昨日の「朝日俳壇」で、金子兜太氏が選んだ10句の中に面白い句があった。先ず一句目。
・ 頻尿の月の明かりも物悲し ・
..........(高岡市)野尻 徹治
昨夜、用を足すために起きた時、ふとこの句を思い出し、障子を少し開けて庭を見下ろした。
月光は煌々と夜を照らし、本が読めそうに明るかった。そういえば、今夜は満月だそうな。
森生も野尻さん同様、夜中に何度も起きる所為か昼間、眠くなる。いつでもどこでもストンと眠りに落ちることができ、特に午後3時頃は、車を運転中でも眠れる。この間は信号待ちのときに、瞬間的に眠ったことがあった。
次に六句目。
・ 春眠に勝る秋眠ありしかも ・
..........(三木市)酒井 霞甫
問題は「ありしかも」の「かも」である。シャープ電子辞書には、「終助詞」の場合は意味が二つあり、最初の一つには更に意味が三つあり、「係助詞」の場合もあるそうだ。つまり意味が合計五つもある。
そもそも助詞に「終」や「係」が付くなんて初めて聞いたような気がして面くらい、電子辞書の解説文は長くて何回も下送りしなくちゃならない。酒井さんはどっちが勝ってると思ってるのか、何が何だか分からなくなっちゃったよ。
まぁ森生にとって、春眠は気持ちいいけれど、あれも見たいこれもしたいと気が急いて、寝てなんかいられない。
それに較べると秋眠は、雨戸を閉めて暗くしておけば、何時までだって寝ていられる。
だからうちの寝室は、夏は朝が早く寝不足になるので雨戸を閉め、夜が長くなると雨戸を開けておく。
・ 秋眠でそのまま永眠しちゃうかも ・
..........(日高市)猫額亭 森生
そういうわけで、昨夜は深夜にも拘わらず障子だけを開け、月明かりの庭をしばらく眺めていたのであります。
勝るのは春眠か秋眠か。森生は秋眠と思ふが、それはさておき........。
朝の空気が冷たくなると、ハッキリすることがある。
それは掛け布団がどっちの方向にずれるか、という問題です。
答えですか、それはね。春眠では掛け布団は左右横方向にずれ、秋眠では寒くなって上方向にずれまする。
この事実は「かも」なしであります。
金子兜太氏が選んだ十句の中には、他にも気に入った句が三句もあった。
・ 帰山して邯鄲の音に眠れざる...............(群馬東吾妻町)酒井 大岳
・ 残る虫のごとく二人の会話かな...........(和歌山すさみ町)谷口 美紀夫
・ ちちろ虫今日はコンビニ三回目..........(東京都)矢野 美与子
俳句は、可笑しさがあるほうが好きです。
あの「古池や.......」だって、かなり可笑しいですよね。
121031