【ローマの量り売りピザ屋さん】
ランチを食べながらインターンシップに来ている
大学生のサツキちゃんが切り出した。
「あの・・・」
この一言で「あ!ブログのネタ?」なんて直感的に思った。
(さすがに最近、無意識でネタ探しをしているようだ)
サツキちゃんちが“そうめん”を食べる時は
大きなタッパーの中にたっぷり水を張り
「ドンっ」とでてくるだそうだ。
4人家族だから、2人で1つ。
2個のタッパーが机の上にのる。残ったら水ごと冷蔵庫へ。
それが正しいそうめんの食べ方なのだ、と信じていたそうだ。
そうめんは大鉢で食べるか、1人ひとりの器か、という話題から、
各家庭のお皿スタイルへと話は発展した。
***************************
我が家は、“大皿派”だった。
5人分のおかずがドカっと盛られた大きなお皿が
食卓の上にのる。
各自好きな量だけを小皿に盛るスタイルだ。
これには理由がある、と母は言う。
自分が子どもの頃、ひとり用の机に小皿料理が
たくさん並んでいたそうだ。
あらかじめ1人分に取り分けられている、ということは
食べないことがすぐにバレてしまう。
嫌いなものも決められた量だけ
きちんと食べることを要求される。
それが苦痛だったから家庭を持った時は、
自分と同じ思いをさせないために
好きなものを好きなだけ、嫌いなものはほんの少し。
そんな自由な“大皿”スタイルにこだわった。
ところが、つい最近次女のMIDORIがこんな思いを話し始めた。
「あのうちの大皿料理ね、あれが本当にイヤだったのよ。」
食欲旺盛だった彼女は、みんながどのくらい食べるのか
常に気を配っていたそうだ。
ペースが速すぎて、みんなの分まで食べ過ぎないだろうか?
私はあとこれぐらいは食べたいけれど、
今日のお姉ちゃんの食欲はどうだろうか?
頭の中で常に大皿を5等分し、まずはそれ以上手をつけないように
密かにガマンをしていたのだという。
そして、妹の家は今、人のペースを気にせず食べられる
徹底的な“小皿”派である。
…だったらそう言ってくれたらいいのに。
もう何十年も経っちゃったあとじゃないの。
と母はため息まじりに言うが、そんな自分も
小皿料理がすごくイヤだったことは伝えていないようだ。
清水家親子3代に渡る料理スタイルは
“小皿”(祖母)→“大皿”(母)→“小皿”(妹)
と「反面教師型」をたどっている。
こだわりが強いほどこのカタチを形成するようだ。
そして親の盛りつけになんの疑問も不満もない場合には
例えば“小皿”→“小皿”→“小皿”というように
代々同じスタイルを保っていくようである。
***************************
サツキちゃんが将来家庭を持った時、
タッパーでそうめんをだすのか、それとも
夏らしい涼やかなガラスでできた1人用のそうめん鉢で
食べるのか、いつの日か選択を迫られる時がやってくるのだろう。
ランチを食べながらインターンシップに来ている
大学生のサツキちゃんが切り出した。
「あの・・・」
この一言で「あ!ブログのネタ?」なんて直感的に思った。
(さすがに最近、無意識でネタ探しをしているようだ)
サツキちゃんちが“そうめん”を食べる時は
大きなタッパーの中にたっぷり水を張り
「ドンっ」とでてくるだそうだ。
4人家族だから、2人で1つ。
2個のタッパーが机の上にのる。残ったら水ごと冷蔵庫へ。
それが正しいそうめんの食べ方なのだ、と信じていたそうだ。
そうめんは大鉢で食べるか、1人ひとりの器か、という話題から、
各家庭のお皿スタイルへと話は発展した。
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我が家は、“大皿派”だった。
5人分のおかずがドカっと盛られた大きなお皿が
食卓の上にのる。
各自好きな量だけを小皿に盛るスタイルだ。
これには理由がある、と母は言う。
自分が子どもの頃、ひとり用の机に小皿料理が
たくさん並んでいたそうだ。
あらかじめ1人分に取り分けられている、ということは
食べないことがすぐにバレてしまう。
嫌いなものも決められた量だけ
きちんと食べることを要求される。
それが苦痛だったから家庭を持った時は、
自分と同じ思いをさせないために
好きなものを好きなだけ、嫌いなものはほんの少し。
そんな自由な“大皿”スタイルにこだわった。
ところが、つい最近次女のMIDORIがこんな思いを話し始めた。
「あのうちの大皿料理ね、あれが本当にイヤだったのよ。」
食欲旺盛だった彼女は、みんながどのくらい食べるのか
常に気を配っていたそうだ。
ペースが速すぎて、みんなの分まで食べ過ぎないだろうか?
私はあとこれぐらいは食べたいけれど、
今日のお姉ちゃんの食欲はどうだろうか?
頭の中で常に大皿を5等分し、まずはそれ以上手をつけないように
密かにガマンをしていたのだという。
そして、妹の家は今、人のペースを気にせず食べられる
徹底的な“小皿”派である。
…だったらそう言ってくれたらいいのに。
もう何十年も経っちゃったあとじゃないの。
と母はため息まじりに言うが、そんな自分も
小皿料理がすごくイヤだったことは伝えていないようだ。
清水家親子3代に渡る料理スタイルは
“小皿”(祖母)→“大皿”(母)→“小皿”(妹)
と「反面教師型」をたどっている。
こだわりが強いほどこのカタチを形成するようだ。
そして親の盛りつけになんの疑問も不満もない場合には
例えば“小皿”→“小皿”→“小皿”というように
代々同じスタイルを保っていくようである。
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サツキちゃんが将来家庭を持った時、
タッパーでそうめんをだすのか、それとも
夏らしい涼やかなガラスでできた1人用のそうめん鉢で
食べるのか、いつの日か選択を迫られる時がやってくるのだろう。