晩飯後、買ってきた栗を眺めていたら、ふと、渋皮煮を作ってみる気になった。
本当は、栗の渋皮煮は大変な作業なのであまりやりたくない。
それでも渋皮煮を作ろうとしたのは、茹でただけの栗を、前歯で齧って鬼皮に隙間を開け、歯で中味を噛み出す、という芸当が出来ない歯になったことに気付いたからだ。
そんな乱暴なことをしていたら、総入歯になるもんな。
正しい作り方は友だちの奥さんに聞いているけれど、あまりにも大変。
政権も変わったことだし、新機軸でいこう、と考えた。
まず、栗を洗って水をタップリ張った鍋にぶちまけ、約30分茹でる。
沸騰し、栗が口を開けたら、茶色くなった湯を、新しい水に入れ替え、また30分。
火を止め、鍋が冷めるまで待つ。
冷めたら、1個ずつ、毛抜きで鬼皮を慎重に剥く。
毛抜きは大型のものでないと、時間がかかる上、指が疲れて痛くなります。
鬼皮剥きで重要な発見がありました。つまり、栗を乾かさないことです。
一旦乾かすと鬼皮が硬くなり、なかなか剥けなくなります。
なお、鬼皮はシッカリ剥きますが、渋皮は少し残すこと。
渋味が無くなり、コドモ向きの渋皮煮になるので、ここも大切なところです。
合計25個の鬼皮向きに、1時間20分もかかってしまい、終わったのは午前1時近く。
これが寝不足の原因ですが、後はカンタン。
栗25個に対して、ザラメ糖約味噌汁茶碗1杯分を使いました。
翌朝、起きたら直ぐに、弱火で約1時間煮るだけ。
あ、砂糖を入れる際、塩小匙1杯を忘れないように。
これが無いと、砂糖をいくらぶち込んでも甘味が引き立ちません。
火を消したらそのまま自然に冷し、約半日で出来上がりです。
どうだっ! この見事な出来映え! ワタシは料理の天才であるな!
と自惚れたが.........。
綺麗に出来上がった渋皮煮は、ちっとも甘くない。栗の味そのまんまだ。あの大量の砂糖はどこへ消えたのだろう。重曹を入れなかった所為だろうか。
栗25個に茶碗2杯分は必要だったかも。
まぁいいや。この方がカラダにいい。
これほど苦労して作っても、つまみ食いばかりして、2日で無くなった。
この秋、もう一回、今度は砂糖を増やしてやろうか、と悩んでいます。