林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

理髪店より林業

2016-09-13 | 拍手

直木賞を受賞した「海の見える理髪店」と「神去なあなあ日常」の続編「神去なあなあ夜話」を読んだ。

理髪店の方は、心にキズを負った老幼男女が、いろいろな出逢いを経て、癒されてゆく6本の短編集だ。
昔、朝日夕刊で愛読した「愛しの座敷わらし」の作者・荻原浩らしい、技巧を凝らした、気持ちのいい6話である。

夜話の方は、お仕事小説が得意な三浦しをんによる、本邦初の林業小説であり、青春小説であり、エンタメ小説である。
前編「日常」では、母と教師の企みで押し付けられた林業にも、物凄い山奥の神去村にも、何かと斜に構えていた平野勇気19歳。
20歳になった「夜話」では、神去村と林業の魅力に目覚め、意気軒高。年上の女教師と、ななんと「キキ・キス」ができた。
そして、村の個性的な住民の人生や、村のしきたり、迷信とは言い切れぬ言い伝えを、共感を以て見つめ、報告してくれる。

2冊ともさらりとして面白く、一気に読み終えた。
ただ、理髪店は、へぇそういうことですか・なるほどね、でお終い。
夜話は、一癖も二癖もある老人が3人も登場し、3人とも現役。誰からも敬われているのが愉快である。
勇気と、滅法気が強いマドンナとのギクシャク・ラブの行方が気になるので、是非、続々編を上梓して欲しい。

出版業界では本屋大賞より直木賞の方が格上なのだろうが、森生には本屋大賞候補だった日常と、続編の夜話の方が面白かった。
だから、買うなら1冊というなら、断然「神去なあなあ夜話」の方ですね。日常の方は既に文庫本もあります。

小説の詳しい内容はこちらをどうぞ▼
海の見える理髪店神去なあなあ日常神去なあなあ夜話 

160913


痛い痛い痛い

2016-09-12 | 病院巡り

の向う脛を強打して1週間。傷はちっとも良くなりません。
痛い。とにかく痛く、まだ痛い。

右足は5本の指も、踝の周囲も、青紫色のまだら模様になり、全体に不気味な色に腫れて、艶々してきた。

負傷後3日目で、やせ我慢も限界。
やっとの思いで車を出し、病院に辿り着き、整形外科の先生に診てもらった。

幸い骨折はしていなかった。
先生はちらっと一瞥しただけ。痛い傷を触りもしなかったのは幸運だろうか。

先生は鎮痛剤と鎮痛消炎軟膏を出してくれた。
ただそれだけで何の説明もないので、じじぃがへりくだり、色々な質問してみた。
  近頃のお医者さんて、概ねむっとしたまま。不機嫌ですなぁ。ヒポクラテスの誓いをしていないようだ。
  ま、折角治してやったって、先が短いじじばばばかりだから、仕方がないかもね。

そして、ぼそりと答えてくれたこと。

  動くところは動かせ・痛い所は動かすな・足は上に上げておけ・傷は冷やせ・痛みが治まらなければまた来い。

ごもっとも。
だけど、ベッドの上で寝た切りならともかく、足を上げとけなんてなぁ。実行できるわけがないじゃないか。

歯医者が出す鎮痛剤は、普通3日分だが、この先生は2週間分出してくれた。
朝晩忘れずに飲んで、あと1週間分残っている。ということは、あと1週間は痛む見込みなのかぇ? 参ったなぁ。

右脚は足の甲だけでなく、膝から下が全体に腫れている。
時々、生きてゆくために、家の中をよろよろそろそろと移動するきょうこの頃です
それにしても、痛い。

160912


真相は差別

2016-09-09 | 床屋放談

自民党の処分を恐れず、小池百合子さんを盛大に応援した、ヤメ検で弁護士、口髭の若狭勝先生です。
先生は衆議院議員だった小池百合子新都知事の選挙区(東京10区)での補欠選挙に打って出るそうだ。

あれっ、若狭先生は既に衆議院議員だったんじゃないの? なんでわざわざ議員辞職して、再度、議員に挑戦するんだぃ?
と思っていたら、その真相が分かりました。

     

若狭先生。衆議院議員ではあっても、比例区で当選した衆議院議員だった。
ところが可哀想に、比例区当選議員は、選挙区当選議員から甚だしくサベツされているそうだ。

   あんたらは住所不定のCランク議員である、ふんっ。
   比例区
議員の議員バッジの色は変えるべきだ、けっ。

などと。これ、昼間の報道番組で、時事通信社解説委員・白髪の田崎史郎氏のバクロです。
司会の恵俊彰さんも吃驚していたけれど、なぁるほどなぁ、これでよく分かりました、かぼちゃにも色々あることが。
若狭先生は、口髭くらいでは塞げない心のキズを、負っていたんですね。

     

ところで、反東電・反原発知事の泉田裕彦新潟県知事が、急遽、次の知事選に立候補しないことを表明したそうだ。
理由は地元の有力新聞・新潟新報が、泉田知事の言い分を記事にしないからだそうだ。

これも不思議な話ですね。駄々っ子じゃあるまいし、なんでそんなことで立候補を取りやめたのか?
真相は奈辺にあるのでしょうか?

      議員バッジです。ヤフオクで中古品が、119000円で落札されました。

      160909


怪我

2016-09-08 | 林住期

庭で草毟り中に怪我をした。ひどく痛い。

狭い植え込みの中で立ち上がり、一歩足を踏み出した途端、よろめいた。
咄嗟に植木に凭れ転倒は免れたものの、右脛で置き石を思いっきり蹴り、薄い脛肉に石の角を食い込ませてしまったのだ。

  ここ数年、よろめいたりふらついたりすることが多い。
  高血圧の薬の副作用に、加齢現象も加わっているんでしょうかね

グキッと石の角が食い込んだ時は猛烈に痛かった。
しかし立ち上がれるし歩けるので、骨折したわけではない。脛が凹んだだけで出血はしなかった。
痛いのを我慢し1時間ばかりキリがいいところまで作業を続けた。

作業ズボンを脱ぎ、シャワーを浴びる時、もう一度脛を確かめたら、凹んだところは腫れてきた。
腫れを見たら、風呂場で立ったりしゃがんだりすることができなくなってしまった。

就寝時、寝床に横たわる時には、脛は棍棒のように膨れ、もういけません。

翌朝、じっとしていれば痛まないけれど、脛の筋肉が少しでも動くとイ・テ・テ・テ・テ。
伝い歩き、よろよろふわふわとよちよち歩きをしております
なにしろ、弁慶の泣きどころだもんね。痛ーい

この程度では医者へは行きません。
塗り薬として、サロンパスかバンテリンがいいんでしょうかね。
明日は買いに行けるか、とやせ我慢

160908


脳が壊れた

2016-09-07 | 拍手

鈴木大介著「脳が壊れた」は、中高年の方々にお勧めしたい新潮新書である。

フリーのルポライター鈴木大介は41歳の若さで、右脳に脳梗塞を発症した。
身体の左側への後遺症は軽かったものの、一見して他者には分かり難い高次脳機能障害が残ってしまった。

高次脳機能障害とは具体的にどういうものか、リハビリはどう行うのか。
前半は、次々と自覚することになる障害と、その自殺を考えるほどの辛さなどを、体験者として縷々明かしている。

後半は、若くして脳梗塞を発症した原因の、大胆な自己分析である。
著者は原因は過労であり、それは

    背負い込み体質・妥協下手・マイルール狂・働き中毒・吝嗇・善意の押し付け

など自身の悪い性格の結果であり、自業自得だったとしている。
ヤハイ! これって鈴木さんほどではないが、森生にもそういう傾向があると思った。

夫人のちゃらんぽらんな性格や、脳腫瘍摘出前後の惑乱をも赤裸々にし、著者が家事まで背負い込んだ経緯を明かしている。
実の両親との疎遠と、夫人と義母に大きく助けられた実情をも述べていて、胸に迫る。

著者にはすぐ泣く感情の暴発や、相手を凝視し続けるという他者に不快感を与える高次脳機能障害がまだ残ってはいる。
しかし新書を一冊書き上げるまで回復した。そして将来を見据え、自己改革に舵をきった。
それは41歳というまだ若い体内諸器官と、夫人と義母の献身的な支援と、ルポライターという職業によるものだろう。

文章は明快である。深刻悲惨な話であっても、つい笑いを誘う雰囲気を醸し出している。
脳梗塞はいつか、誰にも発症するかもしれない恐ろしい病である。
この病を知り、予防するために、ご一読をお勧めします。

最後に、夫人から読者への挨拶が載っている。僅か8頁の短文ながら、のほほんと物事の本質を把握し、愉快な名文です。
この人、決して「馬鹿嫁」なんかではない。

挿絵は横尾忠則の「Y字路」です。

160905


彼岸花が咲く前に

2016-09-06 | 高麗便り

残暑どころか、相変わらずの猛烈な蒸し暑さである。
こういう日は昼寝がいちばんだが、それでは煮詰まるばかりだ。


 

巾着田は台風の後、どうなっているだろうか。そろそろ彼岸花が開花する季節だ。
そこで団地の長い坂道を下り、(ということは、帰りは長~い上り坂だ)思い切って巾着田へ出かけた。


 

平日なのに高麗川の川原には水遊びの人々がまだいた。
大分減ったようだが、普段よりも水嵩が増し、まだ水は濁り、川原は狭くなっていた。


彼岸花が辺り一面を真っ赤に染める林間は、既に雑草は刈り払われ、後は彼岸花が生えてくるのを待つばかりだ。
入場券売り場や改札口を設置する一画は、地面をコンクリートでガッチリと舗装した。


 

或る市議先生の報告によると、次は巾着田の全面芝生化を計画している由。市はここを遠足のメッカにするそうだ。
県と市は、児童らをのどかな田園風景の中で遊ばせるのではなく、まるごと人工公園に改造した巾着田を見せるつもりだ。




間もなく彼岸花が開花する。そして首都圏各地から、車と観光客が殺到する。
束の間の、静かな巾着田だった。

写真は8月31に撮りました。

160906


微笑む閻魔大王

2016-09-02 | 拍手

  

微笑んでいるような閻魔大王の姿に、目が釘付けになった。

西武・そごう百貨店の合同新聞広告である。
おばさんがで~んと腰掛け、眼光鋭く、しかし薄っすらと微笑んでいる。

着ているものはミッソーニかイッセイ・ミヤケか。
どちらにしても華麗にして豪華。なかなかにいい趣味である。
隣の黒牡丹が百合のように歩く「変わりたい」エクラ美人に、一歩も引けをとらない。

樹木希林に似ているなぁとよく見たら、左下に「樹木希林の冒険1」とある。
こういうのを見て、おばばたちは冒険し一層綺麗になり、進化しているのだろう。
冒険はどう続くのか。ようやく百貨店も高齢者市場の大切さに気付いたようだ。

少し長いけれど(勿論コピーライターが書いた)樹木希林おばばのお言葉がいい。

  歳をとったら、歳相応の服を着なさいとか、
  妻や母親、祖母という役割に
  自分を合わせなさいとか、
  周りの人と同じように振る舞いなさいとか。
  そんな窮屈な常識は、もういらない。

  あなたはもっと、個性的であっていい。
  それが派手でも、大胆であっても、
  堂々と着たい服を着る。
  そうして、何万通りもの個性が花開いたとき、
  誰も見たことがない時代が、
  一歩前に進み出す。

  年齢を脱ぐ。 冒険を着る。 アドバンストモード

うへー! 恐れ入りました。
この「アドバンストモード」とやらに、全面的に賛成し応援したい。
そうして、おじじたちにも、いや、おじじたちにこそ、アドバンストモードが必要だ。

但し、アドバンストというカタカナには、高価という意味もあるようだ。
これを、森生流に咀嚼実行すると、ヨレヨレの普段どおりの服になってしまうけどね。

希林さんは、以前宝島社の水死体広告で世間を驚かせた。
癌治療で休業していると聞いてたけれど、いい仕事をしているねぇ。
あ、それから、ミッソーニやイッセイは、まだやってるのかな?

160902


肌寒い朝

2016-09-01 | 高麗便り

ゆうべから急に涼しくなり、今朝は肌寒かった。大袈裟ではない。

5時に目覚めて直ぐに跳ね起き、開け放っていた窓を閉めた。
気温21度、湿度71%、血圧163/89!
このところ140/70台だった血圧は、毎朝食に摂る生の玉葱効果と思っていたが、冷気とヤル気が血圧を押し上げたようだ。

熱い日射しが庭を刺す前に、鉢に水を遣り、早い朝食を済ませ、余裕でラジオ体操の会場へ向かった。

夏祭りで遇った先生は約束とおりきょう9月から復帰。そのほか新しいお爺さんが2人、初参加。
それでも小学生がいなくなり、およそ20人しかいなかった。

BGMに合わせ、身体を大きく動かしても汗ばまず、爽快だった。

朝食は済んでいるので、大回りして家に帰った。
さぁ、きょうはやるぞ!

160901