数年前から、日高市の巾着田では、彼岸花を「曼珠沙華」と呼ぶようになった。
文科省の約束では「ヒガンバナ」または「ひがんばな」のはずである。
漢字を読めない市民のために「ひだか市」とする優しいひだか市役所。
それなのにヒガンバナを漢字だらけの「曼珠沙華」にした。
役所に阿りたくない森生は「彼岸花」で通します。
巾着田には百万本の彼岸花がある、と宣伝するのは西武鉄道だ。
本当かどうか分らないけれど、惹句として悪くはない。
お暇な方は数えてみて下さい。
吃驚するほど多いことは事実です。
この沢山の彼岸花はどうしてこんなに増えたのか。
納得できる説明は無い。
高麗川の氾濫で流され増えた、という「高麗川氾濫効果説」がある。
しかし最近「ははぁん!」と思う光景を見てしまいました。
管理事務所が彼岸花を大量に堀り上げ、彼岸花の無い場所に植え広げていた。
だから氾濫効果説より「巾着田管理事務所移植説」が考えられます。
移植、大いに結構です。
昔、ここに自生していた山野草も混ぜて欲しいけれど。
巾着田では稲より大切な彼岸花だ。うんと増やして嘘800万本にしよう。
だがこの作業、ちょっと拙いのでは、と心配でもある。
それは球根一般の栽培増殖法に反していることだ。
彼岸花は金の卵なのに、乱暴です。
大切な彼岸花に対する理解、感謝、愛情が感じられない。
彼岸花は百合科の球根ですね。
球根は花後、葉や茎が光合成で来年の花を咲かせる養分を作り、球根に蓄える。
花の後は、葉や茎や、球根を支える細い根を大切に保護しなければならない。
これ常識。
晩春になり、葉や茎が枯れ、球根が休眠状態になった時に堀り上げる。
大きく増えた球根は分球し、発芽する少し前に植え広げてやる。
これが球根栽培の原則ではないだろうか。
違うかなぁ.......。
彼岸花は秋の彼岸前、休眠していた球根から、突然茎がにょっきり立ち上がる。
そして葉が出る前に、あの赤く怪しい花を咲かせる。
花が終わり葉が出て茂り、養分を作り球根を肥らせ、を繰り返している。
適期前に彼岸花をぶち撒けた職員氏の作業は、以上の球根原則に反してはいませんか?
また、場所柄を考えずに彼岸花を、県道の緑地帯にまで植え広げた。
彼岸花の植付適地は巾着田と墓地である。
彼岸花は100万本が集中してドカンとあるから見事なのである。
途中の歩道からちょろちょろあるのは、観光地の演出として下手クソ。
緑地帯は、夏は葉が無くなり土だけの殺風景になる。
別の片仮名フラワーを植えなければならなくなる。
適所適材適期ではないが、彼岸花球根のバラマキは、まぁ大目に見よう。
しかし最近、大切な葉の上に流行のウッドチップ(木屑)を大量にぶちまけた。
これでは彼岸花は光合成が出来ずに痩せ細り、やがて消えてしまう。
駐車料金で種苗会社から買い入れて、また植え足せばいい。
と言うのかもしれませんが.......。
ここでは彼岸花ではなく「曼珠沙華」だ。普通の球根とは栽培法が異なるのかもね。
しかし、彼岸花を主食にしている市役所や巾着田管理事務所だ。
その辺のところを「ちょうさけん球かくにん」する必要がある。
誤っていたら謝ります。
あ、それから、近年売り出中の「曼珠沙華饅頭」もどうかと思います。
彼岸花には「アルカロイド(アルカイダではない)」という毒が入ってます。
いっそキムチ饅頭にしたら?
市のエライさんたちは、饅頭の食い過ぎかもな。
昔の巾着田は片栗、ねじ花ほか、日本古来の山野草が、次々に咲き競ったそうです。
稲田と桑畑だけで、駐車場や看板やバラック小屋は無く、それはそれは美しい田園風景だった由。
以上は、巾着田のほとりで往時を過ごした、さる夫人の証言です。
彼岸花の薀蓄は、ウィキをご覧下さいね。
写真は現在の彼岸花の葉です。