★最近はネットのニュースにカワサキが登場する機会が多い。
昨日もこんなFX400の柏秀樹さんの記事が載っていた。
空冷DOHC4気筒400ccバイクの中でもっとも威風堂々としていたバイク、といえば1979年登場のカワサキZ400FXです。
Z400FXは当時、最先端のデザイントレンドというべき角張ったカフェレーサースタイルを導入しながら、同時に見た目の大きさが際立っていたことです。
と柏秀樹さんに紹介されているFX400は、
空冷4ストローク並列4気筒DOHC 399cc 、43ps/9500rpm で
当時の販売価格は38万5000円でした。
★1979年当時は、実はカワサキにとっては大変な時期だったのである。
1977年以降のアメリカ市場はHY戦争が日本からアメリカまで飛び火して、
カワサキもその乱売合戦に巻き込まれてアメリカのKMCは毎年100億円を超える赤字の連続で、日本の事業本部も赤字になって、川崎重工業の本社財務部門が救済に当たっていたような時期だったのである。
国内のカワサキオートバイ販売は、アメリカのダンピング問題もあって、
そのままの体制ではカワサキだけがダンピングに引っかかるということで、
従来の社長以下の大きな本社をなくして、ホントに小さな体制にしたのだが、
そのTOPをまだ新米課長だった私が引き受けることになったのである。
★それが1979年なのだが、
何も解らぬままカワサキオートバイの常務として全軍の旗を振っていたのだが、
この年に登場したのがFX400で、何もしないのにどんどん売れるものだから、販売会社にあった10億近い赤字を消去して、
カワサキオートバイ販売は優良会社に変身したのである。
そう言う意味で、二輪事業は一つのヒット商品で様子が一変するのである。
カワサキにとっての最初のヒット商品は、あのZ1/Z2と言っていいのだが、
国内市場では750㏄の市場はそんなに大きくなかったのだが、
この400ccの市場は750㏄とは違って、非常に大きかったから、
カワサキの販売会社の状況が一変してしまったのである。
★ ただ抜群によかったのは国内市場だけで、
アメリカ市場をはじめ海外市場は苦戦の連続だったのだが、
国内市場の販売のノウハウをと私は単車事業本部の企画部に移籍することになるのだが、
そんなことが私のその後の経歴にも大いにいい影響を与えてくれるのだが、そのきっかけを作ってくれたのがこのFX400なのである。
この車がきっかけで、その後のNinjaに繋がり
さらにはZEPHREに繋がっていくのだが、
そのベースにあったのはFX400で、これは私にとってもカワサキの二輪事業にとっても多大の好影響を与えてくれた車だと言っていいのである。
そんなFX400だが、確かに今見てもなかなかカッコいい。