NHKがドキュメンタリードラマと称する新作「京都人の密かな愉しみ 祇園さんが来はる夏」。
ドラマ部分が少しごたごたしてるけど、期待どおりに面白かった。
今回は修行中の若者4人の祇園際にへの関わりが、恋模様を絡めて進行します。
板前見習いと庭師見習いは太鼓と横笛担当で、仕事は上の空。厳しい親方もこの時ばかりは黙認。
師匠である祖母と京野菜百姓見習いの過去が明かされ、女パン職人見習いが粽づくりを通じ接近する。
口煩い父に逆らいながらも、陶工見習い娘(吉岡里帆)は先輩陶工に片思い。
若者たちを介して、祇園祭の故事来歴、町衆の準備作業などが紹介され、蘊蓄が増えました。
祇園際の山鉾巡行は、3基の神輿巡行の露払いである。宵山・宵々山・宵々々山まである。
町衆の役割は徹底した分業制で、家代々決まっていて、面倒臭い約束事が多い。
後継者難のため、伝手を辿り洛中洛外から広範囲に、参加者を集めている。
等々、2時間の長いドラマを大いに愉しめました。
過去作では若い許嫁から逃げ回るヒースロー先生が傑作だった。
今回は御室焼の名工宮坂羊山先生の、手に負えない頑固さが実に愉快です。
尖っていた娘の釉子が、祇園際の宵々山の夜、和服姿で勝負に出たが失恋。吃驚するほど綺麗になった。
相変わらず映像は極めて美しく、ドラマに、実在する人物が説明役で登場する。
大原千鶴と松尾アナが、冷やしカレーうどんを作り、食する。親密さがより深化した感じです。
それに、パクチーの和名が「かめむし草」とはね。
ドラマの展開に不自然さがないわけではないけれど、十二分に愉しめました。
いずれ再放送するはずです。
なお、旧作を30分に4分割し、衛星第2で再々再放送をしております。
こちらは、切ない老舗菓子匠若女将(常盤貴子嬢)の美しさを堪能できますよ。
結婚に踏み切れない一人娘にやきもきし、奔走する大女将もいい。
190823