老眼鏡は歩きますよね。
持ってる人は、誰もが経験しているはずです。
ところが、普通の眼鏡も歩くことがあります。
春の日差しが気持ちいいので、近所の小道を歩いていました。
片側の土手を、ふと見上げると、木の根本にごみ袋が転がっている。
団地の住民の仕業です。団地の住民は、服装はいいけれどマナーが悪い。
放っておくと見習う住民が必ず現れるので、拾って片付けなくてはなりません。
急な傾斜を灌木に掴まりながら登り始めると。
目の前のウグイスカグラの株の枝先が、じじぃの顔面をひと払い。
あらら、眼鏡が外れてしまいました。
慌てて足元を探しても、見つかりません。
シャガを引き抜き、枯れ枝や落葉を掻き分けても、見つからない。
捜索範囲を半径2mに広げても、見つかりません。
土手を上り、上から見下ろしたり、土手を下り、下から見上げても見つかりません。
失せ物を探す時は、冷静になる必要がありますよね。
一旦休憩するため、傾斜を慎重に下り始めたら、キラリと光るものがある。
よく見ると、雑草と枯葉に埋もれかけた眼鏡でした。
失くしたところから5mも下だ。
眼鏡は遠近の区別なく、歩くようですね。
空中を飛んだのかもしれません。
ごみ袋は、通りかかったお隣りのご主人が、回収してくれました。
210315