林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

手作りの味

2012-10-16 | 林住期

月一回開くばばじじ昼食会は総合福祉センターの料理教室で開催する。
栗ご飯、蜆の味噌汁、南瓜の煮物、茄子と大根の浅漬けは、16人のおっかさん(いや、おばぁかな)が拵えた。
面倒な栗の皮むきは昨夜のうちに家で済ませ、当日、栗ご飯を炊いたのは大型電気炊飯器だったけどね。

秋刀魚の塩焼きは、毎回一番乗りしてみんなのお茶を準備するバンダナおじぃが、一人で腸を抜き、4台のガスオーブンを同時に使い分け、丁寧に丁寧に24尾も焼き上げ、無駄口がないため、南瓜とは異なり黒焦げは無かった。
バンダナおじぃは天麩羅も得意。ばばたち、恐れ入谷の鬼子母神である。

食後のデザート、オレンジカップゼリーは「主に」カーじぃが担当した。
何だかんだと御託が煩かったが、作り方はここだけの話、絵本ばぁがいちいち教えてくれたんだもんね。
だが、完成品を余さずに人数分だけ切り分けたのは、元エンジニアを自称するだけのことはあった。

入歯の工事で2回欠席した森生は、大根を洗って下ろし、二つに割ったオレンジから果肉を抉り出し、搾り器でジュースを作り、あちこちの調理台で使った道具を片っ端から洗いまくり.....、と下働き後始末で忙しかったさ。
とはいえ、いつも周辺作業でうろうろしていることに、内心忸怩たるものはありまする。

手作り料理はどれも味がしっかり付いていて美味かった。ははん、今日はあのおばぁが居ないからだな。
ただ、カーじぃ自慢のオレンジカップゼリーは、オレンジのままで何にも手を加えなかったほうが美味かったと思うよ。
ジュースを搾ったオレンジかすを、ジャムにすると言って持ち帰ったエコばぁがいた。さすが!である。

参加者は20人だった。余った4人分は和室で碁を打っていたおじぃたちに、会長ばぁが行商してきた。
一般用食堂「高麗川」の日替わり定食は650円もする。
特別提供価格400円に、4人の碁じじぃは大喜びしたそうだ。

手作り昼食会終了後、森生は最長老の肥ったおばぁを軽に押し込み、自宅まで送ってあげた。
お駄賃にお手製の巾着袋を頂戴した。
呆け予防に毎日作り、世話になった人に配ってるそうだ。

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歩いて昼食

2012-10-13 | 高麗便り

 

わが東急団地西隣、西武団地にある「ブックカフェツリー(book cafe TREE)」。
秩父まで連なる青い山脈を右目で眺めながら、緩い上り坂を徒歩30分で行ける店である。

新聞販売店情報誌に、この店を推奨する投書が載っていたので行ってみた。
赤いドアの奥が見えず、小さい看板は横文字が多いので、美容室と思っていたが、美容室は隣の青いドアだった。

「book cafe」と名乗るわけは、入口の小部屋に絵本や室内装飾品がごちゃごちゃ置いてあるからのようだ。
いまは時節柄、ハロウィン関連の愉快な小物が多い。

奥が仄暗い小さな食堂になっている。
広い窓をとおして、飾り小物を無造作に配置した小さな庭が見渡せる。モダンな隣家の外壁がいい借景だ。

植木は、オリーブ、あおはだ、そよご、やまぼうしほか。そして伸びたままの雑草類。
あまり手入れをしていないようなので、野趣豊かな洋風坪庭という風情を醸し出していて悪くない。

日替わり定食(毎日2種類あり)は麻婆豆腐・胡桃玄米ご飯セットを選んだ。餃子スープが付き、デザートは煮林檎。
味はどれもこれも、舌も胃袋も大満足。中華だけれど器は洋風。合計750円也は安かった。



TREEはいかにもアラサー・アラフォー御用達の店である。「じじぃでもいいですかね」と聞いたら「大歓迎ですわ」と。
ふむふむ嬉しいじゃないか、目障りかもしれないけれど贔屓にしてあげるね。

それで、次の日の定食。手が込んでいてこれも結構なものでした▼
ベジタブルハンバーグ・トマトレタスマリネ・セロリ甘辛煮・胡桃玄米ライスで750円也。

いちばん上の「三日月魔女」は、壊れた机の脚に細工を施したものでした。

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命名

2012-10-12 | 重箱の隅

政府は吉田沙保里に国民栄誉賞を授与することにしたようだ。
王貞治、美空ひばり、長谷川町子などの大物に較べると、軽量軽薄にして露骨な授賞である。
泥沼に身を潜めている野田が最後にできることは、まぁ国民栄誉賞の決定くらいか。

女子レスリングを知らないが、13連覇は大したことなのだろう。だから栄誉賞を受け取ることには目を瞑る。
だが、生まれ育った津市が建てたスポーツ施設の名前を「サオリーナ」にするとはね。
市が一方的にそうするなら、笑っていればいいが、この命名は吉田沙保里ご当人の希望だったのだ。

市は当初「吉田アリーナ」にするつもりだった。
しかし吉田沙保里本人が「結婚したら名前が変わる」と難色を示し、「さおり」に因み「サオリーナに」と要望した。
吉田沙保里30歳。もう小娘ではない。タダで命名権を行使するとは大した度胸だ。

イチローは国民栄誉賞授与を打診された時、「引退したら」と辞退したそうだ。聡明なヒトだ。
森生は含羞がないヒトは嫌い。あと一歩で及ばない、少し恥ずかしげな浜口京子の方が好みです。

 

「サオリーナ」にした経緯を、みの・もんた氏は「朝ズバッ」で好意的に伝えていた。
二人は似た者同志かも。

121012


草むす家路

2012-10-11 | 高麗便り

山を越えてスーパーへ行った。
買物を済ますと、日は多峰主山の向こうに没しかけていた。
秋の日は釣瓶落とし。足元が見えるうちに、野の花を探しながら山道を越したい。



帰りは近道をした。野の花どころではなかった。
夏の間、人が通らなかったようで、西武鉄道の植林地は道が隠れるほど草が生い茂っていた。
暗くなる前から、足元は見えなかった。



何が潜んでいるか分からない叢を掻き分け掻き分けて、会長社長記念植樹の前に辿り着いた。
一帯の叢はきれいに刈り取られている。さすがにツボは押さえている。
振り返ると、車両基地の先に見える飯能市街は夕日に輝いていた。

山歩きにはいい季節になった。
蝮に注意。

121011


日中韓の違い

2012-10-10 | 拍手

書店では、憎っくき中韓に関するさまざまな本が山積みになっている。
中でも黄文雄という台湾出身の評論家が書いた「日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか」(徳間書店刊)という本が、8月31日第1刷、9月10日には早くも第4刷、とよく売れているようなので買って読んだ。

著者略歴には早稲田と明治を卒業し、台湾ではそれなりに評価されているようだ。
「中国の没落」を出して大評判になり、「日本人は世界から尊敬されてる」とか「絶賛されてる」とか、日本人をヨイショする本を書いて、本当にそうかなぁと思うが、日本人を喜ばせてくれてもいる。

この本は「何故中韓と違うのか」という理由よりも、中韓を滅茶苦茶に批判している。そこまで言い切るか、と大胆に中韓の国民性を批判し、黄さんの台湾での立場がどうなるのか心配になるくらいだ。
かといって、フリーメーソン陰謀説やハルマゲドンのような「とんでも本」かといえば、そうではないようだ。



日本は尖閣・竹島紛争で手も足も出ないばかりか、文化勲章を断ってもノーベル賞は受けた反省病作家や、ノーベル賞を待ちわびている市場優先作家など、中韓の回し者のような連中が蠢いている。

一方、破廉恥な中韓の動きは止まらない。中韓暴走の理由がこの本でスッキリ納得できた。
残念ながら中韓領国は日本と価値観が異なり過ぎる。
朝日新聞が唱える「日中韓友好」なんぞは、嘘800年先の理想にしか過ぎないのではないか、という気がした。



われわれ日本人は列島ごと移転するわけにはゆかない。
無知蒙昧ではた迷惑な中韓人とこれからも付き合わざるを得ないのである。

中韓人を相手に仕事をする日本人は、酷い目に遭わないために、先ずこの本を読んでおこう。
そうして中韓人の思考・行動様式をアタマに叩き込んでおかないと。

121010


勘違いかな

2012-10-09 | うわごと

中山教授のノーベル賞受賞は、押される一方の領土紛争や愚劣な政局でウンザリしていたところに嬉しい報道だ。
一見冷ややかなご容貌だが結構愉快そうな中山教授には和めるし、「iPS細胞」は「ニュートリノ」なんかに較べて、ずっと分かり易いと思う。......脳細胞が固まってきた森生の勘違いかなぁ。

iPS細胞の発明(発見じゃないよね)により、森生の古くなった細胞を初期化して、いま困ってる黄班変性症や歯槽膿漏や血管老化や前立腺肥大、あ、それから進行性物忘れがなどが改善されるらしい。
多分もう間に合わないかもしれないが、大筋そういうことのようだ。......これも勘違いかなぁ。

 

だが仮にiPS細胞が衰えた器官や癌細胞に有効としても、森生は医療費で破産するに違いない。
60歳でご破算にしてから以降、どうってことは無かった。今後は萎れる一方のはずで、終りはそう遠くない。
だから森生は、今更iPS細胞のお世話にはならない。このまま成り行きでいいやと思っている。

国もiPS細胞の活用先を高嶺者の延命に役立てないほうがいい。高嶺者医療費で国が破産する。
子どもや働き盛りの治療に特化しなければならない。
やはり勘違いかなぁ。

おめでたい時に水を差すようで申し訳ないけれど、科学技術の進化はヒトのシアワセに役立つのだろうか。
シアワセは相対的なものなので常に小さく、不幸は悪は際限なく巨大化しているように感じる。
高嶺者にはiPS細胞よりも、輪廻転生や因果応報という迷信のほうが有効だと思う。

科学者に負けずに、葬式専従のお坊さんたちはノーベル平和賞でガンバッテ下さいね。
......勘違いかなぁ。

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秋の色

2012-10-08 | 高麗便り

猛烈な暑さがまたぶり返しそうで、扇風機や半ズボンをまだ仕舞わないでいる。
今日も汗をかきながらご町内を歩いていたところ、早くも紅葉し始めたブラックベリーに気が付いた。

わが猫額亭の貧弱な木々。しょっちゅう切り詰めるので、亭主よりも早く、年々背丈が低くなる。
姫林檎は毛虫が丸坊主にしてしまい、どうだん躑躅や花水木は赤くなりかけていた。

そういえば、隣の雑木山の濃緑が薄茶色を帯びている。
木々はいつの間にか、秋化粧を始めた。

     ・・ 秋来たと目にもハッキリ見えてきて 葉っぱの色にちょいと驚かされる ・・
                                             ........... 藤原 森生

 

「ブラックベリー」という名前は、実を失敬して食してみた時、お宅のご主人に見つかってしまったので、照れ隠しに教えて頂いた。
実は完熟していたけれど、酸っぱいし小さなタネが舌の上でザラザラし、道理で収穫しないはずだ、と思った。

これ、この夏8月のささやかな想ひ出なりけり。

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元気の素

2012-10-07 | 高麗便り

公園の方から喚声が聞こえてくる。そうだ、今日は幼稚園の運動会だ

遅い朝食を大急ぎですませ、公園に行った。

わが少子高齢化団地に、こんなに大勢の幼児や若い人がいたんだ、といささか感動した。

跳ねたり走ったりしてる園児たちには、縁もゆかりもないじじぃだけれど、自然に頬が緩んでくる。

てんでんばらばらなひょっこりひょうたん島ダンスに、カラダがウキウキしてきた。

園児たちは、サプリメントより効く元気の素だ。高嶺者福祉予算は、ぜ~んぶ少子化対策に回せばいい。

そうか、幼稚園の運動会は、じじばばやパパママのためのものだったのだ。


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坂を下りたり上ったり

2012-10-06 | 高麗便り

快晴である。
10月になっても、朝からまだ半ズボン姿だ。

暑くてだるいけれど、歩いて隣の西武団地にある小さなカフェへ行き、昼食を済ませた。

美味いものを食い少し元気が出る。
西武団地の長い下り坂を下りれば、横手集落を流れる高麗川に行けるぞ。
夏には何度か行く横手渓谷に、今年は暑過ぎて、行かなかったなぁ。

しかし坂の途中、西武秩父線の踏切で気が変わった。
うちの団地に帰る急な坂道が、こんなに暑くちゃぁムリだわぃ、と。
団地下の横手集落は雰囲気ががらりと変わり、日陰には秋が来ていたので、高麗川へは行かなかった。

 

帰り道は案の定、上り坂で息が上がりへとへと。
どうもこの頃、真夏が酷く暑かった所為かカラダがぐうたらになった気がする。
ガンバリが効かずすぐバテてしまうのだ。



そういうわけで恒例の納涼記事は、今はもう秋だし、いくら暑くてもお預け。
涼しげな横手渓谷の景色
は、鬼も笑う来年の夏のこころだぁ。
元気でいられれば、ですが。.......
ふぅ。

 

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天地明察

2012-10-05 | 拍手

本屋大賞をとった「天地明察」はとっくに持っている。
分厚い本なので、読もう読まなくてはと思っているうちに映画になってしまった。
映画になると出演者の顔が小説の登場人物に重なり興醒めになる。困ったなぁと思ったが、映画は手っ取り早く粗筋が分かり、映画としても面白そうなので、雨の日に観に行った。

     仲良し算哲とえん。羨ましい爽やかカップル。

映画になった「天地明察」は、時代劇なのにホームドラマの味がする軽快な、なかなかいい映画だった。
分かり易い粗筋、雄大な四季の風景、重厚な建築と絢爛豪華な調度品、美しい衣装、滑稽なやりとり、激しい戦闘、若い男女の控え目な恋。それに大仕事を成し遂げる感動が相乗効果を発揮して、充分に楽しめた。

徳川家綱や尾藤イサオ(本因坊道悦)が若過ぎ、中井貴一(徳川光圀)に貫禄がなく、市川染五郎(有栖川友麿)以外の宮廷人に品格が無く、市川猿之助(関孝和)と山崎闇斎がよく分からない人物になっていたが、いずれも小さな欠点で、主役の岡田准一(安井算哲)と宮崎あおい(えん)は好ましく、松本幸四郎(保科正之)は巧かった。

              姫路の円教寺が京都御所に。これがなかなかの見もの。

最後に「原作や史実を変えてある」と断り書きがあった。映画は小説や歴史とは別物なのだから、一向に構わない。
疑問と
不満が残った「あなたへ」とは異なり、映画として「天地明察」はとても面白かった。
こういう映画が森生にとっては「いい映画」です。

                        分厚い小説? やはり読みますよ。いずれ。

 

コスモスは「宇宙」です。

121005


副作用

2012-10-04 | 先輩のお言葉

哲学者の話はどうも不可解で、普段は始めから打っちゃって置きますが、今日は退屈しのぎに読んでみた。
高崎経済大学の国分功一郎准教授が、わが国の現下の政治と国民について語った「退屈しのぎを超えて」と題した朝日新聞10月2日朝刊オピニオン頁です。

特に「政権交代で新しい政治が創造されるべきだったが上手くいかなかった」の先に、なるほど納得でした。

 上手くいかなかった理由として「思想の欠如」が大きい。
 増えるパイの分配だけを考えれば済んだ昔とは異なり、政策に厳しい優先順位をつけねばならない時代になった。
 「こういう未来を目指すから、この点は我慢して欲しい」と国民を説得する言葉が求められるようになった。
 そうした言葉の背景には思想が必要だ。

 鳩山には「友愛」、菅には「最小不幸社会」という思想の断片らしきものはあった。
 しかし鳩山には現実に対する考察力が無く、菅には同志を集めて政策を実現する政治家の基本認識が無かった。
 野田は官僚とアメリカと電力会社に要求されたことを、自分の決断であるかのように語るだけの人だ。
 作家・高村薫は野田を「ただの喋る人形だ」と評した。

 安部晋三の拠って立つものは、思想というより具体性を欠いたイメージに過ぎない。
 「美しい国」の例として映画「ALWAYS三丁目の夕日」を挙げたときには開いた口が塞がらなかった。
 近隣諸国について勇ましいことを言うのも、思っていることが実現したらどうなるかを具体的に想像できないからだ。

などと、鳩山・菅・野田・安部に対する評価が鋭く、しかも的確で、面白がっている場合じゃないが面白い。
国分先生の話はこの後もまだ続いているので、退屈なかたはご自分でお読み下さいね。

ところで、同じ日の「社説」・「声(読者の投書)」頁に載った山田紳さんの漫画です▼ 
こちらは一目瞭然ですね。相変わらず絵は上手く
辛辣です。

  

 腹が痛くなったら また逃げ出せばいいやというハラですか?

と付けた短文にも全く同感です。

安部晋三は特効薬で潰瘍性大腸炎(?)が完治したというけれど、同じ病気の人の話では再発の恐れもあるそうだ。マスコミは漫画同様、聴診器を突きつけて、安部晋三のハラを探らなければいけない。

ま、先のことは分からないけれど、特効薬の効き目は「とりあえずはある」と分かった。
そして「恥を忘れる」という強い副作用があることも。

国分先生は17世紀哲学と現代フランス哲学を専門にする哲学者だ。
にも拘わらず、現在の滅茶苦茶な政治に具体的な提案を持っていることに驚きました。

121004


企業秘密

2012-10-03 | 高麗便り

 

西武線高麗駅の裏、国道沿いにある居酒屋の軒先で、栗の渋皮煮を売っていた。
1パック8個入り500円は手間暇を考えれば安いし、渋皮がきれいに残っており丁寧な仕事だ。

売り子としてはちょっと怖そうなオッサンに、

  「どうしてこんなに見事にできるんですか? 秘訣を教えて下さい」

と尋ねたら、オッサンはギロリと森生を睨み、

  「企業秘密だいね」

とにべもない。それでも怯まず、

  材料費水道高熱費人件費合計に比較し、よくぞ頑張った売価設定である。
  
6年前から渋皮煮を自作してるけど、ここの渋皮煮にはとても敵わない。
  
昔、静岡にある浮月楼という料亭で食した渋皮煮とそっくりである。(本当は料亭の方が色が濃かったが)

とかなんとか一生懸命ヨイショしたら、居酒屋の中に入れてくれて、準備中の鍋を見せてくれた。
ウチの渋皮煮は渋皮が剥がれてきて見た目に良くないし煮崩れたりする、などと嘆くとオッサンは、

  「あのなぁ、料理本に書いてあることなんか嘘ばっかよ」

とせせら笑うだけで、肝心の渋皮の残し方は教えてくれなかった。
まぁいいや、今年は居酒屋の軒先で買った渋皮煮で我慢しよう、とオッサンが怒り出さないうちに退散した。

オッサンの渋皮煮は最後の将軍が浮月楼で食した渋皮煮と同じ味だった。
2パック16個は大切に大切に朝昼晩少しずつ味わい、3日で胃袋に収まった。

                             
                                     
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初恋探し

2012-10-02 | 歌の翼に

     ・ 砂山の砂に腹這い初恋の 痛みを遠く思ひ出ずる日 ・
                                   .......... 石川啄木

自分の初恋は何時、何処で、誰にだったんだろうと考えた。
ついさっきのことは忘れても大昔のことは覚えているが、初恋はちっとも思い出せない。
森生には初恋といえるほどのものはなかったのだろう。百近くにもなると、それはそれで少し悲しいね。 

啄木は砂山の砂に腹這い、初恋の辛い記憶を思い出した。「遠く」とあるが、本当は数ヶ月前のことだろう。
だから砂に腹這い、砂を掌で叩いて口惜しがったのだろう。立ったままなら地団駄ですね。
でも、いいじゃありませんか。羨ましいかぎりで啄木クンには同情できませんね。

初恋を「遠く」思い出すのなら、草原に寝そべる方ががいい。
手枕をして高い空を眺めながら、初恋の痛みを思い出す..........。

啄木の短歌を分解し再構成して、高崎辰之助が曲を付けている。
節回しが難しいけれど一度聴いたら忘れられない名曲です。

以前、倍賞千恵子が歌う「初恋」に偶然辿り着いたが、著作権者の申し出があったそうで、直ぐ削除されてしまった。
秋風が立ち、ふと初恋が気になり、ネット巡りの結果再び同じ動画を発見した。
ご近所の相談役・電脳の神さまはyoutobeに叱られて罰金を払ったことがあるそうだが、どういう仕組みなのか。

「初恋」はyoutubeでも多くの歌手が歌っているが、倍賞千恵子の「初恋」がいちばんいい。
クラシック畑の歌手は、日本語の発音が下手なばかりか偉そうに歌い、市井の人々のこころを掴めませんな。

youtubeの都合で、また「初恋」が削除されるおそれがある。取り急ぎ、熱き血潮の冷めぬまに...........。

                        「 初 恋 」

            下は、再び削除された時のための予備の歌です(吉井勇作詞・中山晋平作曲・加藤登紀子歌)。

                        「 ゴンドラの唄 」

ところで、あなたさまの血潮に余熱はまだありますか?森生の血潮はとっくに冷え切っております

(ゴンドラの歌の映像は如何なものか。本当は志村喬がいいんですが。)

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台風一過

2012-10-01 | 高麗便り

台風が真夏を置いていった。
被害を知りたかったが、カンカン照りにたじろぎ出歩く気になれず、夕方、やっと近所を徘徊する気になった。

昨夜は2時間ほど大風が吹き、今が盛りの彼岸花をなぎ倒したくらいで、特に被害はなかったようだ。
ぶり返した猛暑が被害かもしれない。

坂を下り、知人宅で油を売って、坂の町に帰ってきた。
明日は涼しくな~れ。

121001B