CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

使用前には湿らして

2023年04月14日 | West Coast Rock

ジャクソン・ブラウンのファースト・アルバム(a.k.a. Saturate Before Using)がCSN&Yのマネジメントを担当したデビッド・ゲフィンが設立した新興レーベル、アセイラムから記念すべき第一弾として1972年に発売された。

ソロ活動する以前から業界では実績があったので、ソロ・デビュー時には既に完成形だったと言える。ただこのアルバムの全体的なアレンジはシンプルなバンド編成からか個人的にはやや地味に感じた。

つい先月お亡くなりになった盟友、デビッド・リンドレーがもしこのアルバムに参加していたなら?な〜んて妄想する今日この頃である。

デビッド・リンドレーはいないのは残念だけれど、ゲスト・ミュージシャンの面子はスゴイ!


評論家泣かせの野郎ども

2023年04月13日 | PROG ROCK

とにかく様式に捉われない自由な発想で繰り広げられるジェスロ・タルのエクスラバガンザとも呼べるプログレ仕立て作品群は評論家泣かせな代物。

その内容を正確に理解するには一筋縄ではいかないさまざまな要素がごった煮となって展開していく。

評論家が泣くぐらいだから一般的なロック・リスナーにとっては泣くぐらいじゃ済まされないさらに高い壁。

日本ではカルトなファン以外には中々受けいられなかった様だが、英米では過去の作品が数多くトップ・テン入りする程の人気バンドである。

その彼等が1974年に出した7枚目のオリジナル・アルバムがWar Child。

アメリカでアルバム・チャート1位を記録した前作、A Passion PlayはLPレコード裏表に切れ目なしの組曲仕立て全1曲が収録された特殊な作品で、当時評論家からも理解し難いと酷評を受けた。その為なのか今回のアルバムは前作と同じ方向性の演奏ではあるが、短い曲からなる全10曲を収録するアルバムとした。

個人的には曲間に数秒の無音部が設定されている事によって、一息付け落ち着いた気分で次の曲に入っていくことが出来る。

とは言え、それでも難解。

何度もリピートし演奏の展開をアルバムを通して全て暗記してしまうぐらい努力は必要かも?

いつまで経っても攻略出来ないバンドです。

イアン・アンダーソンの炸裂するフルートの演奏だけでなく、目立ちたがり屋としてのコスチュームもこのバンドの売りですかね?


レイラも保安官もいないけれど

2023年04月13日 | AMERICAN ROCK/POPS

1977年の大ヒット・アルバム、Slow Handに続いて翌年に前作同様、グリン・ジョンズをプロデューサーに起用。

完成したアルバムが、Backless。

(6人編成のバンド。カールは右上に写っている。)

ここにはリード・ギターをかっての様にギンギンに弾きまくるクラプトン、さらにはレイラや保安官の様なアルバムを代表するシングル・ヒットも存在しない。

レイド・バック・サウンドがただただゆったりと流れる癒しの一枚。

地味目なんだけれど、何故か何度聴いていても飽きないし心地良い。

因みに60年代末のデラニー&ボニー時代からクラプトンと共演して来た盟友のベーシスト、カール・レイドルが参加した最後のアルバムとなる。何でも、アルコールとドラッグの過剰摂取によって1980年に死去。

それも含めて、クラプトンの70年代の活動を締めくくる象徴的なアルバム。


5ccから再び10ccへ

2023年04月12日 | BRITISH ROCK

1977年に出た5枚目のスタジオ・アルバム、Deceptive Bends(愛ゆえに)のレコーディングを開始する前に、バンド内で音楽の方向性に関して対立し、ケビン・ゴドレイとロル・クリームの二人がバンドから脱退。

5ccに戦力ダウンとなったものの、ライブでのサポート・ミュージシャンだったポール・バージェスをゲストに迎え何とかアルバムを完成させることに。

そしてイギリスでアルバム、Deceptive Bendsの発売にあわせて、ライブ活度もスタート。ポール・バージェスを含めた4名のミュージシャンを起用し、6名で少なくとも容量だけはトータル15ccにパワー・アップ!し、英国でのDeceptive Bends(愛ゆえに)の大ヒットに十二分に貢献。

そしてこのライブの模様が6ヶ月後に、10cc Live And Let Live、2枚組のレコードとして登場した。

実験的志向のあったゴドレイ・クリーム組と比べポップ色の強い作風のスティワート・グールドマンのペアの曲はステージでの再現性を考慮するとやっぱりライブで映える。5ccの戦力だった彼等の実力はやっぱり10ccだったと言わしめた。

ただこの後の80年代になって、ミュージック・シーンの変化もあり当時流行りのAOR路線に取り込まれてしまったのか、かっての10ccらしさが消えていってしまい非常に残念。

例え意見の相違はあったとしても何とか折り合いをつけて、スタジオ・アルバムだけはオリジナルの4人で作り続けて欲しかったですね。

このアルバム、当時確か買った様な気がしたが手元にないので、2008年の輸入盤再発CDを購入。


カントリー・ロックのパイオニア

2023年04月11日 | AMERICAN ROCK/POPS

本日はイーグルスのバーニー・リードンも在籍したアメリカのカントリー・ロック・バンド、フライング・ブリトー・ブラザーズでも。

1968年、デビッド・クロスビーに続いてドラムスのマイケル・クラークがバンドから脱退。ロジャー・マッギンとクリス・ヒルマンの2人組となったバーズ。

新作の録音にクリスの紹介でインターサブマリン・バンドからやって来たのがグラム・パーソンズ。しかしバンド内でのロジャーとの対立で残念ながらカントリー・ロック調のニュー・アルバム、Sweetheart of Rodeo(ロデオの恋人)の完成を見る事なく脱退。

その後クリスも引き入れて自身のバンド、フライング・ブリトー・ブラザーズを結成。1969年にファースト・アルバム、The Gilded Palace of Sin、翌年にはセカンド・アルバム、Burrito Deluxeを出すもヒットとはならなかった。ただカントリー・ロックという新しい自ジャンルを切り拓いたバンドの一つとして後世の同系統のバンドに大きな影響を与えた。

そして、何故かグラムはこの2作でバンドから脱退、後にソロ活動を開始するがドラッグの過剰摂取とかで26年の短い生涯を終えた。

本日はグラムが在籍していた初期2枚のアルバムからの編集盤で1988年に出た、The Best of Flying Burrito Brothers, Farther Alongを聴いてみる。

(そう言えば、アメリカ西部に強い憧れを抱いていたエルトン・ジョンも初期の頃こんなジャケット羽織っていた)

ファースト・アルバムに収録されたカントリー・バラード系の曲も中々の出来だが、セカンド・アルバムに収録されたストーンズのWild Horsesがやっぱり一番かな?何でもグラムとキース・リチャードとかなり仲が良かったらしく、彼等の快諾を受けたらしくストーンズのオリジナル・バージョンよりかなり早くこの曲がレコード化された。

またアウト・テイクだったビージーズのカバー、To Love Somebodyも彼等らしいアレンジで心地よく響く。

因みにブリトーはタコスの親戚の様な食べ物でタコスはパン生地をVの字におってその隙間に具を乗せて食べるが、ブリトーは春巻きのように具が生地にグルグル巻きにされているそうな、 知らんけど....


バーニー渾身の作品

2023年04月10日 | West Coast Rock

2曲をロンドンのスタジオでプロデューサー、グリン・ジョンズの元レコーディングしたものの、もう少しハードなロックをやりたいと願うバンド・メンバーがグリンと対立した事から、メンバーはロス・エンジェルスに引き返し、新しくプロデューサーにビル・シムジクを迎えて完成させたのが、1974年のイーグルス通算3枚目のアルバム、On The Borderだった。

サポート・ミュージシャンとしてギタリスト、ドン・フェルダーを迎えてた事から、曲によってはかなりソリッドなロックに仕上がった。

とは言え、以前のカントリー・ロックも健在。

トム・ウェイツのOl’ 55のカバーもいいがやっぱり、バーニー・リードン作のMy Manが一番かな。

My Manってかって短期間ではあったがバーズに在籍し、その後カントリー・ロック・バンドのパイオニアとなったフライイング・ブリトー・ブラザーズを結成したグラム・パーソンズの事。

グラムはその後ブリトー・ブラザーズを離れソロ活動をスタートさせるも、26歳の若さで他界。当時ブリトー・ブラザーズのメンバーだったバーニーがその彼を偲んで作った歌が泣かせるね。

左から、バーニー・リードン、ドン・ヘンリー、ランディー・メイズナーとグレン・フライ


SACDでストーンズを聴いてみる

2023年04月09日 | ROLLING STONES関連

90年代末ソニー・フィリップス連合が新しいCDのフォーマットであるSACDを開発。

それまでCDでは、PCM(パルス・コード・モデュレーション)という方式でアナログ音源をデジタル音源へと変換してきた。そしてその音源のレゾリューションはCDの記録エリアのサイズからサンプリング周波数44.1kHzと量子化ビット数を16ビットに固定した規格が採用された。

SACDは従来のCD規格、即ちPCM方式の再生周波数やダイナミック・レンジを大きく上回る事に。

ただ従来のCDプレイヤーではこの音源を再生することが出来ず、新たなプレイヤーを購入しないといけない事から、一般のリスナーには思ったほど普及しなかった。そうこうしているうちに、インターネット経由で更に高音質のPCM方式、24ビット96kHzや192kHzなどの音源が手軽に購入できる様になってSACDは更に窮地に。

そんな逆風が吹くなか、1964年のストーンズのアメリカ・デビュー盤、England’s Newest Hit Maker を2002年にDSD方式でリマスターされたハイブリッドSACD盤でも。

収録曲は英盤ファーストとほぼ同じだが、米盤としての特徴は英盤に収録された曲、Monaをバディー・ホリー作、Not Fade Awayに差し替えアルバムの頭に持ってきているのが”らしい”と言えば”らしい”。

でっ、従来のCD音源と比較してどうよ?

むむ〜 少人数編成のビート・バンドのモノ音源だしね、ミックがファルセット・ボイス披露するわけでもないし…

ハイレゾって強調されても、聴き分け出来ないオジンの耳に果たしてそのありがたさが届くのだろうか?

結論としては、それより若き日のストーンズを楽しもうじゃないのって事で。


フォーク・デュオ

2023年04月08日 | AMERICAN ROCK/POPS

フォーク・デュオといえばやっぱりサイモンとガーファンクルが定番だが、シールズとクロフツも見逃せない。

60年代からバンドとして活動してきたが、イマイチ目が出ない。60年代末両名がバンドから脱退しデュオを新たに結成。

1972年の4枚目のアルバム、Summer Breezeがシングル・カットされたタイトル曲共々アメリカで大ヒットしようやく日の目を見ることに。翌年のアルバム、Diamond Girlもしれに続き、その後数枚のヒット・アルバムを出していく。

そして1975年に待望の編集アルバム、Greatest Hitsが登場。

サイモンとガーファンクルは老若男女問わず幅広い年齢層から支持されているのに比べると、こちらは落ち着いた雰囲気のもう少し高めの世代がターゲットって印象ですかね。

ちょっぴりエキゾチックな味わいのSummer Breezeは一味違うソウルっぽいアプローチーでアイズレー・ブラーザズもカバーしていてなかなか良い感じ。


サンタナの2枚目

2023年04月03日 | AMERICAN ROCK/POPS

1970年、Abraxas(天の守護神)と言うタイトルのセカンド・アルバムが発売された。

ジャケの絵はマイルスのアルバム、ビッチェズ・ブリューのアルバムと同じマティ・クラーワインによる

アルバムにはフリートウッド・マックのBlack Magic Womanのカバーが収録されていて、シングル・カットされアルバム共々大ヒットし、一躍世界的なバンドとして認知された。

ところで70年代のサンタナと言えば、カルロス・サンタナ御本人の意向なのか、もしくは制作サイドの戦略的意図なのかその辺りの事情は定かでは無いが、このアルバムのタイトル、Abraxas(天の守護神)とか、後のライブ・アルバム、Lotusでの瞑想とかちょっと宗教的な意識付けが個人的にはちょっと?って感じですかね。

もっと音楽としてフラットにサンタナの奏でるギターやアフロ・ラテン・ビートを味わえるように仕向ければ、聴き手それぞれに自ずから何かスピリチュアルなイメージが浮かんで来るのではないかと...

なぁ~んて、ちょっと偉そうに語ってみました。

もちろん大好きなアルバムの一つです。

因みに、Abraxasとはエジプト神話の登場する女神イシスの従者であり、頭部は鶏もしくはライオン、胴体は人間で脚部は蛇の姿で、選ばれしものを天国に連れて行く存在だとか...

むむ〜 それじゃ、Abraxasとはどうもご縁は無いような。


7インチ・コンパクト盤でも、その2

2023年04月02日 | ELTON JOHN

33-1/3RPMのコンパクト盤は60年代から70年代の初め頃にはよくレコード屋さんの店頭でお目に掛かった。

4曲程度の収録ではあるが、ヒット曲中心にまとめられていてお買い得。

当時はポータブル電蓄を側に置いて内蔵のモノラル・スピーカーを通してシングル盤を楽しむ時代ではあったので、2曲聴いてレコードを裏返すという作業はそれほど苦にもならなかっただろう。

しかしサブスク全盛時代において、オート機能なしのレコード・プレイヤーを使ってコンパクト盤の2ch再生を楽しむには些か慌ただしさを感じてしまう。

ただ、独自のジャケの写真や解説を読んでいるとその当時の懐かしい状況が思い出され結構楽しめるかも。

1971年のエルトンのヒット・シングル4曲入りコンパクト盤

当時吟遊詩人のイメージで売り出したエルトンとライブ・ステージでのワイルドなその姿のギャップに驚く立川直樹氏


別に夜聴かなくとも癒される

2023年04月01日 | SSW

今日から4月、ポカポカ陽気でさらっとした風が吹き込んで気分も爽やか。

そんな日には女性SSW、カーラ・ボノフの1979年のセカンド・アルバム、Restless Nights(ささやく夜)でも。

音楽の活動のスタートは60年代末ごろに遡り、長く続いた下積み時代を過ごしてきた彼女にもようやく春の暖かい日差しが...

かってリンダ・ロンシュタットが所属していたフォーク・バンド、ストーン・ポニーズが解散し、そのメンバーだったケニー・エドワーズが新たにフォーク・ロック・バンドを結成。そのメンバーに誘われレコーディングをスタートしたものの諸般の事情で敢え無く解散の憂き目に。

その後ケニーがリンダのバック・バンドで活動を始め他ことから、リンダとの知遇を得てカーラは彼女の自作曲を数曲提供。その出来が評判となりようやくソロでメジャー・デビューし1977年にアルバムを発売。

素直で伸びのある歌唱に当時のウエスト・コーストの音楽シーンを代表するミュージシャン達がバック・アップし、カラッとした仕上がりでアップ・テンポの曲やバラードが入り混じったアクセントのある好アルバムが完成。

暖かい日差しが差し込む部屋でのんびりと...