KAORU♪の「気ままなダイアリー」

KAORU♪が見つけたステキな風景、出会ったおもしろいできごと、おいしい料理などを“気が向いた時”にご紹介します。

★マルタの太陽

2009年10月12日 | 旅の物語
        【中世の面影残る町 Mdina イムディーナ】

KAORU♪さん、思ったより日焼けしてないね!
真夏だったんでしょう?と
ブログを読んでくださった方から声をかけられた。

MALTAの太陽は体当たりで照り付けていたはずなのに、
思っていたほど強くなかったのか、
それともじわじわと肌の下にもぐりこみ
そのうち、シミとなって浮き出てくるのか
今のところはナゾである。

ただ、肌の変化はないれど、
雰囲気や表情はあきらかに違うようである。

「すっごくすっきりしてますよ~!
本当に元気そうで、楽しそう♪」と数名に言われた。

そう、前回の台湾一人旅のテーマは「リフレッシュ」。

今回は「心機一転」がメインテーマ。
気持ちを切り替えるための旅だった。

留学や観光はサブテーマとして、
くっつけていた。

でも、メインテーマを成し遂げるためには
なくてはならない大事なプログラムだった。

傍目から見ても、表情も雰囲気も軽やかに
すっきりとなっている、ということは
旅の目的は、完遂されたのだ。

自分のための贅沢な時間。


今となってはもう過去となっている
かけがえのない思い出が、
新しい時間のためのエンジンとなる。

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空港から、YOSHIKOさんと私は
迎えに来ていた車に乗り込み、
学校への道のりを案内してもらいながら
それぞれのホームスティ先に送ってもらった。

坂道が多いから、この通りの方が少し
遠回りだけれどフラットだよ。とか、
KAORUのホームスティ先は
SLIEMA(スリーマ)だから行きはバスで、
帰りはフェリーを使うといいよ。
行きはフェリーにすると坂道が大変だから
バスでね!フェリー乗り場まで案内するよ。

そして、バス乗り場はここのBUS STOPで。
おつりをくれないときがあるから
ちゃんとジャストの金額を用意しておかないと
いけないよ!47セントだよ。と
アドバイスしてくれたり、
ショッピングはこのあたりで!と
丁寧に車で回ってくれた。



YOSHIKOさんのスティ先は学校の近く、
伝統的なクラッシックな建物が並ぶ
VALLETA(ヴァレッタ)というMALTA島の首都。

そして、私は湾の対岸
近代的なビルが立ち並ぶSLIEMA(スリーマ)。
学校までバスで約20分のところ、
海沿いのビルの2階で1週間を過ごすこととなった。

ホストファミリーは
ご主人を数年前に亡くされ、5人のお子さん達も
巣立って現在ひとり暮らしという
キャロラインお母さん。

ふくよかで、のんびりとした
お母さんは、3人の留学生を受け入れ
朝も夜もおいしいご飯を作ってくれた。


***********************

登校日初日、20名から30名ほどの新入生が
ひと部屋に集められ、ほとんど説明もなく
紙を渡された。

名前や、自己紹介だったかすっかり忘れたが
なにやら記入して、というのである。

そしていきなり、「Ten minute (10分)!」と
勢いのよい声がした。

え?なんか記入するの?
あれ?さらさらみんな書いてるわ・・・。

もしかしたらもう突然
クラス分けのテストがはじまっちゃったの?
でもこれは、テストって感じの内容じゃないな、
と動揺しているうちに、
「はい!終了!」という声とともに
あっという間に回収されてしまった。

ほとんど、何にも書けなかった…。
そして続いてまたまたプリントが配られた。

穴埋め問題やら、2択や3択の問題が
たくさん並んでいる。

今度は
「45minute!」

わからない単語もいっぱいだし、
隣の人はすらすらと書いては
次のページにどんどん移っている。

この10年、ほとんど会話ばかりで
文法や英作文の勉強はぜんぜんしていない。
先生たちに日記を書いて!練習になるから!と
いわれ続けていたのに
忙しいから忘れちゃった、とか、そのうちがんばる!と
子どものような言い訳をして逃げ回っていたツケが
一気にやってきたカンジだった。

わ~ん、先生たちの言うこと
ちゃんと聞いておけばよかった・・・。

あ~、もうこうなったらヤケクソで
適当に書いちゃお!などと、
後悔したり、開き直ったりして
あっという間に45分がやってきた。

***********************

テストの採点までの時間、
新入生は、受付の人とともに街に出た。

学校の回りをぐるっと歩き
ここが、首相官邸で、ここがシティゲート。
なるべくならお世話になってほしくないけど
ポリス。バスターミナルはここ。
休み時間の食べものはここで買うといいわ、
と周辺の案内をしてくれた。

そして、教室に戻り
いよいよクラス分けのメンバーが発表となった。

一番最初にYOSHIKOさんと、若い男の子が呼ばれ
担当の先生とともに、教室を出た。

そして、次に呼ばれたのが私を含めた3人。
担当先生がにこやかに教室へ連れて行ってくれた。

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先生が、にこにこしながら
自己紹介をはじめてすぐに、あっ!と思った。

先生の話し方が超スローペースなのである。

瞬間に、私は超ビギナークラスに配属と
なったことを悟ったのだった。

そして、それぞれの自己紹介になって
それを確信した。

年配の女性はスイスからきて、
孫がいるのだという。そして、私の娘は・・・という
話の時に「daughter(ドゥター)」を何度も
「doctor(ドクター)」と言い、
発音を直されても、なかなかうまく言うことができない。

そして、月曜日から日曜日もよくわかっていなかった。
「Monday(マンディ)」は「モンディ」と読み、
何度も何度も繰り返し正しい発音を練習させられていた。

ドイツ語を話すその女性は、
英語を話せるようになりたいと言い、
一生懸命に辞書を引く。

いくつになっても学ぼうとするその姿勢に
感動する一方で、
配られたテキストに目を通すと
「I have a ・・・」のようなすごくシンプルな内容。

やっぱり、ワタシ
相当点数が悪かったに違いない…。

だけど、まぁ
一からやるのもまたいいのかも!
なんて気持ちを切り替えて
授業を楽しんだ。


テキストに書かれている
アップルやバナナの絵を見ながら、
各国の食事の話に花が咲く。


担当の先生はノルウェー人。
マルタ人の奥さんがいて、
家には樹齢1000年のオリーブの木が
10本ほどあるのだという。

普通のオリーブよりも小さい実をつけて、
毎年自家製オリーブオイルを作っているのだとか。

日本の朝ごはんって何を食べているの?

スイスの最もポピュラーな食事は?

スペインはやっぱりパエリアでしょう?

などなど、レベルはともあれ
ゼッタイ的についていける内容だし、
いろんな国の話が聞けるのはやっぱり楽しい。

そして、あっという間に1時間半が過ぎた。

では、また明日!
となった時に先生に呼び止められた。

KAORUはこのクラスじゃないほうがいいと思う。
あなたにとってベストなクラスを考えておくからね。

というのである。



次はどのクラスになるんだろう~と
ドキドキしながわ迎えた翌日の朝、
先生は顔見るなり、手招きして
新しい先生を紹介してくれた。

そして、別の教室へと案内されたのだった。


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すると、YSHIKOさんがイスに座っている。

あら~、また一緒だわね!

飛行機の中では、できれば日本人はいない方が・・・
と思っていた2人は、クラスも同じになり
想像以上に、お互いに助け合うことができた。

暗黙のルールができていて、
なるべくギリギリまで日本語を使わない。

それでも、もう限界!となるスレスレで
絶妙なタイミングで助け舟を出し合うことで、
理解が深まっていく。

彼女の存在のおかげで、
この10年、ほぼ手付かずで放置していた
文法、というものをほんの少しだが
頭の中で整理することができた。

というのも、
普段のプライベートレッスンでは
説明がすべて英語のために、
感覚でしか捉えていないようなのだ。

右脳で聞き取り、しゃべっているカンジ。
もしかしたら、子どもが
しゃべっているような雰囲気なのかもしれない。

ブツ切れで、丁寧語とかは関係なく、
でも言ってることもほぼ理解しているし
言ってることもだいたいあってる、みたいな…。



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それでも、今回の一番の収穫は、
何でこんなにしゃべれるのにまだ勉強しているの?という
人もいれば、こんなレベルでも留学に来られるんだ!という
差が本当に激しくて、それでも全員がみんな同じ生徒同士なんだ!
という思いを共有していること。

私からみれば、すごいレベルと思っていても
本人にしてみればまだまだ練習しなきゃ!と思っているし
ドイツやスイスから来たシニアの女性チームは
固まって、いつも明るく本当に楽しそう。

それぞれの思いで、同じ屋根の下に
集うメンバーは、年齢も国も、
もちろん家庭環境や経歴もさまざま。

ほんの1週間、毎日顔を合わせているだけなのに
なぜだかとても安心感がある。

うちの学校の生徒だ!って思う
連帯感が生まれているのだ。

上も下もない、優劣もない、
みんなおんなじクラスメート。

それって、海外で初めて味わった感覚だった。

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全員が同じ目標を持っている。
もっと上手に英語が話せるようになりたい。って。

だから、
争いあうことも、競う合うことも必要ない。

全員がMALTAでは外国人だから、
国境を越えて助け合って、
仲良くするしかない。

それを、大らかなMALTA人が
ゆったりと受け入れ応援し、包んでくれる。

小さなインターナショナルな国の
懐はとても大きかった。

それは、幾多の戦争を乗り越え
たくさんの侵略に耐え、防衛の歴史を経て、
寛容さとしなやかさ、そして
誇り高き自国愛を育んだからこそ、
どんな国の人々も居心地のよい
ホスピタリティで歓迎してくれるのだと思う。

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世界中の人たちが
仲良く、平和になるための
縮図を、肌で感じたのは
留学という経験があったからこそ。

みんなが、まだまだ練習中の未熟な
勉強中の生徒同志であるっていうことに
気がつけたら、
こんなにも優しい気持ちになれるのに。

それは、普段の生活のなかでも同じこと。

誰がすばらしくて、
誰が劣っていて、

誰の言うことなら何でもゼッタイ正しくて、
誰の言うことはゼンゼン聞く必要ない、とかって
本当にないと思うし、

逆に、自分に自信がなくて、
つい臆病になってしまったりするけれど
みんな同じ生徒同士と思えば、
失敗なんて気にせずチャレンジできるのに。

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とにかく、みんなヘタでも間違えても
しゃべりまくる!
まるで、MALTAの思い切りのよい太陽みたいに。

そのバイタリティーが
未来をつくるのだと、つくづく思う。


もちろん、KAORU♪も
間違いなんか気にせず、
とにかくいっぱいお話してきた。

効果のほどは、まだちょっと?だけど・・・。



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私の学校。
Easy School of Language

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コメント (2)
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