林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

丸の内仲通り

2014-12-14 | 風に吹かれて

出光美術館で目の保養をしたあと、仲通りを東京駅までてくてく歩いた。
仲通りは人も車も少なく、道の両側のビル群は威風堂々。並木は美しく、有名なブランド品を扱う店舗は洒落ている。
中国語が喧しく響き、人と車で雑踏している銀座通りよりも好きな道だ。

ただ、昨年から一部の高名な店舗が美しい仲通りの街並みを破壊し始めている。

例えばエルメス。ありゃ何だ! 飾り窓の装飾も野暮。エルメスは銀座店の装飾も野暮ったく、新聞広告は稚拙。
こんな店が何で有難がられるのだろうか。多分、値段が高価だからだろうな、と思う。使ったことがないので想像ですけどね

ま、飾り窓は各店の裁量に任せても、店の外装や看板についてはビルの所有者が厳しく管理し、指導してもらいたいものだ。
その点、清水寺近くで街並みの景観保全のために、行政代執行をした京都市はエライ。

東京都心は埼玉県の外れより温暖なようで、銀杏も他の木々もまだ葉を付けていた。



以前なら東京駅を横切り、日本橋丸善と高島屋まで足をのばした。
今年は中央郵便局ビルのクリスマスツリーを拝んで、そのまま地下鉄東京駅へ直行。
池袋から埼玉県へ一目散。

買いたいもの、買えるものがなくなると、体力も気力も好奇心も、衰えますなぁ。
それが後期高齢者というもんでしょうな

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お宝の時価総額

2014-12-12 | 色めがね

皇居お濠端の出光美術館へ行って来た。
開催中の「仁清・乾山...... 風雅のうつわ・京の工芸」展を拝見しに行ったのだ。

出光美術館は小さな美術館なので疲れず、平日なので作品も説明もじっくり眺めたり読むことができて、幸せだった。

仁清は華麗な作品が多く、渋い乾山も近寄ってよ~く観察すると、細部はなかなか美しい。
大小いずれの器も、曲線と直線がたっぷりとして気品と粋と貫録がある。


安茶碗しかお目にかからない日常、たまにはこういう立派な器で食事したりお茶してみたいものですなぁ。
えっ?! あれって床の間に飾っておくものなんですか? ......... わが猫額亭には床の間がないや

ガラスの向こうに並べられた、風雅な作品の多くは、出光美術館の収蔵品だった。
うヘー、時価総額は一体いくらになるのだろうか、なんて想像するのはどうしようもない貧乏人の性。

しかし、出光美術館の本当のお宝は、休憩室から見晴らす皇居の大きな眺めであります。
無料のお茶を何杯も頂き、しばし大富豪の気分になりました。


上から野々村仁清「色絵芥子文茶釜」と尾形乾山「呉須白彩薄に蝶文鉢」です。

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おなら

2014-12-11 | 床屋放談

屁では愛嬌がなく、おならでは締まらない。そこで「お鳴楽」と漢字を付けたのは作家の開高健だったはずだ。

朝食に芋や大豆を食したわけでもないのに、午後からお鳴楽が良く鳴り響き、気持ちがいい。
夏以降嗅覚がないので、音だけ、芳香なし。だから坂道ではプカプカと噴射する。

衆議員候補クンが街頭演説にやって来た。
お伴の運動員たちも、迎えた5~6人の市議先生たちも、共産党のお株を奪い真っ赤なジャンパーを着ていて、あれ、欲しいなぁ。

選挙に関心はないけれど、ここのところ立て続けにお世話になった先生から頼まれて、候補者クンの演説を聞いた。

街頭演説会は初体験だった。
ポスターでしか知らなかったイケメン候補者クンは意外にいい体格で、握力が強く骨粗鬆症だったら骨折もの。
痛い!と言う間もなくじじぃの前を走り去り、広場を一巡して颯爽と、高い石段上に立った。
ただし、走る姿が少し内股で、お鳴楽か雲古をこらえているようだった。

演説に依れば、カレとそのお仲間の先生方に任せておけば、景気も福祉も子育ても尖閣も、全てが上手くゆく、そうだった。
あはははは、鬼だって笑うだろうね。

じじぃは年金さえ上げてくれれば、後は野となれ山となれ。この際、何党でもいいからさ。

平日の午後のことなので、会場は季節外れのうばざくらばっかり。
更に外れて、じじぃ桜もちらほらおりましたよ。

付け加えさせて頂けますれば、雲古もお叱呼も開高健でした。

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年賀はがき

2014-12-10 | あらら!

去年は馬に、今年は羊の群れに追いかけられることになった。
こういう年末はもう卒業しようかと思う。

そもそも郵便局の都合に合わせ、年賀はがきを元旦に届けようとするのが間違いである。
三が日か、遅くとも松の内に投函すればいいのだ。

で、「恥をかかない年賀状講座」を読んだ。

ふ~ん、そういうもんかねぇ。
でも、今や身辺整理をする今日この頃だからね。

十二月どうするどうするモンブラン
                 ........ 森生

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横断歩道で

2014-12-09 | 林住期

団地の長い坂道を抜けると、そこは横断歩道だった。
ゼブラゾーンは無く、左から車がやってきた。

ちょうどいい、ここらで一休みしようと立ち止まったら、左から来た車も止まった。
互いにしばらく相手の様子をうかがう。

車の窓が開き、若いお爺さんが艶のいい笑顔を見せた。

   お先に行っちゃってくださ~い。

森生はついうっかり、

   速足は苦手なんですっ。

我ながら可愛い気のないじじぃだねぇ。反省してます。

だけど最近、坂道で息が上がってるのに、横断歩道で何度も道を譲られる。
そんなに衰えてきたのか、とちょっと僻んでます。

親切心があるのなら、こう言ってやって下さい。

  さぁさぁ、どうぞお乗り下さい。
  お屋敷までお送りしますよ。

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寒冷化は老衰化

2014-12-07 | 高麗便り

 

まだ12月始めなのに、霜が降りていた。「この冬一番の寒さ」が毎朝続く。
地球の温暖化は間違いで、寒冷化ではないか。

 

ラジオ体操第1と第2だけでは身体が温まらず、遠回りして家に辿り着いたら、骨の髄まで冷えていた。
これ、カラダの老衰化。

 

少し気温が上がったら、今日こそ股引を探し出そう。古い簾は処分しよう。
落葉掃きは、.......
来春だ。

                            

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立看板で候

2014-12-05 | あらら!

 

 

元ショッピングセンターの荒れた花壇が住民に開放された。
園芸好きの人たちが、好きな花の小株を持ちより、花壇を整備した。

そうしたら世の中うまくゆかないもんですね。

花壇に犬の雲古とお叱呼問題が発生したのである。
当然、園芸好きの人たちはフンガイした。

そして「告」と出た。

怒りの感情を古典的な教養でぐっと抑えてる様子がよく分かるでしょう?
犬好き、猫好き、煙草好きは手前勝手で行儀が悪い奴が多いからね。

でもねそうはいっても、じじぃは、この立て看板を書いた人を想像すると、愉快になる。
煩いおじいさんだろうなぁ、と。

  

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何艘もの小舟

2014-12-04 | 歌の翼に

朝ドラで偶然聞いた、マッサンの賢い愛妻エリーちゃんの歌。
英語で口ずさんだその歌は、故郷スコットランド民謡「The Water is Wide」だそうだ。
日本語訳は「広い河の岸辺」で、ほかに「二人の小舟」というのもある。

  現在、クミコが歌う「広い河の岸辺」が一番人気らしい。

  しかし惚れ惚れする美しい声は、白鳥英美子の「The Water is Wide」であり、

  お懐かしや伊東ゆかりの「二人の小舟」なら一緒に歌えますな。

スコットランド民謡だそうなので「The Water is Wide」で検索すると、あるわあるわ。  

いちばんケルト音楽らしい演奏がセルティックウーマン(Celtic Woman)だが、容姿がちょっと逞し過ぎないかぃ?

  歌はカーラ・
ボノフ(Karla Bonoff)が素晴らしく、

  ジェームス・テーラー(James Taylor)というおじさんの歌もなかなかいい。

そのほかは、お好みの歌手をyoutubeで選んでみて下さい。いろんな歌手が歌ってますよ。

なお、セルティックウーマンはロッド・スチュアートの「Sailing」も歌っている。
この敬虔な内容の歌は、ロッドのしゃがれ声で歌うのがいいが、youtubeにのってないので健康優良児の娘さんたちで代用しよう。

それから沢田研二の「君をのせて」は、この民謡がお手本になったのかもしれない。
大分前に、夕方クインテットでシャープさんが歌っているのにぐっときて、辿り着いた日本の名曲だと思う。

こんなに心が温まる歌なら、日向ぼっこよりも、小舟に乗る方がいいかもしれないなぁ。
と一日中小舟を探しておりました。

 

水辺の風景は、ピーター・ラビットが棲む英国の湖水地方の日替わり写真集から拝借。

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軍手

2014-12-03 | 林住期

手袋が欲しい。
早起きしてラジオ体操の会場へ向かう時、手が冷たいので両手をポケットに入れて歩く。
両手を大きく振り、大股歩きをすればいい全身運動になるのに、こんなことでは上半身が怠けていることになる。
だから手袋が欲しい。

手袋には軍手がいちばんだ。

  ・手を入れると直ぐ暖かい。皮手袋はこうはゆかない。

  ・水っ洟を拭え、何度も洗濯できる。

  ・安価であり、無くしてもそれほど悔しくない。

  ・片方が痛んだり、激しく汚れたりしたら、安いのでそれを捨てて新しい片方を使えばいい。

  ・窓ガラス拭きの仕上げにも便利だ。

黒や紺や茶色の軍手は外出用に十分使える。服の色にカラーコーディネートする楽しみもある。
こんなに便利な軍手が何故「軍手」などという野暮な名前なのか。

多分、帝国陸軍が発祥で、「軍用手袋」の略称でありましょう。違いますかね。

 

おまけですが、安野光雅画伯は「忙中閑語」に軍手のことを書いている(084語)▼

軍手が安い。これを入浴手拭いの代わりに使うと便利がいい。騙されたと思って試してもらいたい。
ただし、誰か他の人の手が自分を洗っているような錯覚に陥ることがあるので、注意が必要である。

それはお殿様気分というものでしょうね。羨ましいよ。

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早く来い来い冬休み

2014-12-02 | 林住期

毎朝6時少し前に、目は覚めている。
でもこう寒くなると、「新しい朝が来た、希望の朝だ」というわけにはいきまへんな。

それでも6時16分にはしぶしぶ布団を出る。7時から始まるラジオ体操に間に合わせるために、である。
辛い一日の始まりであります。

ラジオ体操の代表発起人さんから、提案があった。

  夏休みから始めたラジオ体操は、皆さんの熱意に支えられて、ここまで続けることができました。
  しかしさすがに12月になると、お疲れの方もおられるようで、参加する人数は夏休みの頃の半数になりました。
  インフルエンザも流行り出したようだし、お互い、肺炎も恐ろしい。
  ここらで一旦冬休みに入ろうかと考えますが、如何でしょうか。

素晴らしいご提案ではあるが、森生が先頭を切って賛成するわけにはゆかないのね。
意地もあるし見栄もあるからさ。

ご提案の冬休みは、12月21日から1月10日までである。

  みなさん年末年始はご多忙でしょうから、そうしましょうよ、ねっ。

と代表発起人。
分かってるねぇ、流石八十翁さん、亀の甲より歳の劫だ。
みんなは嬉しそうに賛成の声を上げ、そう決まって、森生も内心ホッとしたよ。



だがよくよく考えてみれば、1月は芯まで冷える酷寒だし、2月の積雪で転倒すれば骨折の恐れがある。
本当は3月から再開してほしいけれど、沈黙は金、じじぃは我慢。

ま、12月は20日まで、という当面の目標があれば、あと少しは頑張るけどね。

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逆光礼賛

2014-12-01 | 高麗便り

外に出た。寒かった。

雨が上がり、ちょうど朝日が町に射し込みはじめたところだった。
団地の北に連なる日和田山、高指山、物見山は朝霧をたなびかせたまま朝日を受けて、輝いていた。

千載一遇の機会である。
毎日続けているラジオ体操は不参加にして、以前から狙いをつけていた高台の畑に駆け付けた。


畑は団地の坂を下り、国道を横切り、県道沿いにある。ご多分に漏れず畑は荒れている。
高台の周りには毒茸のようなな色合いの家が建ち始めた。
山並みにまとわりついていた朝霧は、早くも雲消霧散だわ。


だが斜光と逆光は人間が作ったガラクタを隠してくれる。
おぼつかない腕前ながら、見事な里の秋になっていた(つもり)。

朝飯前の1時間あまり。いい運動になりました。

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