城西大学の公開講座初日。
受講者は全員60歳以上に見える。男が7割か。約300席の座席は空席なし。
今日の講座は経営学部教授による「人材育成と教育の構造改革」。
安倍さんが教育改革最優先と言ってる今、誠にタイミングのいい講座だと感心した。
教授は75歳。60歳といっても通用する若々しさだ。
言葉遣いは極めて丁寧で、慇懃が洋服を着ているみたい。
錚々たる皆様を前に、私如き普段は若い学生の相手をしている未熟者が、講義させて頂くのは緊張の極み、といった風の言葉を連発した。
始めは大いに期待した。しかし、言語明瞭、意味不明だ。
例の「米百俵」の説明に多くの時間を取りすぎた。
教授の講義を聞いてるより、司馬遼太郎の小説を読んだ方が有益だ。
敗戦後の教科書墨塗りに少し触れ、中央教育審議会答申(05年10月)を、パワーポイントで1回写しただけで終ってしまった。
最後に、私は教員だから事実を示すだけで、個人的な意見は差し控えるべき、なんて仰るから質問時間になっても、誰も質問しない。
何なんだ、これは?
それなら、講義を引き受けるなよと言いたい。
公開講座は、定年以来毎年何回も受講しているが、殆どは時間が無駄。
受講者は素人なんだから、やたらに詳しい講義でなく、分かり易く、事後も興味を持ち続けられるような話をして欲しい。
殆どの学者が、他人の説をやたらに詳しく紹介するだけで、自分の意見は全く持っていない。
どうしたら、昼食後の眠気を吹っ飛ばす話になるか、全く工夫が無い。
教室での学生の態度が悪いと言われるが、これじゃあ授業料を払っている学生が可哀想だ。
講義じゃなくてオタクの独り言ですね。
今までの体験から言うと、どうも教授クラスはダメで、身分不安定の若い講師クラスに講義の上手い先生が多い。
講座のタイトルと、簡単な内容説明を読むと、興味のある講座が多い。
だが、実際は殆どの先生は落第。先生よりも、事務局職員が知恵を絞ってるのだろう。
今まで受けた公開講座で、未だに印象に残っているのは、数学者の秋山仁先生。
難しいことは言わず、時々爆笑させ、小道具まで持ち込んだ。
ご自分の意見もしっかり述べられる。
でも、大学が主催する公開講座の学者は殆どダメ。
そろそろ、大学の定期的な公開講座は、卒業する時期かもしれない。