大橋むつおのブログ

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大人ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『クラウド・アトラス/プラチナ・データ』

2013-03-17 07:09:34 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『クラウド・アトラス/プラチナ・データ』


 これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので、本人の了解を得て転載したものです。



☆クラウド・アトラス
 全否定はしない、下らない訳ではない。原作未読なので 語る資格は無いのだけれど……本原作がブッカー賞候補ではあっても受賞作と成らなかったのは理解出来る。昨今の英米SFカテゴリーで種々試みられているのは、新約聖書の読み替えと黙示録の再構築なのだけれど、大概が自ら建てた志に押し潰されている。
 これは映画そのものにも言えるが“スローター・ハウス5”の登場人物を増やしてあるだけで、物語の完成度も テーマの伝わり方も“スローター・ハウス”の方が数倍上である。(ここで切れて、「プラチナ・データ」を見た。原作については前言撤回する。やはり読まずに批評するのはよろしくない。なぜ、こんな事を言うかは後程お分かりいただける) 本作の全米box成績は3週間チャートインで初登場2位ながら、初週960万$とお寒い。
「難解さが嫌気された」と評されるが…こんな程度の物を難解なんぞと言われたんじゃどうしようもない。本作は難解なのではなく「ややこしい」のである。
 主キャラクターが6人(一応 トム・ハンクスがメインキャラ)過去から未来へ500年の時間軸上の6ヶ所に次々に現れる。これを細切れにしてばらばらに映し出すので まず、この構成がうざったらしい。
 映画にせず、一時代を1時間×2回、六時代で12回ドラマにして 時間軸通りにオンエアすれば なんて事ぁないし、テーマもよく伝わっただろう。
 映像は比較的 良くできている方(殊に24世紀のシーンは良い)だと思う。伝えたいテーマも判るにゃあ判るが なんでこんなややこしい構成にしたんでっしゃろねぇ。いや、こんな風に作りたいイメージは理解できるが……それにしては編集が荒すぎる、編集のアレクサンダー・バーナーは過去に大した仕事がなく、この程度の人間に任せるには ちょっと山盛り過ぎたんじゃないんですかねぇ。 最終的に編集の責任と言い切ってもよいと思うが、全体に「意在って 力足らず」……これじゃカルトムービーにも成れないんじゃないですかねぇ。要するに……半端じゃい!


☆プラチナ・データ
 まず、二宮ファンは読まないで下さいよ! もし、読んだとしてもカミソリの刃なんぞ送って来ないでね。×:◇→〆々〃♂*#§☆ なんやねん〓〓このっ!駄作は……嗚呼~、ようもまあ 東野圭吾の小説をここまでズタズタにできるなぁ。この無神経さ加減はなんだんねん。原作を読んだ人は絶対近寄ってはいけません。監督の大友さん、信頼しとりましたのに“るろうに剣心”から ちょっとおかしいんとちゃいまっか?それとも、製作の横槍ですかい? 誰かが「原作とは一味違う映画にしようぜ」と囁いた訳ですか?  もう、ほんまに初っぱなからなんたる不手際、サッサと神楽(二宮)が犯人扱い、神楽君 走る走る! しゃあけど警官にあそこまで追いつかれて逃げられる筈がない。これが全編この調子だから イライラしてくる。神楽には“リュウ”と名乗る別人格を内包しているのだが……なんとした事か 名優のはずの二宮君、全く演じ分けが出来ていない。 全編 ドタバタガタガタ……東野原作のスマートさはどこにもない。さらに……嗚呼さらに、これで終わったかと思った後に 追い討ちをかけるのかのごとくに アッチョンブリケな新設定が飛び出して来る。まさに“龍頭蛇尾”(蛇頭蛇尾?)な付け足しに、もう脱力。 何回 席を蹴って出たろと思ったかしれんが、最後まで我慢していて…どんだけのダメージを負わされた事か…ウウウ そうそう、これも言うとかんと……原作では「水上医師」は男なのだが、何故か映画では女性に成っている。これを鈴木保奈美が演じているのだが、このキャスティング 誰が企画して誰が決定したんか知らんけど、こんな役立たずは追放しとけ! 芝居は諦めて 家で石橋をいたぶっとれよ。と いうのが 誰がやろうが惨い幕切れなのに、鈴木保奈美が下手過ぎて さらに酷い結果に成っている。今年2本目の“こんな映画は見ちゃいけない”作品!1本目は 勿論“ジャンゴ”! こんな脚色を認めた東野圭吾にも責任がおま!原作者が自分の作品守らんで 一体誰が護るんでっか?


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