればいいという日本陸連の「奇策」に過ぎず、この竹やり戦術のような考え方に疑問を抱いている選手も多数いる。
オリンピック後、福岡国際マラソンや大阪国際女子マラソンなどの伝統レースはどうなるのか?
オリンピックという真夏のイベントに、夏の種目でもないマラソンの将来を預けていいのかとの議論もある。』
というのである。
★「選手を成長させ、強化につながる」とは、瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの言だが、今回は翌年度の東京オリンピックと同じ舞台だったから、いろんな意味で『説得力』もあったが、今後も同じような選出方法となるのだろうか?
もう一つ、残り一人の枠については、スポーツ新聞にこんな記事があった。
“最後の1枠”となる3人目は、「MGCファイナルチャレンジ」で決定される。
●男子は、福岡国際(12月)、東京(来年3月)、びわ湖毎日(同)で派遣設定記録の2時間5分49秒以内、
●女子は、さいたま国際(12月)、大阪国際女子(来年1月)、名古屋ウィメンズ(同3月)で派遣設定記録の2時間22分22秒以内の最速選手が最後の切符を手にする。
●派遣設定記録を誰も突破できなかった場合は、「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」3位の選手が代表に選ばれる。
そんなことで、今後のマラソンにも目が離せないのだが、世界のトップレベルと比べたら、夏であっても『派遣設定記録』前後で走り切らないと、ダメかなと思う。
昨日は、最後ダメになってしまったが、スタート直後から設楽悠太選手が飛び出し、独走してぶっちぎったのは、ある意味よかったのではと思っている。
もう少し中盤あたりから調整して、残り5キロあたりまで余力を残せたら、『世界にも通用する』し、そんなことでないとなかなか『メダル』はムツカシイほど、世界のレベルは高いと思う。