山頂の寶篋印塔 左にご教訓歌碑
県と市による愚かな「森林整備事業」にウンザリして、あまり日和田山には登らなくなった。
それでも、たまには、と出かけた。ちょっと見には上手く出来ている。
しかし、だ。
ウッドチップの言い訳看板
登山口から男坂女坂分岐の石の鳥居までの荒れた登山道は、ウッドチップ舗装の広い登山道になった。
当初の計画では、コンクリート舗装の車道にする予定だった。
森林整備作業のため、と理由を付けたが、この20年森林整備をしたことは無い。
今後も無いだろう。
自然破壊・環境破壊と叫ばれて、コンクリート舗装の車道は止めて、ウッドチップ舗装の広い登山道になったのである。今のところ立派な登山道だ。
県が30年前、この辺りの山道を「奥武蔵自然歩道」に指定。登山道を拡幅して以後放置したままにした。大雨には道が谷流となって、川底のような登山道になっていたところである。
ウッドチップ舗装が何年もつかが問題だ。
男坂女坂分岐は看板豊富
水芭蕉親水砂防ダム予定地
金比羅神社の石の鳥居で左に曲がり、一旦水場に下りる。
ここにはダムが建設される予定だった。
市議と市の元幹部の趣味の水芭蕉畑のためのダムは、後にデータは何も無い砂防用ダムに用途を言い変えたが、この方面に詳しい人の鋭い質問で諦めた。
ここに砂防ダムが必要なら、もっと急を要する沢はいくらでもある。
男坂最後の難所
水場からキツイ男坂が始まる。
岩場を登る男坂は、足を掛ける場所を忘れていて、金比羅神社まで、随分梃子摺った。
ここには木製階段を設置する予定だった。登り難いから男坂。登りにくいのが嬉しい坂なのだ。
巾着田駐車場予定地
息を切らして男坂を登りきると、金比羅神社前の岩場である。ここの眺めは素晴らしく、休日は大賑わいになる。
平日の午後の日和田山は閑散としていた。
眼下の巾着田は、秋の彼岸花の頃は大駐車場になるが、今は緑が多い。
東急高麗団地の多峰主山
西武横手団地
東急高麗武蔵台団地の奥には多峰主山。頂上の飯能側は滅茶苦茶に伐採された。
西武横手日高団地の右手は、団地のボランティアによって見事に整備された丘の上公園である。
万物を等しく照らす初日の出
更に登ると山頂だ。東、川越方面。下、聖天院が見晴らせる。
山頂の見事な寶篋印塔の隣には、有力者の古稀記念ご教訓歌碑がある。台座をもう少し広くしてくれれば、ベンチに使えるのだが...。
こんな場所にこんな歌碑が許されるのかねえ。
檜林を桜林に交換
山頂直下の東側の急斜面は、檜林を伐採して桜の苗木を沢山植えた。
山茶花その他庭園樹の植林は取りやめた。
苗木の手入れを続けられるかどうか......。
この度は整理整頓
あちこちに散乱していた間伐材も、目立つところはとりあえずまとめて積み上げた。
とりあえずは改善された。
女坂に階段新設
金比羅神社に引き返して、下りは女坂を下りた。
下り坂に、丸太の階段が新設されて、歩き難くなった。初めての人は良い、と思うだろう。
しかし、山の階段は歩幅が不自然に指定されてしまう。歩く人はそれを避けて階段の脇を上下して、道幅が広がってしまう。そこを水が流れて階段を穿ってしまう。
階段脇に入られない工夫が必要だ。
車椅子登山用歩道
登山口近くの美しい雑木林には、ウッドチップで舗装した広い道がジグザグに開鑿されて、林の面積より道路面積の方が広い。
当初計画ではここは、始め「バリアフリー登山道」。障害者が車椅子で登山するための登山道を新設する予定だった。
色々批判したら、「ユニバーサルデザイン歩道」と名前だけを変えた。
「障がい者支援」も、場所によりけり、である。
急斜面に車椅子で登れる歩道を作れば、雑木林は無くなり、道路用大傾斜地が生まれるだけなのは明白。脆い傾斜地の崩落や土砂流出は明らかだ。
行政も、麓の狭い部分だけで諦めた(ようだ)。
その他、山内を縦横に通じている山道の両側2mの樹木の皆伐も中止した。
以上、森林整備というより、公園整備ではあるが、「森林整備事業」の成果は一応上げている。
目に余る整備事業は一応引っ込めたか、大幅に縮小した。
市民が注文を付けた効果は、まああった、と言える。注文をしぶしぶ受け入れた点は褒めて上げる。
ウッドチップ舗装や、間伐材を活用した階段や土止め等は今後毎年修理が必要である。
ウッドチップや丸太の階段は、早ければ5年後から腐食する。市はその時、維持管理費に苦しむことだろう。
そして、日和田山は一層荒廃するだろう。
桜の植林地の急斜面も毎年の草刈をしないと桜が育たない。
県が「奥武蔵自然歩道」を開設した時も、当初はきっと見事に整備されただろう。
だが、結局荒廃して、今回また新たに愚かな投資をした。
まあ、採点すれば100点満点の65点。一応合格。
但し、今後の維持管理によっては、大幅減点どころかマイナス点になるかも、だ。
この度の「日和田山森林整備事業」は、広く市民の意見を聞かずに、県と市と2~3人の田舎者が計画を決め、一応法律的な手続きは踏んでいた。
仲良し倶楽部ののんきな市議先生達は、それを見逃した。
また、何でもいいから、県や市にカネを使わせろ、と言う市議が多く、そういう市議の方がこの町では人気がある。
日和田山は305mの低山だが、きつい山登りが楽しめ、近隣各市市民の人気がある。
脳天気な日高市民だけの山ではない。
時々見に来て、市役所の環境課に、注文メールを出してやって下さい。
なお、市も議員さんたちも、口を開けば観光活性化を言いながら、予算が無いので、登山口には今後も公衆便所は作りません。
水分は取らないで、登山をお楽しみ下さい。