新国立競技場が迷走している。
当初計画では900憶円。
奇怪な意匠のザハ案を見積もると3000憶円。これではヤバイと、あれこれ切詰めたり規模を縮小したりして1625憶円。
今度は当初のザハ案の巨大アーチを復活して2520憶円にした。
森喜郎東京五輪大会組織委員長が、この問題にっついて、6月9付朝日新聞オピニオン欄で、取材に答えていた。
森さんのオピニオンはあまりにも幼稚なので、殆ど忘れてしまったが、以下のような趣旨だったと思う。
新国立競技場はニッポンを象徴し、世界中から称賛される、立派な施設にしなければならない。
新国立競技場は、19年開催が決まっているラグビーワールドカップに間に合わせたい。間に合わなければラグビー選手が可哀想だ。
新国立競技場について、ごちゃごちゃ細かいことを言う人がいるが、新国立競技場なんだぞ。黙ってろ。
とまでは、まさか言わなかったと思うが、概ねこんな感じだった。
ザハ案の奇天烈バカデカ当初案や、その後の迷走ぶりや、森さんの態度から不肖・森生は、
ああ、やっぱり日本オリンピック業界は日本原子力村だったんだ。
業界出の会長ではダメで、孫正義社長やゴーン会長のような外部異業種から優秀な人材を入れなくては。
と思っていたら、日本オリンピック村にも適任者がおりました。
それは長野五輪金メダリストである清水宏保さんです。
それで、6月27日付朝日新聞夕刊「ロケットトーク」欄から清水さんのオピニオンを抜粋転記します。
僕は2520億円案に明確に反対します。
元々、今回の東京五輪は「コンパクト」を掲げてきた。選手村から競技場までの距離を近くして、選手に負担をかけない。
でも「コンパクト」の意味はそれだけではない。毎回、肥大化する五輪大会を簡素化するためにも活かしたい。
肥大化が続けばサッカーW杯のように、権力者の腐敗の温床に繋がります。
1964年の東京五輪とは、もう状況が異なります。
あの時は日本の戦後が終わり高度成長に向かうきっかけになりました。でも、もう時代が違います。
選手のために奇抜なデザインの競技場が必要だろうか。
メインの競技場は簡素でいい。
五輪大会のレガシー(遺産)を問題にするなら前回の五輪を記念して、国立競技場を改修するという方法もあった。
何も見栄を張る必要はありません。既存の施設を十分に活用すべきです。
我が国得意の「おもてなし」は既存の施設でもできる。
競技の裾野が広がり、選手の力が向上し、国同士の交流が盛んになる.....。
それが今回の東京五輪のレガシーではないでしょうか。
ねっ。元総理大臣だった森喜朗会長とは全然ちがうでしょ?
多分、森さんは若い頃、ラグビーで頭をド突かれて、ああなったんでしょう。お可哀想に。
勇気ある「反対」をした清水宏保さん。
村八分にならないように、声援をしよう。
150630