1
休日ともなれば、巾着田を囲む高麗川には都会から人々が殺到する。
車は巾着田のだだっ広い駐車場から溢れ、周辺の農地にまで進出している。
2
買物難民が住む団地を票田とし、最下位当選ながら順番で市議会議長になったご高齢の先生がいる。
先生は、巾着田に入る橋をもう一つ架けさせたいようだ。
先生の6月定例議会での一般質問の要点を、先生のちらしから抜粋します。
・二十数年前、市振興計画審議会で、巾着田観光振興のために二つの橋の建設が計画された。
しかし「あいあい橋」しか実現しなかった。
・巾着田観光事業が活発化し観光客が増え、彼岸花の時期は人と車が混雑し危険だ。
・この状態を解消するため、新たに吊り橋の建設を進めるべきだが、どうか。
これに対し市側の回答。
・新しい橋は、西武高麗駅からの歩行者の導線が確保でき、歩行距離を短縮できる。
・また、新しい橋は歩行者の安全を保てる。
・しかし、橋を造るカネが今は無い。
・ここ数年は巾着田内で車道と歩道を分離したり、トイレの水洗化などを優先整備する。
更に先生は質問し、市が答える。
・橋を造れば、西武高麗駅からの観光客誘致により、周辺地域の商業的発展が期待できるのではないか。
・そのとおりです。
先生は補助金をアテにして質問し、市が答えた。
・新しい橋の建設に、国や県の補助金など、期待できるものはあるか。
・この橋の建設は高麗川を横断する大規模工事になる上、完成後、国道を観光客が歩くようになる。
・従って国や県との長期間の調整や、多額の費用がかかるだろう。
・当然色々な補助金を検討し、市の財政負担を少なくする方法を模索してゆく。
なんという愚かな質問と回答であるか!
二十数年前と言えばバブルの最中ではないか。
その時の決定を今頃持ち出して、実行を迫るとは、とんだ石頭だ。
市は、「状況が変わったので計画を再検討したい」、と答えるべきだった。
3 
新しい橋ができてトクをするのは建設業者だけ。西武鉄道の乗客が増えるわけがなく、仮に増えたとしても、一般市民には何のトクもない。
だいたい彼岸花の季節は、既に人と車が満杯であり、これ以上の集客は無理だ。
それでなくても「少子高齢化」だ。先生の頭は化石か。
架橋予定地は、あいあい橋同様に導線に無理があり、彼岸花の季節でも、橋を渡る観光客はゼロに近いだろう。
従って「商業的発展」はない。せいぜい多少の露天商が、彼岸花の季節に出店するだけだろう。
我ら買物難民が利用できる日用品の小売店には不適切な場所である。
商工会傘下小売店は、巾着田臨時出店で刹那的売上増を狙うより、日常の地道な努力で市民の要望に応えて欲しい。
吊り橋を造れば、完成後、維持管理費が当然必要になる。
木造の「あいあい橋」はふるさと創生資金1億円で建設したが、現在でも利用する人は極めて少ない。
しかも、完成後の維持管理修繕費に市税を相当投入している、と聞く。合計幾ら費やしているのか、回答してくれ。
4 
彼岸花の季節は人と車が混在し確かに危険である。
しかし解決方法は、新しい橋を建設することではなく、
・巾着田の駐車場を廃止し、車を締め出すこと。
・入場料金を現在の2倍にし、観光客数を半減させること。
だと思う。観光客数を減らしても、収入は減らないような価格設定と工夫をすればいい。
そもそも、市は巾着田をどうするのか。完成予定図を市民に示し、意見を聞いて欲しい。
それを示さぬまま、補助金頼りにブザマなモノを追加し続けている。
未来に何を残し伝えるのか。恥ずかしい老先生と市役所の人たちである。
5
因みに現場近くの菜園で作業していたお父さんに聞いてみた。
橋が計画されていることをご存知だった。
そして、「全く意味が無い計画だ」、と笑っていた。
混雑で迷惑している巾着田周辺の住民は、吊り橋がムダである事を分っている。
しかし周辺以外の多くの市民は、
「賑やかになっていいね」、
「巾着田の彼岸花と日高市が全国的に有名になって嬉しい」
「補助金で造るなら市民の負担にならないから賛成」
とあくまでも脳天気である。
本来は要らないことに、市税が使われ、行政サービスが充実しない。
そういうことを、この老先生と善良な市民は知らないのである。
ご高齢の先生は、バブル真っ盛りの頃策定した無駄な計画に拘泥せず、団地から撤退した店の後釜になるスーパーを誘致するよう、奔走して頂きたい。
そうすれば、次の選挙で、少しは順位が上がるかもね。
1.鹿台橋下の高麗川と左岸は巾着田。 2.台地区内臨時駐車場。
3.沢を埋め立てた架橋予定地入口。右は台地区自治会館。 4.架橋予定地(林の下が高麗川)。
以上は8月14日(土)昼前に撮影しました。
5は6月に撮ったあいあい橋です。
付け足し。
この先生は「こやの先生」を後ろ盾にしている。
市役所は補助金を引き入れ、余計なモノを作る名人だ。だから、この吊り橋、実現してしまうかも。
先行記事「巾着予算1億円獲得」もご覧下さい。
県や国には、本当はカネが余っている。
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