林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

青豆とうふ・ふんわりとまえがき

2014-10-31 | 拍手

 

和田誠さんのイラストが載っている本なら、無理しても買うことにしている。
東急文化村の宝の山のような本屋で見つけた、新潮文庫「青豆とうふ」は手ごろな値段だし、嵩張らないので、迷わず買った。

著者・挿絵とも和田誠と安西水丸である。
この本の内容は、じじぃがごちゃごちゃ書くより、和田誠が書いたまえがきと、安西水丸が書いたあとがきをそのまんま転記した方がいいと思う。
長くなりますが読み易い文章なので、お付合いくださいね。

  まえがき・和田誠

  ぼくは安西水丸さんのファンです。同業者という点ではぼくの方が少しばかり先輩ですけど、こういうことは年齢とは関係ありません。
  いいものはいい、面白いものは面白い、美しいものは美しい。水丸さんの絵は、どれにも該当するんです。
  そして彼の絵はのほほんとしている。一見、手を抜いているようにさえ見える。この「一見」というところがミソなんです。
  実は手を抜いているどころか周到に計算された「のほほん」であって、彼の作るものはふんわりと、あるいはじわっと、人の心に入ってきます。
  その上忘れられない何かを植え付ける。油断がならない。真似しようとしても真似できるものではありません。

  水丸さんは文章の達人でもあります。エッセイはもちろん小説も書く。文章を書くことはぼくも好きですが、創作は苦手です。
  たまには童話ふうのものを書くことはあるけれど、彼の短編のようなエロティックな作品を書くことはできません。
  経験不足と言うんでしょうか。それはともかく、文章を書く、という点は共通しています。

  二人ともイラストレーターですから、もちろん絵を描くことは共通項です。二人とも絵を描き文を書く。
  ということは、水丸さんの文章にぼくが絵をつけることができるわけだし、ぼくの文章に水丸さんが絵をつけることができるわけですね。
  そう思ったのが、この企画のそもそもの始まりです。
  二人で交互にエッセイを書き、書き手でない方がイラストレーターとして参加する、という連載をしようよ、とぼくが提案、水丸さんが「小説現
  代」に話をつけてくれて、企画が実現したんです。

  エッセイはシリトリ形式で進行しました。「歌仙」形式と言った方がいいかもしれないですね。
  片方が書いた文章のおしまいの部分を引き継ぎながら、いつの間にか別の話題になり、そのおしまいの方をもう一人が引き継いでゆく。
  打ち合わせなしなので、お互いにどういうことになるかわからない。話の展開の先が読めません。
  したがって事前に書く材料を準備しておくことができない。相手の文章を読んで、挿絵を描きながら、次に自分が書くことを考えるという、なか
  なか面白くて得がたい経験をしました。

  連載を始めるにあたって、タイトルをどうしようという話になります。二人ともいい知恵が浮かびませんでした。
  ある日水丸さんが、彼と名コンビでもある作家の村上春樹さんと食事をしながらこの話をして、「タイトルを考えてよ」と頼んだそうです。
  村上さんは「そんなこと、とてもとても」と言いながら、ふと「青豆とうふ」と口にされた。水丸さんは「それ、いただき」と言い、翌日それを
  きいたぼくも賛成して一件落着したわけですが、ちょうどその話題が出たときに村上さんが食べていたのが、青豆とうふだったということです。
  ほんわかとして、とてもいいタイトルですね。それにしても、青豆とうふを食べてくれていてよかったと思います。
  納豆つくねきんぴら添えだったらどうなっていたでしょう。

  後日、水丸さんにねだってその店に連れて行ってもらいました。渋谷にある小ぢんまりしたカウンター割烹料理屋さん。
  ぼくはさっそく「青豆とうふ」と注文しましたが、「あいにく今日は品切れです」とのことで、まだぼくはこれを食べていないのであります。

あはは。面白いでしょ? 本文の面白さを期待できますね。
ここで一旦休憩し、明日は「目次」です。これがまた、なかなかの傑作です。

鳥人の絵が和田誠さん、福助の絵が安西水丸さんだと思います。
題字はどちらが描いたか、区別がつきませんね。

141031


銀座の路地歩き

2014-10-30 | 歌の翼に

久しぶりに銀座をうろついた。
表通りも裏通りもキレイな店ばかりになってしまい、ちっとも面白くない。

 

時々、狭い路地に入り込んでも、充分に整理整頓していて清潔である。
銀座の雀やゴキブリが可哀想だね。


近頃、薄穢い路地の方がが好きになったじじぃは、ゴキブリだわさ。
サイタマから飛んできた、田舎のスズメかもね。

                 銀  座  の  雀

                 

                 黒ずんだガラス張りのリクルートビルはすぐ見つかった。
                 そこで安西水丸展が開催されている。

                 141030


NTTビリング責め

2014-10-29 | 重箱の隅

固定式IP電話はと光フレッツはNTT東日本、メールはぷらら。
そして殆ど使わないケータイ電話はNTTdocomoにしている。

支払は固定電話、メール、光フレッツは当初からNTT東日本にまとめ。
請求明細書どおりに銀行口座振替をしていた。

少し前に、請求業務をNTTファイナンスに変えると一方的に通知してきた。

一方、ケータイだけはdocomoから毎月郵送される請求明細書付属の振込用紙を用い、郵便局から送金をしていた。

4社ともNTT東日本の関連会社である。
NTT系列でまとめておいた方が何かと便利かもしれないと考え、そうしたのである。
しかしNTTでまとめたことは完全に失敗だった。

今月になってから、以上の4社が一斉に

  リビングに申し込め、さもないと請求書発行料金を月100円頂く

と丁寧な言葉で強迫するのである。
そして、

  来年からは請求明細書は、わが社のホームページを見て下さい

と言っている。
NTTはこれをグロ-バルスタンダードと称するのだろうが、
何と図々しい商売だろうか。

固定電話・光フレッツ・ぷららを纏めたNTTファイナンスと、docomoの2社からなら分かる。
だが、何故4社が別々にビリング登録を迫るのか?

しかもビリングの呼び名が下記のように、各社で少しずつ異なる。
一層分かりにくくする
のは何故なのか?

   NTT東日本/@ ビリング  光フレッツ/@ ビリング  ぷらら/web ビリング
   
NTTファイナンス/web ビリング  docom/e ビリング

こんな面倒臭いことになるなら、NTTの系列会社でまとめなければよかった。
NTTは止めとけばよかった、とつくずく思う。

各社の細かい活字でバカ丁寧な説明書を読んでいると、目がチカチカ、頭がくらくら。
じじぃには何が何だか分からなくなるのである。
そこで電話で直接NTT東日本に教えてもらおうと思ったが.......。

NTTは電話会社なのに電話がなかなか繋がらないんですな。
必ず「只今タイヘン混み合ってますので.....」で始まる。
用件を分類させたうえに再び「只今大変混み合っていますので.......」となる。

NTTが勧める「別の時間」に電話しようにも土日は休みで、平日は5時まで。
いまどき珍しい殿様商売なのだ。NTTは直接、利用者の声を聞きたくないようだ。

NTTはこの仕組みを「紙が減り地球に優しい」と自画自賛している。
しかし本当は売り上げ増加策と経費節減策である。
もう一度書く。

  NTT東日本で纏めたことは、完全に失敗だった。

挿絵はパウル・クレー「庭園の中の人体」です。

141029


赤瀬川原平さん

2014-10-28 | 拍手

遥か先を行ってた赤瀬川原平さんが、もっと先に逝ってしまった。
前衛芸術家・画家・芥川賞作家・路上観察学会会長、カメラマン..........。それに千円札模造と展示で前科者。
享年77歳。飄々としていながら、常人の何倍もの大活躍。赤瀬川さんから、気付かなかった面白いことを沢山教わった。

赤瀬川さんの本は、値段が安ければ大抵のものは読んでいるが、いちばん可笑しかったのは「新解さんの謎」だった。
路上観察学に染まり、まち歩きは随分しているつもりだけれど、赤瀬川さんのように、にやっと笑えるトマソン物件など超芸術は発見できなかった。

朝日の記事(10月27日朝刊)によると、

     常に知的な脱力感と可笑しみが漂う話題を提供。

とある。また、ご本人は自らの歩みを振り返り、

     やってきたことは一種の落穂拾い。落とし物には意外と本音が隠されている。

と話していたそうだ。
なるほどね、そうだったのか。朝日の記事は赤瀬川さんの仕事を巧く総括した。
また、赤瀬川さんの狙いは見かけによらず鋭いね。

僭越ながらわが零細ブログ・林住記も、その線を狙っているつもりである。
どうせ世間から無視されてるから、誰にも
遠慮せず、毒気や自嘲自虐を少し混ぜてね。

だがしかし。同い年でも、同県人でも、子どもの頃は同じ夜尿症であっても、結果は随分違ってたなぁと溜息が出る。

これから先、森生が50年生き延びたとしても、赤瀬川師匠の域に、到底近付けないのは当たり前のこと。
もう、お師匠さんの面白い本や発見に出会えなくなったことが残念です。合掌。

141028


紅葉狩り

2014-10-27 | うわごと


紅葉狩りには行かない。

霞む目をカッと見開き、中津川渓谷をとろとろ走るのは危険なこと。
お叱呼をガマンしながら、渋滞するいろは坂をのろのろ下りるのは辛いこと。

錦綾なす紅葉の山と渓谷は、道端に落ちた枯葉の中にもあるのであります。
よ~く見れば、赤城山にも妙義山に劣らないのであります。

紅葉狩りは、遠くに出掛けなくてもできる。(美人だってね
だから、紅葉狩りには行かない。

141027


有効期限切れ

2014-10-26 | じゃじゃ馬馴らし

お世話になっている某ブログにそんな気はないはずだが、実はからかわれているようで、イライラさせられていた。

利用料の支払いをクレジトカードでしているが、先日、「クレジットカード情報を変更して下さい」という長文のメールが来た。
こういうメール、嫌いなんですね。

ドキドキしながら指定のURLを開けて、ログインしようとしたら、案の定IDパスワードとパスワードが邪魔をする。

苦心惨憺四苦八苦して二つのパスワードは思い出した。
なんのことはない、二つのPWは記事を編集する時に、稀に邪魔するIDパスワードとパスワードのことだった。
ここでは秘密の質問とその回答を新たに設定。

しかし次に進むためには決済パスワードが必要である。
決済パスワードには全く心当たりがなく、
肝心の「クレジットカード情報」を変更する頁が開けない。

で、メールで事務局に質問しようとしたら、あらら、Q&Aを見て下さいませ、だとさ。
だけどQ&Aだなんて言われたってなぁ.........。ボーダイな一覧表から狙いとおりのを探し出すのが一苦労だし、はいつだって意味不明だぜ。
そこで、やっと探した事務局に平身低頭しながら質問メールを送信した。

数日後受信した回答メールの丁寧で難解なこと! 何回読んでも後期高齢者には難解であります。
要するに、決済パスワードを忘れたら運転免許証を複写し、所定の用紙を自分で印刷してそれに記入し、事務局へ送付して下さいませ
、と言ってるようだ。
やれやれ、ここまでやって更にそんなことできるかよ。

何度も何度も何度も何度も、車のナンバーや預金通帳など思い当たるパスワードもどきを、決済パスワード欄に入力し続けた。
そうしたら窮すれば通ず。驚くなかれ。ななななんと扉が開いたのだ。疑・疑・疑ーっと音がしてね。

クレジットカード情報変更は意外に単純簡単スイスイだった、というより変更する必要がないのね。
なぁんだバカバカしいと思ったが、後がいけません。

先ず、カード番号は以前のままだけれど、変更後の番号入力欄に以前の番号を入れないとやり直しを命じられるので以前の番号を入れる。
次、カードの有効期限を月・年の順序で入れる。月は選択釦で、年は下2桁を半角数字でね。
そしてカードの裏側にある3または4桁の数字を入力せよとある。そんな数字はどこにある? 
多分これだろうと思う3桁を探し出し入力し、合格
最後に「変更する」と「キャンセル」釦があるので「変更する」をポチッとやると........。

あっらららら~、チクショウめ

     「ご確認下さい。お客様がご登録のクレジットカードの有効期限が切れております・・・・・・・・」。

ここで初めて気が付いた。そうだっ 新しいクレジトカードが先月届いていた、と。 

泡食って、小窓に延長された新しい有効期限を慎重に慎重に慎重に、もう一つ慎重に入力した。すると、

     「ご確認下さい。お客様がご登録のクレジットカードの有効期限が切れております・・・・・・・・」。

以後、やり直しやり直しやり直しやり直しやり直しやり直し・・・・・・・。

大いにパニクッて、アタマくらくら、目はしょぼしょぼ。昨夜は今朝だったので、今日は一日に2回、就寝することになった。
結局、日が変わって諦めようとしたら、間違いが分かった。正しい有効期限は2020年09月だったのに2000年09月と入力し続けていたのである。
悪かったのはこの森生。だけどなぁ.........。

巷にはセクハラ、パワハラが溢れ、最近はマタハラというハラが登場した。
net業界か業界かweb業界か知らないが、この業界はじじばば苛め、シルバハラが蔓延してる。ふぅ。

挿絵は Mural on Indian Red Ground  1950, Tehran Museum of Contemporary Art

141026


便秘の理由

2014-10-24 | 林住期

3日以上出ないのが正しい便秘だそうです。
森生の場合、3日目くらいに出るので、便秘だと悩むのは被害妄想らしい。
でも、気分は立派な便秘であります。

朝昼晩の3食と間食を足せば、相当の分量を体内に取り込んでいるはずです。
しかし出る分量が少ないようだ。
あれは一体、どこに消えたのだろうか。
全部皮下脂肪や内臓脂肪にに化けたのだろうか。

秋が深くなるとスッキリ出なくなるのは、近頃の便座がやけに冷たいからだ。
毎朝、尻を下した途端、電撃が走り、緩んだ括約筋がぎゅっと締まってしまうからだ。
それにお叱呼が近いので、水分摂取を控えていることもあるのだろう。

昼間はまだ暑い日があるけど、朝晩は股引が恋しい。
しかし股引を履く前に、便座に電気を通すかどうか、結論を出さねばならない。
いずれにしても悩ましい季節であります。

    ・・ 白肌の尻にしみいる今朝の秋 水はたくさん飲むべかりけり ・・
                                   ......... 森生

        

         蛇足になりますが、若山牧水の元歌をご紹介しますね。 

              ・・ 白玉の歯にしみとおる秋の夜の 酒は静かに飲むべかりけり ・・

         牧水先輩って、歯がきれいに揃ってたようですね。羨ましい。
         森生の歯は既にまばら。色は骸骨色になりました

         (ねじり徳利は原宿陶画舎さんからお借りしております)

         141024


窮屈なGパン

2014-10-23 | 林住期

安物衣装持ちなので、秋のパンツ(ズボン・スラックスのことですよ)が見つからない。
仕方なくごみに出すつもりだった若い頃のGパンを、また履いた。

キツイねぇ。腿と尻がパンパンで、特に息子が右か左か行く先が定まらず泣いている。
ラジオ体操の準備体操に膝の屈伸がある。CDアナ氏は「朝ですから浅くても結構で~す」と言うが、深浅は関係なく屈伸が辛い。
ポケットは大小5カ所もある。しかし小銭入れもハンカチもなかなか押しこめない。

恰好だって尻が少しでも持ち上がればいいが、中身が中身だからでろりと垂れ下がり、O脚は丸出し。
ラジオ体操に来るおじじたちの中にもGパンじじぃがいるけれど、お互い、ブザマが歩いてるようで恥ずかしい

生地はごわごわと固く、暖かそうに見えても結構脚が冷える。
まだ秋だから耐えられるけど、これじゃぁ真冬になっても股引を履けないじゃないか。

秋に履くパンツを、早く探し出さなければ....

141023


1歳の差

2014-10-22 | 林住期

万年さんの喫茶店へは、かわせみ街道を歩いて行った。
ここのカレーライスが気に入っていて、時々無性に食いたくなるのだ。
オーナーシェフの万年さんが珈琲が苦手なのは森生と同じだけど、万年さんが淹れる炭火焙煎珈琲はゼッピン、と人は言う。

万年さんは「ほぅ、歩いて来たの! 元気でいいねぇ」と感心してくれた。

そこで「7月から毎日ラジオ体操に行ってる」と少し誇らしげに近況を報告した。本当は、7月は21日からだけどね。
期待どおりに「ますますエライねぇ」と褒めてくれて、「あたしなんざ、もぅダメよ」と嘆く。

だけど本当は森生も草臥れている。
徒歩で店へ行くには、前の晩から体調を整えなくてはならない。
出かける前の緊褌一番の覚悟も、店に到着した時はよれよれにほどけて、宵の口まで休憩しないと家に帰る元気が出てこない。

   ところで、万年さんはいくつになったの?

   あたし? 昭和11年生まれ。

   な~んだ、一つしか違わないや、ちょっとガンバリが足りないんじゃない?

   その1年の差が酷く大きいんだなぁ、まぁ、じきに分かるよ。

うん・うん、とっくに分かってるさ。後期高齢者に分類された途端、秋の日は釣瓶落とし。腹立つ里の秋の夕暮。ナサケないねぇ

                                心なき身にもあはれはしられけり 鴫立つ澤の秋の夕暮  
                                                            ....... 西行法師 

  

141022


小渕優子ほか

2014-10-21 | 床屋放談

経産相とは荷が重過ぎると思っていたとおり、やっぱりお粗末な女だった。
政治的手腕は始めから期待できなかったが、財布の管理がこれほど杜撰だったとは驚きである。
それにやってることが、町村議会のおっさん議員そのままだったとはね。小渕優子も群馬県の有権者もシ-ラカンスなのだった。

安い観劇旅行や下仁田ねぎやネクタイの見返りとして、小渕優子を国会に送り込んだ群馬県中之条町の選挙民を、全国で嘲ってやろう。
とはいえ、全国どこへ行っても、似たようなものかもな。

輝く女性の代表選手が、この程度だったとは.........。安倍晋三の任命責任を追及しても、鉋屑だから仕方がない。
安倍の政策や政治手法を追及し、言い負かせず、こんなことでしか攻められない野党が情けない。

次の選挙ではこの事件を思い出して、答を突きつけるしかない、と思うよ。
すぐ忘れるので無理でしょうが.......。

      

松島うちわセンセイは、もう少し泳がせておいて、話題を提供して欲しかった。
次は高市早苗と山谷えり子センセイの番だろうね。マスコミは二人をもっとおだてあげてやれ。

久しぶりの蓮舫センセイにはガッカリした。この人もここまでだろうな。

141021


記念品は油絵

2014-10-20 | 林住期

OB会は、豪華な会場と盛り沢山のバイキングに囲まれ、大盛況だった。
一人、相当高齢のお爺さんが来ていた。名札を見ると伝説的な大先輩だ。

出席者は昭和35年入社の森生世代を中心に、前後5年くらいのじじばばで、全員同じ職場の卒業生だ。
当時、会社は時流に乗り急速な発展を遂げた時代で、大先輩はその前の、創業期の波乱万丈の時代を生き延びたお人。名前だけは知っていた。
勿論、ひよっこだった森生のことを知っているはずはなく、OB会の新会長ほか数人の先輩たちと親しげに話を交わしていた。

大先輩の長い挨拶は、普通は迷惑だ。
けれども創業期の激動と、オーナーに振り回され、いまは悠悠自適。人生を達観した大先輩の有為転々は面白かった。

大先輩は大量の油絵を会場に持ち込んでいた。
引退後訪れた欧州と印度の、お馴染みの風景を描いた小品で、額縁はない。
コンデジ写真を基に1枚を2~3日で描き上げたので、千数百枚もの作品がお宅にあるそうだ。

最近、脳に前癌性腫瘍が見つかった。
告知された時は激しく落ち込んだけれど、年齢に不足はないと思うと、これからはもっと楽しく、人に喜ばれたいと考えを変えた。
描きためた大切な油絵は後輩どもに上げちゃえ、という気になった。

そこで噂に聞いたわれわれ世代のOB会に特別参加したというわけ。

   皆さ~ん、便所の飾りでいいんですよ。額縁は新宿の平和堂にあるから、帰り道に自分で見繕って下さいね。

ということになった次第。
下の写真は森生が順番(2番目だった!)で好きなものを選び出し、頂いた作品です。ベルギーの水郷ブルージュ風景の由。

嬉しいね。思庵(厠のこと)に飾るなんて勿体ない。
わが猫額亭では玄関に飾りますからね。でも絵具が薄いので他にくっ付くことはない。
だいいち森生がいつまで生きるか分からないので、額装はしません。

        

電話が繋がらなかったおじいは、出席した。
電話線がなんたらかんたらから抜け落ちていたらしい。普段はケータイで済ませているので気付かなかったとか。
ふんっ、森生より進んでやがんの。老け老けはお互いさま。でもね、あんたのまだら呆けは進み過ぎだぜ。

あの頃の美男美女はおしなべて痛みが甚だしい。
けれども当時のブス・ブオトコは歳月を経るとそれなりにいい味が出て、鑑賞に堪えるのね。

幹事を降りた森生は、のほほんとOB会に出たけれど、後輩幹事たちは19号台風にやきもきさせられた由。
今年の新年会は大雪ではらはらしたので、次回は来年のGW後、ということになった。

それまで、ガンバルね。

バイキングはイメージです。油絵の大きさは葉書4枚大です。

141020


繋がらない電話

2014-10-17 | 林住期

忘れたり日時を勘違いしている人がいるので、OB会の出席確認をしているが、そのうちの一人に電話がどうしても繋がらない。

毎日数回、時間を変えて電話しても、

  お客様のおかけになった電話番号は、ネットワーク設備の故障、もしくは通話先の通信機器が接続していないか、電源が入っていないので、
  お繋ぎできません。(以下、英語でperapreape・・・・・)

と言われ続けている。ネットワーク設備? 通信機器? 何のこっちゃ。
最近はこれだから困るね。なんでもっと分かり易く言わないんだろうかねぇ。

     

彼には4日前の昼下がり、西所の踏切でばったり行き逢った。あの時、確認すればよかった。
でも、踏切が混んでたし
遮断機が下りそうだったので、やぁやぁ、だけで済ませたのだ。
彼は森生と同い年のはずだが、この1年で更に衰えたように見えた。それで、きっとOB会を忘れてるな、と思い電話し続けているのである。

かくいう森生も留守電が入っていたのを1日2日気付かなかったことが何度もある。会う約束を忘れたこともね。
だが4日間も繋がらないのは、あのまま入院したか、悪くすると孤独死かも。

以前、パソコンはまだ使ってると言ってた。それはよくある老人の見栄。実はMS-DOSには蜘蛛の巣かもね。
メールしようと思っても、メールアドレスなんか知らないもんな。

OB会に出て来るかどうか、気懸かりだ。

141017


誤りを謝ります

2014-10-16 | 重箱の隅

10月10日を「転倒の日」とした記事を、謹んで訂正します。
正しくは「転倒予防の日」でありました。この広告の狙いだった「予防」を見落としておりました。予防を外したら転倒を勧めてるようだもんね。

近頃、どうもこういうアヤマリが多い。心よりアヤマリます。
でもね、謝るばっかりじゃないよ。仕返しにこの際この広告の欠点をも指摘しておきます。

転倒予防学会が主唱して出した1頁大の広告のヘッドコピーを補足するコトバが少し不穏当ではないだろうか、と言うヒトも約一人いる。

   はじめての転倒・骨折を、

   最後の転倒・骨折にしよう

1行目は転倒と骨折は避けられない宿命として受け入れ、2行目は転倒と骨折を機に「もう死にましょう」と主唱してるととれなくもなくない。
だいたい10・10をテン・トウと重箱読みだか、湯桶読みだか、米日読みにするのも節操がないね。

     ・・ 露をだに厭う大和の女郎花 降るアメリカに袖は濡らさじ ・・

と詠んだ横浜巌亀楼の花魁・亀遊さんの心意気を見習うべきだった。

それに学会のシンボルマークを達磨さんにするのは不適切である。達磨さんでは老いには手も足も出ない、ってことになるではないだろうか。
ま、そのとおりであることは悲しい現実ですが.......。


それでここは当然、起き上がり小法師か弥次郎兵衛にすべきであった。

え?「起き上がりこぼし」と書いてある、ですって!?う~む、......もっと大きい活字を使いなさいっ。

それにSTOP! 10・10とか、The Japanese Society
for Fall Prevention とは何事だぃ。
何度も何度も、電子辞書をぽっちんぽっちんしなければいけないじゃないか。朝日新聞は日本の新聞で
、読者は日本人でしょ。

以上、転んでも只では起きないじじぃでした。

起き上がり小法師の写真は、福島県在住・pochicoさまのブログ「あんな話こんな話」から拝借しました。
学会キャラクター・スミちゃんと学会のシンボルマークは新聞広告から。

141016


休養日

2014-10-15 | 林住期

猛烈な台風が来るというので、朝のラジオ体操は2日続けて中止になった。
大型台風は18号に続き19号も空振り。台風通過の夜は、いつもと同じ静穏な夜だった。お蔭で2日間、3か月ぶりにたっぷり朝寝坊ができた。

月曜日は朝から雨が降ってたので、行き帰りの長い散歩も取りやめて、家に篭っていた。
火曜日は快晴だったけれど、気が付いたら家で燻っていた。

朝寝坊は、なんて気持ちがいいんだろう。そのまま死んでしまったらまさに極楽往生だね
出歩かず、家でごろごろしてるのは楽ちんでよろしい。ラジオ体操より、ずーっと身体に良さそうだ。

ブログもこの世から無くなれば、極楽極楽ですな。

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運動会 豚汁の恨み

2014-10-14 | 高麗便り

台風のために1週間延期した団地の運動会は、19号台風が襲来する寸前に開催することができた。
会場は坂の上の、またまた上の、厚い雲の下にある小学校の校庭である。

運動会見物に行ったのは、ブログネタ探しと、ラジオ体操で知り合った好々爺さんが「お昼ご飯にどうぞ」と勧めてくれたからである。
ラジオ体操を企画実現したこの温厚な八十翁さんは、運動会では豚汁班を受け持っているようだった。

へそ曲がりじじぃは、不純な動機で運動会見物に出かけたんですね。

幼稚園の運動会は同じばらばらでも可愛いらしく微笑ましいが、おっさんおばさんが歯を剥き出し胸を揺さぶりどたばた走る姿は浅ましくおぞましい。
そして、肝心の豚汁は、すきっ腹に収まる前に腹が立ち、食わずに帰ってきた。

2種類のおにぎりと豚汁を受け取る導線がごたごたしていたクセに、鮭と梅干しのおにぎりと豚汁等炊き出し食品別員数管理が厳重だったんです。
更に梅干し女の意地悪が重なり、ウッカリじじぃが水蒸気爆発。暴走老人になったのである。

豚汁は住民の自治会費で作ったはずだ。なのに梅干し女は、長期会員でありながら初めて直接的見返りを受けるじじぃに「恵んでやるよ」的無礼だ。
トサカに来て、隣の鮭おばさんから頂いたおにぎりを、杓子定規な女が担当する梅干しおにぎりの上に、放り投げてやったってわけ。

十数年前に順番で班長をやらされた頃から、団地の運動会は不人気だった。競技に出場する人をかき集めるのに苦労した。
数年前から隣の団地と合同で開催することになったが、不人気に不人気を足しても校庭はがらがら。全然盛り上がってはいなかった。

住民の高齢化と娯楽が多様化した今、団地の運動会は役割を終えた。多くの住民がそう感じていることは、運動会の寂れ様を見れば明白である。
だが前例踏襲至上主義の行政と市の体協と、その下部機関のような自治会幹部だ。石頭たちは、寂れ運動会をいつまで続けるのやら。

以上、食い物の恨みは恐ろしいぞ。

141014