理想のスコットランドウィスキーを日本で作るべく、マッサンが鴨居商店に辞表を出した時、鴨居の大将はマッサンを叱りつけた。
お前に経営はできない。経営が全く分かってない。
全くそのとおりだと思いますね。
それでもマッサンはエリーの根回しで出資者を見つけていて、大将は、足りなかった10万円を退職金として出してくれた。
大将はマッサンに付いて来たエリーに弱いのだ。
競争者がある方がウィスキーが日本人に馴染まれる。
という理由だった。器が大きいねぇ、大将は。
勿論、エリーは感謝感激雨あられで、大将とハグハグ。
マッサンは愛妻エリーと一人娘のエマを連れ、意気投合した鰊御殿の殿様・熊虎を頼って、北海道は余市へ移住した。
余市は水も空気も泥炭も、風景さえも、本場スコットランドそっくり。ここなら日本初の本物のウィスキーができる、と考えたからだ。
ところがそれから先がまたまた全くダメ。やはりマッサンには経営センスが欠落している。例えば.....。
借金まみれの熊虎を後ろ盾にしたので、当初、地元民に全く相手にされなかった。
マッサンは工場周辺住民の民意をないがしろにしていたのである。これでは工場は建てられず、従業員も雇えない。
海のそばの鰊御殿の隣に、早くもウィスキー工場を新築してしまった。海岸は潮風があり、酒の工場立地として不適切ではないか。
運転資金にするつもりの林檎汁の販売が軌道に乗らないうちに、ウィスキー工場を完成させているのである。
これは運転資金も稼げないのに、固定資産税が発生し、出資金の大半を無駄に寝かせていることになる。
運転資金のために林檎汁の製造販売を始めたのはいい着眼だが、販売先が地元住民のため全く売れない。
平成風に「無添加」が売りでは、新鮮な林檎を丸かじりする地元住民に支持されないのが当然であるし、価格設定は高過ぎた。
また原料の林檎は、森生の目にはジョナゴールドの高級品なみ。「日本一の余市林檎」を使っい、原価意識がまるでない。
全く、マッサンの経営音痴・猪突猛進ぶりは呆れるばかりで、いまだにニッカがサントリーの後塵を拝しているのは当然のことである。
逆にエリーは、深刻な問題を1週間であっさり解決する。
こういう経営をしていては、マッサンの会社は間もなく倒産しますよね。
それでは母親を捨ててまで日本に来て、内助と外助の効でマッサンを支え、幸運を引き寄せるエリーちゃんが可哀想だ。
マッサンには工場だけを任せ、エリーを社長にするか、経営のプロを早くスカウトしないとタイヘンなことになる。
広島の造り酒屋の実家から、扉に鼻先をぶつけてばかりいる蔵人が、再び応援に駆け付けた。
けど、この蔵人クン、鴨居商店の山崎工場時代も、今度の余市工場でもユニホームは貸与されず、相変わらずの印半天姿という無神経。
つまり、脚本と演出が頗るお粗末なんでありますな。
朝っぱらからこんなお粗末な朝ドラでいらいらしたくない。
だったらお粗末ついでに、エリーは呆れてマッサンを見限り、好意を寄せてくれている鴨居の大将と再婚させればいい。
大将はいまやもめで、エリーに好意を持っているし、長男はエリーを慕っている。この展開、巧くゆくと思うよ。
挿絵は柳原良平です。トリスですみませんね。
ニッカがお好きなら下をどうぞ。
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