大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

シニアライトノベル・タキさんの押しつけ読書感想『岳飛伝-4-』

2013-03-08 19:48:39 | 読書感想
タキさんの押しつけ読書感想
『岳飛伝-4-』



これは悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に流している読書感想で、北方謙三などの水滸伝などに興味のない方にはチンプンカンプンですが、マニアの方には、面白い書評だと思いますので転載いたしました



 北方謙三 水滸伝サガ 第三部 岳飛伝の第四巻であります。
 さぞかし女性各位におかれては 何の興味もわかないかもしれませんが、そこはご勘弁。
 さて、シリーズは殆ど時間の経過もなく、金国のウジュと、立場上南宋軍を預かった形になってしまった岳飛の会戦が本格化します。岳飛は金に占領されている淮河(黄河と長江の間)以北を奪回することが大義となっており、この思いは南宋の政治とは関わりが無い、元々 軍閥としてはじめた戦いだという思いが強い。
 しかし、南宋軍を押し付けられた段階で、いつか政治的に中止の指図が来るかもしれないくらいには感じている。榛檜は榛檜で そろそろ岳飛が邪魔(金との停戦交渉するにあたって)になるだろうと思い始めている。
 ここで、今回から官僚の許礼がいきなりクローズアップになってくる。なんでか解らんが この許礼がやたらと戦の情勢や岳飛の心中について核心を突いている。軍事担当で 短期間の間に南宋軍がまがりながらも使える軍勢になったについては許礼の功績なのだが、何かいきなり洞察力が120%ア~ップしとります。

 史実として岳飛は榛檜に毒殺されるのですが、まさか榛檜が直接手を下した訳ではないだろうから この許礼がやっぱり実在の人物で主犯って事なんですかねぇ。この辺りの史実は何を読みゃあええんですかねぇ、まだそこまでは追っかけていません。
 岳飛と梁山泊の間に、本人達の自覚の有る無しない交ぜにして紐帯が深まりつつあります、物語として今後そこまで突っ込んで行くのか否か、興味を引いていきそうであります。  
梁山泊メンバーの考え方にも変化が現れ、己のレーゾンデートルを語るのに“夢”という言葉が使われ始めている。思えば楊令も心中を語るに「追えぬもの梁山泊の将来に見ているのかもしれない」なんぞと言うとりましたなぁ……これって「夢を見ている」と同義語ですよね、楊令の死後 漸く彼と同じ視線を持つ者が現れ出したという事です。 また 誰かサンに笑われそうですが、どこを読んでも涙腺にジンワリ来ます。
 後数年で総てがモンゴルに蹂躙されて跡形も無くなる。しかし、人々は今日一日を必死に生きている。物語を鳥瞰している者の傲慢な思いであるとは自覚しているが…一人一人が愛おしくって仕方がない。 う~~ん、やめられまへんなぁ〓


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シニアライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『OZ』

2013-03-08 16:22:26 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評『OZ』

これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に流している映画評ですが、もったいないので本人の了解を得て転載したものです


今回も八尾で…と思うたのですが、八尾では吹き替えしか上映しておらず、梅田に出てきました。
子供しか来ないと思うとるんでしょうね……気持ちは判らんでもないんですが、近頃の日本のガ……子供は“オズの魔法使い”なんて知ってるんですかねぇ。最近、贈り物にするんで良く絵本を探しにいきますが“OZ”のシリーズはあんまり見かけないんですよね、映画をやっている今行けば色々有るんですかねぇ?
 てな訳で、本作の主たる観客は ええ歳した大人やと思うんですがねぇ(今日もオッチャンオバチャンが多くって アベック少々くらいのバランスでした。) ところで“OZ”を読んでる人って どれくらいいたはるんでっしゃろか、私もジュディー・ガーランドの映画('39年)しか知らず 古本屋でシリーズ文庫を見つけて初めて続きがある事を知りました。
 ライマン・フランク・ボームが“THE WONDERFUL WIZARD OF OZ”を出版したのが1900年、なんと113年前!
 元々単発物のつもりだったようですが、それこそ山のような続編を要求する子供たちからの手紙に埋もれて ボームは死ぬまでの19年間に14冊のシリーズを発表しています。(私が読んだのは3冊だけですが) アメリカではボームの死後も その孫や曾孫、その他いろんな人々によって書き継がれ 現在非公式(???)な物も含めると70冊以上有るらしいです、いかに愛されたシリーズなのか よくわかるエピソードですなぁ。
 さて、その第一巻で 竜巻に呑み込まれたドロシーが何とか故郷に帰ろうと「オズの魔法使い」を訪ねてみたら、なんとペテン師の爺さんでしたってのはご存知の通り。原作シリーズの中で、このインチキ魔法使いの出自は詳しく語られてはいないようですが、断片的に語られる物から本作はスタートしています。
 ここでトリビア、OZのフルネームをご存知だしょうか? 彼の名前は“オスカー・ゾロアスター・ファドリグ・アイザック・ノーマン・ヘンクル・エマニュエル・アンブロイズ・ディグス”と申します。
 最初の二つの頭文字を取って“OZ”と名乗っているんですねぇ、向こうの小説にこういう長い名前の設定の人物ってのがたまに出てくる事がありますが、大概がペテン師です。本作のOZ君も若い奇術師で、女たらしのペテン師です。この半端なアンチャンがいかにしてホンマモンの魔女を相手にして、身に降りかかる難問を切り抜け『彼は如何にして大魔法使いとなりしか』ってえお話し……映像は素晴らしく美しい。これを“死霊のはらわた~EVIL DEAD”なぁんてなドロドロ映画を撮っていたサム・ライミが撮っているのかと思うと 何かしら笑いがこみ上げてくるのは……アタイの根性がねじ曲がっているからなんでしょうかねぇ。  作品その物は良く出来ていて、元作品を知らずとも楽しめますが、ここは もしJ・ガーランド版の映画をご存知なければ、ええ機会ですから 是非ご覧になってから本作に行かれる事をお勧めします。その方が10倍楽しめる事 保証いたします。M・ウィリアムス、R・ワイズ、M・クニスの三人の魔女も見ものですし、J・フランコのダメ男ぶりも 実に堂々(??)としとります。ストーリー展開に「むぅ??」と思う所が有ると思いますが、それは この作品ではグッと飲み込んで素直に世界にのめり込んじゃって下さい。いらん事は一切考えない事!老婆心ながらご忠告致します。


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