★ この『7万台への挑戦』の時代だけではないのだが、
総じて40年間の会社生活は『オモシロかった』と言っていい。
単車事業という今まで会社の歴史の中で
『やったことがない量産事業』で、
それも『最終消費者に販売』する
『世界展開の事業』など初体験だったのである。
従って、上司というか先輩たちも経験がなくて、
その販売の仕事に従事したのは、『私が初めて』と言ってもいいのである。
『見よう見真似』での展開だったが、『オモシロかった』ことは間違いない。
20代後半だったのだが、それ以来退職するまで、
『上の人』は勿論おられたのだが、
『上の人』から具体的な指示を受けて『仕事をした』ことは全くなくて、
すべて『自分の思う通り』のことが出来たのである。
30代からずっと『リーダー』という形での仕事がやれたと言っていい。
★私の最後の仕事となった90年代の国内市場担当の時代も、
カワサキモータースグループ全体のリーダーで、
こんな組織展開だったのである。
全体で400人の規模のグループで、
総売上高が400億円だったから、
『一人当たり売上高=1億円』という
結構な優良企業だったのである。
このグループを運営するに当たって、
従業員にとっても、『会社はオモシロく楽しくないといけない』と常に思っていた。
1日の内の3分の1の時間を会社で過ごしているのだから、
『そこが楽しくなかったら、その人の人生は楽しくない』筈なのである。
これはもっと若い頃から、ずっと『そう思っていて』
一緒に仕事をした人たちと『楽しい運営』をやってきた積りなのである。
そういう意味では、部下というよりは『仲間』と思っていたのである。
少なくとも、私と直接接する方たちに『具体的な指示』など与えたことは殆どない。
ホントに自由に動けたはずなのである。
そのためには『グループ運営の基本コンセプト』だけは明確に提示し、
それを『全体の仕組みでの運営』とし、
その『基本の仕組み創り』だけは『私自身』が担当して、
創り上げたものなのである。
それが上の図なのである。
★ 幾つものグループがあって、そこにはそれぞれ『リーダー』がいる。
その人たちに『100%の権限』を与えていたと言えるし、
『100%の権限を与え得るような人』を選ぶのは『私の仕事』なのである。
そこから先は、『選ばれたリーダーたちの仕事』なのである。
そして『権限とは、その人に与えられた誤りの量である』
と私は常に思っていて、
仮に、少々違っていたと思っても、文句など言ったりはしなかったのである。
心配などしなくても『任したら人は誰でもちゃんとやる』ものなのである。
私自身が『上から指示』など貰わなくても、ちゃんとやれたように、
誰でも『自由に任したら』それなりに『ちゃんとやってくれる』のである。
★ 私自身、若い頃からお付き合いのあった人たち、
部下でも、販売店でも、みんな信じてのお付き合いだったのである。
そういう意味では、バカみたいな『性善説者』なのだが、
『信じる者はもうかる』 などと言ったりしたのだが、
『儲かる』 という字は 『信者』と書かれているのである。
少なくとも、信じないよりは『信じる』ほうが上手くいくことは間違いない。
そんなこと言って『騙されないか?』と思われる方がおられると思うのだが、
87年生きてきて、幸いなことに『騙された』ことは今のところなくて済んでいる。
そんな発想と態度だから、定年後もネットの世界で沢山の方とお会いしたが、
みんな『いい方』ばかりなのである。
人間関係は『双方向』だから、まずこちらが相手を信じることが第1なのである。
今シリーズは『私の生き方、考え方&意見』というカテゴリーで書いている。
今回は、
『私の生き方、考え方』のベースのようなところのお話しなのである。