林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

武蔵台晩秋・猫額亭辺

2007-11-30 | 高麗便り

 

     ♪あなた変わりはないですか
     夜毎寒さがつのります
     読んでくれない「林住記」
     涙ながらに書いてます
     男~心の~未練~でしょう~

冗談ではない寒さである。雪が降ってきそうな寒さである。
北向きの猫額亭は、寒くて寒くて凍死しそうな寒さである。

灯油がまた値上がり。
股引履いてもまだ寒い。はるみさん、セーター編んでくれますか?

散歩をすれば光熱費の節約になる。メタボ対策にもなるだろう。

そこで、秋が唐突に深まったご近所を徘徊してみました。

  

猫額亭の周辺にも秋がやって来た。
電柱が無ければ、絵になる風景である。

木枯らしが吹くと、道路は落葉が小人の運動会のように渦を巻き走る。

落葉だけなら風情があるが、おいっ、煙草のポイ捨ては止せっ。
ダンボールが飛んで来る。掃除が大変だ。

 
 
 
 


買物は山越え

2007-11-29 | 風に吹かれて

 

 日高市に近い飯能市の外れ、国道299号線の脇にスーパー、ドラッグストア、100円ショップ、飯能観光案内所が同時に開業した。前を車で通ると広い駐車場が混雑している。

開店数日後、運動のために山を越えて、買物に行った。早足で往復40分かかり、団地内のスーパーより遠くはなるが、広いし、運動になるので有難い。

店はそれなりに賑々しく、特にスーパーは夕方のためか、かなり賑わっていた。
飯能や日高の百貨店やスーパーに十二分に匹敵する広さと品揃えの豊富さであり、このままの品揃えを継続できれば、繁昌すると思う。
他の2店はガラガラ。周りは山林だから、夏なら人より虫が集中するだろう。

観光案内所は3店より前に完成していたのに、内部はがらんどうで、業者が持ち寄ったパンフ類が置いてあるだけ。沢山ある棚は全て空っぽである。立派な風采の男女の職員がいるが、一体どんな仕事があるのだろうか。
補助金て建設したのだろうが、役所のすることは、いつもちぐはぐである。

建物の外観は観光案内所と付属の公衆便所が和風で立派である。
他の3店は今までの残土置き場の殺風景がバラック建築に入れ替わっただけで、同じく殺風景である。
周りが綺麗な山林なので、もう少し都会的な洒落たものにして欲しかったし、欅並木は残して欲しかった。

国道を使わなかったのは、歩道が無く、曲がりくねった下り坂を大型車が疾走して、危険を感じるからである。
山道はその点は安心だが、草が茂る夏場は蛇が出そうだ。秋の夕暮れは薄暗くなり、山賊は出ないまでも、猪一家が食事に外出する時間である。
手にぶら下げた食料品を狙われるのではないかと心配だった。

国道も山道も、歩行者用に整備をすれば周囲を回遊出来るようになる。
道路造りを売りにしている県議先生や、観光と地域おこしが口癖の市議先生たちは、一度現場を歩いて見るがいい。

この3店が開店しただけで、飯能市内の商店街は一層寂れるだろう。

スーパーへ行く山道

▲絵(部分)は横尾智子さん。JAF Mate11月号より。


がんばる

2007-11-28 | 重箱の隅

 「がんばって」が大安売りである。

 ・試合に出る
 ・受験する
 ・病気になる
 ・落ち込む
 ・出勤する
 ・失敗する

こういう場合、周りの人たちは大抵「がんばれ」、と言う。
当事者は「がんばる」と言う。
あ、出勤する時には、もう随分と言われていないでしょうが.....。

「がんばる・頑張る」を辞書で調べると、「我を張る」が転じたものらしい。
あまり良い意味ではない。
もっとも近頃は「我を張る」は死語で、「個性を主張する」とか「アイデンティティを実現する」とか、訳が分からない言い換えをしているようではあるが......。

「頑張る」の意味は

 ①我意を張り通す。「間違いないと-・る」
 ②どこまでも忍耐して努力する。「成功するまで-・る」
 ③ある場所を占めて動かない。「入口で-・る」

となっている。
多分②の使い方が多いのだろうが、余計な御世話であるし、うっかりすると生死に関わる恐れもある。痛いなら痛いと言って、早く医者に見せる必要があろうし、本人は最大限の努力をしている場合があるだろう。
当事者本人が「がんばる」と言うのは、あんたの勝手でしょ。
まして①や③では周りが迷惑すると思う。

「頑張る」の「頑」に就いても調べてみた。

 ①融通がきかないこと。「-・として応ぜず」「頑固・頑迷」
 ②丈夫なこと。「頑健・頑丈」

以上、半分以上は周りの者が迷惑することじゃないだろうか。
相手だって困る場合が多いだろう。
あまりいい言葉じゃないね。

森男は以前から何かと言うと出てくる「頑張って・頑張る」と言う掛け声に疑問を持っていて、人さまに対してこの言葉を使うことを差し控えていた。「林住記」には殆ど使わない言葉である。
この度、辞書を当たってみて我が意を得た感じがした。

実はここ数日「林住記」を書くのが億劫である。
風邪の所為でもあるし、数日前の鳥居観音で下手な写真投稿に「頑張り」過ぎた所為かもしれない。
別に歓迎されている訳でも無いのだから、投稿を休止すればいいのだが、それでも勝手に「頑張って」いるのだぞ。

贔屓にしている「アカチパラチ」と「どっこいショット」が14日以降、更新されていない。作者の霜月さんがご旅行中なら歓迎なのだが........。
毎日、ただ素敵なだけでなく新鮮な発見と鋭い批評性を併せ持った写真を見せて下さっていた。短い文章も好きだ。
頑張らないで、また続けて下さることを、切にお願いしますね。

▲絵は山田雅夫先生。「カラ-スケッチも3分」(光文社新書)より。


木蓮

2007-11-27 | 庭いじり

 木蓮の葉がようやく色づいてきた。
木蓮の葉は大きい。落ちる時はバサリバサリと音がして、索漠とした気分になる。
春先、花が終わると、どてらの様な花びらがドサリドサリと落ちて、味気ない。

落ちた葉は厚ぼったいので見苦しい。欅や桜のように砕けたり腐ったりしない。
木は旺盛に成長して直ぐ屋根に届いてしまうし、根は排水菅の中まで伸びてくる。
枝ぶりは出鱈目で、猫額亭のような繊細な名園には不適切な樹種だった、と植えつけたことを後悔している。

色づいた葉を引っ張ってみたら、ハラリと簡単に外せた。
2枚、3枚、終いには脚立を持ち出して、丸々1本裸にしてしまった。ヒマだねぇ。
木蓮だけが、秋が過ぎて最早津軽海峡冬景色である。

毎年、年末に落葉を拾い集めているが、しゃがんだり屈んだりすると腰がおかしくなるのである。それならば、むしろ背伸びをして葉を外した方が身体にいい。
猫額亭は矢鱈に色んな草や潅木を植えてあるので、箒が使えないのである。

問題は、一丁前の庭師のみなりをして、葉を1枚ずつ外しているのは相当な変人奇人に見えて恥ずかしい。それで、今が稼ぎ時の本職の植木屋のトラックが通ると、つい隠れてしまう。

ご近所もきっと呆れているだろうよ。

足掛け4年お手伝いをしていたさる名刹のご住職。
この時期になると落葉を目の敵にして、まだ紅葉中の紅葉の葉を竹箒に長い棹を取り付け、
叩き落として、掃き集めたものである。

▲画像は山田雅夫先生。「カラースケッチも3分」(光文社新書)より。


通販生活

2007-11-26 | 拍手

  秋冬号裏表紙

 耐乏生活をしている森男の愛読書は「通販生活」です。

林住期はその時に備えて持ち物を減らし、お金を減らさない時期だから、通販生活を見て注文することは無い。
ただ掲載商品を目で楽しみ、使用感を空想するのは老後の脳味噌のために必要なので、毎年購読を申し込んでいる。

通販生活を発行しているのは「カタログ・ハウス」社である。
創業者はルーム・ランナーで爆発的な売上げをあげた。
森男は「日本通信販売協会」を設立する際、少しお手伝いをしたことがある。
新知識を連発する上司だった専務殿と、創業社長のご意見を伺いに行ったことがある。

コテンパンにやっつけられましたね。貴社は大企業にも拘らず通販業界牽引車の役割を果たしていない、業界の信用を失墜させている、と。
それ以来、専務殿は大人しくなり、協会事務局からの電話には居留守ばかり。
あの頃から既に、カタログ・ハウスは志の高い通販業者を目指していて、今、見事にそれを実現している。

通販生活は商品カタログではなく、記事が面白く、タメになる。
例えば、

 ・持続可能な年金制度6案......あなたは誰の案を支持しますか?
  ・「沖縄戦集団自決は軍の強制ではない」は正しいのか?間違っているのか?
  ・誰も知らない世界シリーズ=露天商
  ・医師と患者の両側から考えるシリーズ=心筋梗塞と不整脈
  ・好評連載「人生の失敗」
  ・勝手に世界遺産=藤山直美推薦「はり重本店」
  ・舞台裏座談会シリーズ=戦場ジャーナリスト   ......といった具合です。

また、随分前からチェルノブイリやイラクなどの支援を行っている。
自社への批判的な意見も率直に記事にして、回答するのも好感が持てる。
「近頃妖怪評判記」のように話題の一郎センセーや百合子センセーたちを妖怪に見立て、こき下ろすという結構悪ふざけな記事もあり、愉快である。

肝心の通販商品はそれぞれよく吟味されているし、商品の説明は詳しく、提案性が強い。裏表紙の「もんぺ」はその1例です。

1冊、僅か180円。耐乏生活者にも買える値段。書店にあります。
一度立ち読みして、内容をお確かめ下さいね。

「カタログ・ハウス」のHPも、いろいろ工夫されていて面白いですよ。

秋冬号表紙


窓ガラスを拭く

2007-11-25 | 重箱の隅

 

 結局、障子の張替えは近所の便利屋さんに頼んだ。
全部で6枚、紙代を含めて13200円の出費であった。

中学生の頃、実家には20枚もあり、井戸端で水洗いして張り替えて、お駄賃を貰ったものである。しかし3年前には6枚を張り替えただけで腰が痛くなってしまった。
それで今回は泣きながら他人にお願いすることにした。高い高いお駄賃である。

       

真っ白に輝く障子を嵌めて、網戸を物置に収納すると、窓ガラスの汚れが一段と際立ってきた。
猫額亭はうっかり何かを弄ると、次から次へと波紋が広がるのである。危うい均衡に乗っている風流な茅屋であるな。
それで、何年振りかに窓ガラスを拭く気になったのである。

まず、濡れ雑巾で埃や虫の糞をざっと拭き取る。
次に雑巾を濯いでよく絞り、今度は丁寧に拭き取る。
もう一度濯いで拭き取る。

それでも雑巾の細かい繊維や、縞状の拭き跡が残ってしまうのは何故だ?
何度やっても綺麗にならないね。
今度こそ、と思っても、位置を変えて見てみると、まだ汚れが残っており、発生している。

雑巾が悪い、と気付いて、よく聞く新聞紙で拭いてみるがダメ。
次にキッチンタオルを湿らせて、拭いてみる。ガラス1枚に、キッチンタオル1枚。
繊維が付かなくはなったが、まだ拭き跡がのこっていて、もうキリがないや。
メガネ拭き用の大型不織布があればいいのかも知れないが......。

       

毎日が日曜日になってから一時期、掃除に凝って嫌われたことがある。
風呂場、洗面所、台所........。
色んな洗剤や磨き剤を買い集めて使っては見たけれど、どってこと無かった。
ガラス拭きも、泡やらT字型のゴム付き拭き取り器具を使ってみたが、どってこと無かった。人間関係を悪化させただけである。
お掃除業界は全く進歩していないぞ。

結局、拭いた後は見ないことにした。
どうせまた汚れるのだから、もういいや。
今日は上半身の体操をしたのだ、と自らを慰め、納得させた。

お宅様は、どうしていますか?

▲上の画像は芹沢型染め研究所作


予防接種

2007-11-24 | 林住期

 「通販生活・秋冬号」より

 江戸時代、風邪が大流行すると愛称を付けたそうだ。
の~んびりとして、いい時代ですね。
メリケンでは今頃になってハリケーンという大風に男女の名前を交互に付けているが、江戸っ子はずっと先進的だったわけである。

名前は人気力士に因んで「谷風邪」。.........「時津風邪」は心不全で死ぬ恐れあり。
「お七風邪」は大火事が由来だから、風邪も蔓延したのだろう。この風邪は高熱注意。
「お染風邪」はいい名前だ。惚れ易く、うつり易いから、という説だそうだが、浄瑠璃や歌舞伎で大流行したから、ではないか。伝「染」したからかも。

モデルになったお染と久松は........、ま、許されぬ恋をして心中をした、そうだ。
それが評判を呼びエンタテイメントになった、という訳。
それで、大流行した風邪のニックネーム(と言うのもヘンだが)を「お染風邪」にしたのである、と理解しましょう。

当時はワクチンなぞ無く、江戸っ子は魔よけのおまじないを戸口に貼り出して、風邪を防いだのである。
つまり、アンタの好きな久松は留守だから、ウチには入らないでネ、と。
見本は「江東区深川江戸資料館」にあります。

行きつけの「病院れすとらん」で、「インフルエンザ予防接種受付中」の貼り札を見つけた。
「広報ひだか」には載って無かったぞ。
年2回も「大掃除週間」の回覧を出す代わりに、こっちの方にすれば医療費削減ができるじゃないかぃ。
今冬は大流行の予兆があり、昨年同時期の学級閉鎖1に対して、今年は既に58学級、とTBSの森田予報士さんが言っていたぞ。
市役所は、もう風邪引いて学級閉鎖しているらしい。

予防接種しても、抗体が出来るまでに4週間必要で、抗体の効力は4ヶ月しかないそうだ。しかも予防接種は2回必要の由。
65歳以上は1回は1000円、2回目は「普通の金額」だと。普通の金額とはナンボかいな。

インフルエンザには、香港AとかBとかトリまであって、それ用の予防接種でないと効かず、この冬はどれがそれだか分からない、とは分からない話。
平成は、どうも「久松留守」と大差は無い。
それに、予防接種とは予防注射のこと。懐もチクリと痛むのです。

去年同様、森男は風邪気味。寝込むほどではないが注射は出来ない。
去年は予防接種をしないでしのぐことが出来た。どうせ久松じゃないもんね。
今年は嘘をついて、風邪を引いた時の予防接種は如何様な作用があるのか、人体実験をしてみようか。

今冬のインフルエンザの愛称に「赤福風邪」を提案するつもりだった。
ところが既に、お福、比内地鶏、吉兆と、欲張り風邪が大流行である。
愛称どころでは無くなってきたようだ。

以上、台風と風邪とインフルエンザがゴチャマゼになってしまった。
どうも熱があるみたいだ。早く寝よう。

寛美・お染風邪久松留守  


観音様には参った

2007-11-23 | 風に吹かれて

 白亜の鳥居観音は山の上に三人連れで立っている。
場所は旧名栗村の西。家からは40分で麓に到着する。
一応仏教寺院ではあるが無宗派の由。
正式な名前は「白雲山鳥居観音」です。

この寺を開いたのは、今では手に鎌を持ち脚絆地下足袋姿の銅像になったお金持ち。りそな銀行の前身の旧埼玉銀行を経営していたらしい。
山仕事姿に身をやつしてはおられるが、風貌には威厳があり、見習わなければならぬ、と反省しました。

 

麓の入口には本堂をはじめ庫裏や博物館(「鳥居文庫」)まである。夫々3癖も4癖もある建物である。
本堂は外観内部ともてんこ盛り。一体全体ご本尊はどなた?である。

ここには由来看板などもあるし、お金持ち像の左には貞淑な夫人の胸像もある。
博物館の縁の下には出番を待つ石像群が犇いているので、今後どのような使い方をするのか興味津々。閉じ込められた可哀相な仏様や女神を見落とさないこと。

入口から車道があるが、500円が必要。集金箱があるだけで無料で通行するのは気がひける。それで徒歩40分という山道を登った。これは正解でした。

山道は良く整備されてはいる。あちこちで立木を手入れ伐採している。
ただ、自然石で拵えた階段にゴツゴツした岩盤が露出して結構、息、上がります。
また、集落を遥かに見下ろす急斜面の道では、股間がスースーします。

そういう苦労はあるけれど、デズニーランドにこそ似合う「平和観音像」や真紅の「展望台」など奇妙奇天烈な楼閣を巡るトクがあった。
もっとも「仁王門」と中に鎮座する阿吽像はまともであるし、お金持ちのご両親を記念する「恩重堂」は、ま、一応真面目な造りではある。


車道と合流するところに三蔵塔という恐るべき白亜の搭がある。
三蔵法師の遺骨のごく一部分がある、と言うがまさか!
中華、印度、マヤその他の様式がゴチャマゼであり、旅姿の三蔵法師の銅像がある。ここは十分に細部を観察鑑賞すること。

ここからは車道を白亜の巨大な救世大観音立像に向かう。途中にクラゲのような「大鐘楼」や印度風の「納経堂」がある。納経堂はただ今ペンキ塗り替え工事中でり近づけない。近付けたって、もう坂道はご免だよ。

ようやく辿り着いた「救世大観音立像」。立派立派、大したもの。
思わず頭が上がります。参った参った。
ここまではね。

すなわち、石段を登って愕然とする。
観音様たちの台座部分が御殿になっており、まるで、千尋の雇い主だった湯婆の館である。もっとも化け物相手の温泉場の経営は傾いているようですが。
観音様は背中に籠のような展望ベランダを背負ってる
いくら好き好きと言ってもあんまりな意匠。

こちらはゴチャマゼ三蔵塔に、ギリシャ神殿様式が加わり更に素晴らしい。
興福寺から四天王の内お二人がお出ましになって、上から睥睨している。
内部は平日だったので、残念ながら入れなかった。どうも豪華絢爛この世の極楽のようらしい。玄関両側のガラス窓には仁王様。
休日に再訪問の必要がある。

ここからの下界や周囲の山並みは圧巻であった。
例年どおり順調に季節が推移していたら、さぞ素晴らしい紅葉風景を楽しめたであろう。
まあ、家から近いから新緑を楽しみにまた来てもいいか、とも思う。

帰りは車道を歩いた。
相当な急勾配で、森男の軽ではとても上れそうもない。
竜宮城正門のような「玉華門」や、風神雷神がしがみ付いている「トーテムポール」がここはパラダイスなんだ、とか。愉快、痛快、滑稽、結構である。

鳥居観音は坂戸の「聖天宮」に匹敵する建築群、と言える。埼玉県の誇りである。
聖天様は道教に則ってキンキラキンの中華風に纏めているが、こちらはユニバーサルに混沌としている。
聖天様より境内が遥かに広いので、異形の建物の印象は散漫。代わりに美しい山林風景や一寸したハイキングを楽しめるというご利益がある。

拝観料は200円。集金人は見当たらなかった。
それならお賽銭で、と思ったけれど、吃驚してしまいどうも信仰心は湧かず、結局只。
それにしても、この険しい山に着目して、この奇天烈なお寺を創った地下足袋のお金持ちは偉いと思う。ムラカミホリエモン、勉強しろよ。

なお、食堂の類はありません。
近くの「さわらびの湯」と「農産物直売所」は生憎休業。
「味自慢」の蕎麦屋は十数人の爺さん婆さん連れが座敷に陣取り、店員はパニック。注文なんか取りに来ない。ピラカンサの実が見事な広場で、冬桜を見ながら昼食にした方が精神衛生上よろしい。

結局、家に帰って遅い昼食となりました。

 
 

追加の写真掲載作業が難航しております。次稿「鳥居観音アルバム」に続きます。
「聖天宮」は昨年12月29日記事「こてこて聖天宮」をどうぞ。
仁王門と恩重堂はお寺のHPから借用しました。


鳥居観音アルバム

2007-11-23 | 風に吹かれて

 

 救世大観音立像

  怪しい者は、
  寄らば刺すぞ。

  湯婆は蟄居中。
  硝子窓の中に阿像。

 三蔵塔

  旅する三蔵法師。
  印度。
  マヤかインカかアステカか。

 平和観音立像・大鐘楼

  地球を踏まえ、背に翼。
  鐘、撞けます。

 玉華門・トーテムポール

  後ろ正面。
  正面の番犬?。

  白雲大観音パラダイス。

 本堂・鳥居文庫

  威風堂々。
  天女、舞い降りる。
  この発想!

 鳥居文庫

  博物館は別料金。
  囚われの仏様たち。
  早く出してあげたい。

次稿「観音山道」へ続きます。


見果てぬ夢

2007-11-22 | 歌の翼に

 

 子供向けの音楽番組だし、出演しているのは人形だ。
けれども、妙に心にずしりと来る。

「夕方クインテット」の本番前の楽屋で、いつもの4人ががやがややっていて.......。

  フラット氏は英会話の猛練習中。「外国を汽車旅行したい」、のだそうだ。

  スコア爺さん「結構結構。ところで、君たちは?」

  シャープ君「フラットさんの汽車の運転手になる」。
  アリアさん「フラットさんのガイドになりたい」

  スコア爺さん「そういうことじゃないでしょ」

  シャープ君とアリアさん「それならスコアさんは?」

  スコア爺さん、

     「子供になりたい。人生をやり直したい」   

スコア爺さんは、昔、靴磨きをやっていたし、沢山な紆余曲折があったらしい。時々、それを楽屋でふと漏らすことがある。
いまはクインテットでチェロを弾いているけれど、「見果てぬ夢」があるらしい。
心の底に鬱屈するものがあるらしい。

人形ながら、スコア爺さんに深い共感を覚えます。
森男は順風満帆の人生だったご老人より、ずっと共感が持てるのです。
そこで、「夕方クインテット」とは無関係だけれど.........。

ミュージカル「ラマンチャの男」より、

     「見果てぬ夢」

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

てへっ。歌詞が見つからない! 覚えてない。

森男も子供になって、人生をやり直したい。
新しいCDくらいは買いたいネ........。 

       ご安心下さい。難しい歌詞、見つかりました。

      「見果てぬ夢」 原詩ジョー・ダリオン 作曲ミッチ・リー 訳詞福井俊

       夢は稔り難く 敵は数多なりとも
       胸に悲しみを秘めて 我は勇みて行かん

       道は極め難く 腕は疲れ果つとも
       遠き星をめざして 我は歩み続けん

       これこそは我が運命 汚れ果てしこの世から
       正しきを救うために 如何に望み薄く遥かなりとも
       やがていつの日か光満ちて 
       永遠の眠りに就く時来たらん

       たとえ傷つくとも 力ふり絞りて
       我は歩み続けん あの星の許へ

                 曲が怪しくなってしまい、この立派で難しい詞の並べ方、違うかも。 
やはりCDくらいは買わなくちゃね。

アリアさんとスコアさんの画像は「読売オンライン・エンタメ」頁からお借りしています。
「夕方クインテット」の解説頁です。 


時計回り

2007-11-21 | うわごと

 

 秋の夜長にすることが無いので、掃除当番札を作り変えた。

3年前に一度作ったが、10軒余りの班の内、すでに5軒も入れ替わってしまい、名前を書き換える必要があった。
班長でもないのにこんな面倒なことをやったのは、夜長と掃除当番のためである。

パソコンで当番札を作りながら、ヘンなことに気が付いた。

各宅の名前を家の並び順に並べるのだが、以前作った時には「時計回り」だった。
それなのに、今度作ってみると、順番は以前とおりなのに、何故か「時計の反対まわり」なのである。

つまり、以下のように時計回りだった

         中→野→薮→字→大→市
         ↑              ↓
         隅←埼←玉←県←日←高   

を、実際の家屋の配置に合せて、これまでと同じ順序で回すと、

         薮←野←中←隅←埼←玉
         ↓              ↑
         字→大→市→高→日→県                   
         

上のように、矢印の向きが時計の針の反対回りになるのである。
いろいろやっている内に、もう日付が変わってしまったわい。

何故そうなるのか、考えれば考えるほど頭はぼんやりしてくる。
あなたも試しにやってみれば、そうなります。
理由は一旦は分かるけれど、よくよく考えると目が回って、また分からなくなります。
こういうのを高等数学の「ポークカレー法則」と言うんだろうか。

そういえば、住人が入れ替わる家はいつもの同じ3軒である。家屋に引越し霊がついている。
他は新築して越して来て以来、ずっと住み続けているのだ。

この怪異現象を江原啓之サンに尋ねたら、何とノタマウだろうか?
そういえば、「神紀行 伊勢熊野」を読まなくちゃ、と探したら、神隠しである。
どうもわが猫額亭には悪霊が付いているらしい。

江原サン、こういう場合は何と答えるか?
それを考えると、夜はまた更ける。
妄言多謝。

図形画像は「赤の渦巻き」です。
背景の渦巻きは同じ赤だが、黄色の線に挟まれるとオレンジ色に、
青い線に挟まれると赤紫色に見える。

青や黄の光が網膜上で赤に混合した結果そう見える、と考える研究者がいる。
しかし、立命館大学知覚心理学北岡明佳教授は、線に反応する錯視で、
脳で起きている、と言ってますが......。


老眼鏡

2007-11-21 | 重箱の隅

 

 視力は10代から衰え始めるそうで、「老眼」は学術的には「老視」と言うそうだ。
近くを見るときの目の調節力の衰えを自覚するのは40歳過ぎらしいが、森男は50近くまで大丈夫だった。
ただ、それから後が釣瓶落としだけどね。

昔から40歳はもう「初老」と言われたそうだ。
そういえば、芭蕉が奥の細道に旅立ったのは40代で、既に芭蕉「翁」と尊称されていた。
お札の夏目漱石も40代の写真の由。
40代であの風格とは、先輩諸氏は偉いものだ。

銀座の老舗眼鏡店では格好を付けて、老眼鏡を「シニア眼鏡」とか「リーディンググラス」と言い換えている。
アホらしい話である。老舗なら老眼鏡を健康保険の対象になるように運動してくれ。

老眼は人生50年の頃の言葉。高齢化社会の実態に合わない。
敢えて言い換えるなら語呂は悪いが「中年の目」、と眼科学会理事長の教授が言っている。

「乱視」の「乱」も、いずれ言葉狩の対象になるだろう。

世の中が煮詰まると教育論や国語に関心が集まり、漢字や漢文を見直す声が上がる。

春先、NHK教育番組「知るを楽しむ・日中二千年、漢字のつき合い」は面白かった。
怪盗役で出演した明治大学加藤徹教授の話はためになった。
「中華人民共和国」の「人民共和」は日本語だそうで、現代中国で使われている政治経済学問芸術用語の多くは日本製の由。

「老眼鏡」は多分「リーディンググラス」で決まり、となるのだろう。
何もかも英語任せにせず、ここらで加藤先生には、漢字の豊かな造語力を生かして、新しい日本語を作って頂きたいところである。

■加藤徹教授のHPは→ ブログは→「夜中のアコーディオン」 どちらもお勧めです。
画像は平田眼科さまのものをお借りしております。


★★★

2007-11-20 | 床屋放談

 (11/19朝日夕刊から)

 並んだ黒星は吉兆のもの。
憤慨している人が多いようだが、ソンナノカンケエネ~。
船場だろうが京都だろうが、吉兆なんか行ったことは無いし、行く気も無い。
百貨店で売っている吉兆の惣菜だって買う気が無い。
 (ほんとは、「気」じゃなくて「金」なんですが......。)

怒ってる人は本当に行ったり買ったりしてるんだろうか?ただ見栄張ってるだけじゃないだろうか?
森男にとっては、近所の「まるしろ百貨店」や「等級」や「鼻毛屋」スーパーがシッカリやっていてくれれば、それでいい話。

今度の終わらぬ事件で、グルメや料理評論家と称する輩がインチキであることが、よ~く分かったのは何よりのご馳走。
老舗とか高級料亭が看板倒れである事を露呈した吉兆3代目には、文化功労賞を進呈しよう。

★★★

ミシュラン日本版が話題になっている。
発売当日まで内容が完全に伏せられていた由。
まさか、吉兆の頁を差し替えるのに忙しかったんじゃないだろうね。
異人さんのお墨付きが無ければ、自分の店を探せないとは情けない。

★★★

もう時効だからバラしちゃうが、八ヶ岳にある高級ロッジの総支配人談。

   ハラが空いてりゃ、何でも美味い。
   だからテニスコートを作ったのサ。

☆☆☆

高麗の里の名店は「武蔵台病院」4階の「風香」です。
手の込んだ日替わり定食580円です。料理も景色も給仕の娘さんも☆☆☆です。
自分の目と鼻と舌を大切にしましょ。足もね。

昔話:ロッジ別館のヒュッテに「吉兆」を誘致しようとした。
この話、初代に持っていったんじゃ諦めろ、と本社社長が判断しました。
このロッジもサービスはねぇ.......。

 


冬を感じる時

2007-11-20 | 林住期

  武蔵野ほうとう819円

 めっきり寒くなった。やはり上越国境は雪だった。
冬を感じる時である。

その他、冬を感じる時は........。

 ・掛け布団がやけに軽くなった時。
 ・朝、布団の中で、このまま死んでしまいたい、と想う時。
 ・破れ障子の張替えを自分がするか、シルバーに頼むか、悩む時。
 ・しまい忘れた花月が霜焼けになっているのに気付いた時。
 ・櫟庵のもり蕎麦より久兵衛屋のほうとうを食いたくなった時。
 ・唇と指先にクリームを塗る時。
 ・カレンダーの残りが1枚になった時。
 ・今年やり残したことをメモに書く時。
 ・頭のてっ辺がスースーして、床屋に行くのを止めた時。
 ・押入れの唐紙に陽が当たる時。
 ・乾した布団の裏側の亀虫をみつけた時。

小とろろ飯210円

皆さんはどういう時ですか?

             画像は「手打ちうどん久兵衛屋」さんのものを頂きました。ああ美味かった。