KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★マルタの風

2009年10月08日 | 旅の物語
           【BLUE GROTTO (ブルーグロット)】

TOKYOに戻ったら、キンモクセイの香りに
街は包まれていた。
私の大好きな10月の、秋の甘い匂いだ。

ついさっきまでいたはずのMALTAは、
夏真っ盛りだったのに・・・。

帰ってきて、まだそんなに時間も経っていないのに
あれは、幻だったのかな?

それとも、遥か昔の出来事だったのかしら?

夢か現実か、時間も空間もわからなくなってしまう。

旅っていつもそうだ。


だから、やめられないのかもしれない。


**********************

9月26日、兵庫県の三宮から午後7時発、
関西空港行きのリムジンバスに飛び乗った。

10分前まで仕事をしていた。

初めての場所で、バスターミナルがよくわからないのに、
夢中で走った。
これを逃すとヤバイかも!集合時間に間に合わない!
とにかく必死だった。

サーチャージ復活前で、駆け込み旅行の人たちで
臨時便が出たりするらしく予定よりも1時間早く
搭乗手続きが必要というのだ。

ギリギリ出発2分前に到着し、
とにかくチケットを購入した。

高速道路が工事していて、予定より30分ほど
遅くなりそうですがいいですか?と言われたが、
あれこれ考えている余裕はなかった。

はい!大丈夫です。
お願いします!!!と速攻で返事をした。
多少遅れても、2時間前には充分間に合うし。と
ちょっと焦りながらも、きっと大丈夫!と
自分に言い聞かせた。

バスが出発した瞬間、
ビュンビュンと通り過ぎていく景色のように
どんどんと加速しながら現実が
遠くなっていき、いよいよ旅は始まった。

**********************

関空からドバイまでの約9時間、
ずっと眠っていた。

夜中の12時発ということもあって、
とにかく眠かったから、飛行時間の長さを
感じないほどひたすら寝ていた。

あっという間にドバイ空港に到着すると、
3時間ほどのトランジット。
大きくてきれいな空港は、
今が朝なのか、昼間なのか、夜中なのか、
まったく感じさせないほど活気に溢れていた。

私はすぐさま買い物モードのスイッチが入り
あちこちを歩き回った。
例の“アレ”を探すためである。

そう、“アレ”とはスーツケースに貼るステッカーのこと。

去年のMt.Shastaの旅で
真っ赤なスーツケースの車輪が壊れてしまい、
今回のためにパープルの新しいものを購入したのだった。

今まで貼っていたさまざまな場所のシールも
残念ながら一緒に手放すことになったが、
そのあとにまた一から新しく集め始めたのだった。

あらかじめシール交換でGETしていた
「LONDON」と「North Island(北海道)」と、
そして去年自分で買った
「CRATER LAKE(カリフォルニア)」の
3種類を貼って、今回のMALTAに臨んだ。

空港に数時間しかいないけど、あわよくばドバイの
シールもないかしら?

すぐにそんなスイッチがすぐさま入る。

でも、さすがの長旅。

歩きまわっても見つからず、
とうとう諦めて、搭乗口付近のイスに座ると
またまた睡魔に襲われた。

他に知り合いもいない、
添乗員もガイドさんもいない初めての空港。
掲示板の行き先と、チケット出発時刻だけをたよりに
このあたりでいいかしら?と思って眠りこける私は、
ドバイの治安がいいのか、どうなのか、
まったく知らずにウトウトしていた。

ほどなくして、トントンと腕を叩かれ
目が覚めた。

隣に座っていた男性が、
「MALTA行きの飛行機にのるんでしょ?ゲートが開くよ。」と
英語で教えてくれた。

あんなにたくさんの人がいるのに、
私がマルタに行くってなんでわかったんだろ?
すっごいな~!なんて親切な人なんだろ。
もうこれでマルタが好きになっちゃうな、と
一人で感激していた。

**********************

ほどなくして、飛行機は飛び立ち
次はいよいよマルタだ!と思っていたら、
どうやらアナウンスではマルタと言っていない。

いったいどこに行くの?

シートにある画面を見ると次の到着地は
「LARUNAKA」と書いてある。

半分ほどの人が降り、半分ほどの人はそのまま座っている。
たぶん、私もそのまま座っていていいのだろう。

アバウトな私は、「たぶん・・・だろう」がとても多い。

「まぁ、なるようになるだろう」とか、
「きっとうまくいくだろう」とか。

**********************

しばらくすると、温かい空気と心地よい風が
機内を流れ始めた。

振り返ると、ドアが全開に開いて
海がすぐ近くに見える。

久々に見た空の色は抜けるように青く、
日差しはキラキラと輝いていた。

遠い異国に来たことを実感すると、心が躍る。

私のことを知る人は誰もいない。
そう思うと、解放された気分になる。

**********************

いつも仕事柄持っている世界地図で
ココがいったいどこなのか調べてみた。

キプロス島に「LARUNAKA(ラルナカ)」という
文字を見つけた。

キャビンアテンダントに聞いてみると
「Oh! YES! CYPRUS(サイプロス)!」と
元気よく答えてくれた。

キプロス・・・って聞いたことある。
国だっけ?どこかの島だっけ?

いったいどんな人種の人たちが住んでいるの?

世界の国について、本当に知らないことだらけである。

給油したり、機内のお掃除の人たちが来たりして
のんびりとのどかな時間が流れた。

**********************

すると、それまで流暢な英語を話していた
キャビンアテンダントが突然、普通の日本語を話し始めた。

「よかったら、写真取りましょうか~?
この帽子お貸ししますよ!はい、チーズ!」という
記念撮影の声。

エキゾチックな顔立ちで、すっかりどこか別の国の
人と思い込んでいた。

そんなフレンドリーな彼女と、
そして、乗客らしい女性の会話が聞くとはなしに
背後の席から聞こえてきた。

**********************

それは、本物の(?)、生粋の(?)関西弁で
「私はサーチャージがかかるから
9月出発にしたんです。マルタに短期留学です。
マルタにはあんまり日本人がいないというから
決めました」というような内容を話している。
(英語同様に、関西弁もうまく変換できない…)

あら~、私とまったく同じようなこと
考えてる人っているんだわ。

この座席周辺に座っている日本人らしき人たちって
みんな留学するのかな?
結構多い気がする。


ハワイとかオーストラリアとか、日本人が多いと
つい一緒につるんでしまうから、
結局英語が上達しない、という話をよく耳にする。

今回、マルタにしたのも
たぶん少ないだろうという大きな理由のひとつだった。
もしかしたら、たった一人でもそっちのほうが
いいかな。と思っていた。

でも、まぁいたらいたで、それはヨシとしよう!
なんて、あれこれ考えていた。


**********************

ラルナカから約3時間、
ドバイを経ってから約6時間以上たって
ようやくマルタの空港に到着した。

三宮を7時ジャストに出て、
実に26時間が経過していた。

パープルのスーツケースを転がしながら
到着口を出ると「KAORU SHIMIZU」と
書いた紙を持った男性がいる。

一目散で向かっていくと、
もう一人、日本人がいた。

さっき機内で声だけを聞いていた
後ろの席にいた女性だった。

彼女の名は「YOSHIKOさん」

ほとんど同じ理由ばかりを並べて
今回MALTAを選んだ2人が、
顔を合わせた瞬間だった。

彼女のスーツケースにも、
ベタベタとステッカーが貼られていたことに
一瞬、何か不思議な感じがした。


結局、私たちは最後まで行動をともにし、
一緒に学び、一緒に感動し、
たくさんの国の友人とともに遊んだ
大切な人となった。


**********************

この続きはまたの時に。

気ままにアップしていきますので、
気長に待っていて下さいね。

少しづつ、マルタでの出来事をキレイな画像とともに
お届けします♪





コメント (2)
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