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難しい対応を迫られる韓国

2017-01-08 16:26:12 | メモ帳

釜山の慰安婦像設置に関する日本の一連の報復措置に対して、韓国の新聞はどう報じているかネットで調べてみた。

朝鮮日報

社説(1月7日):“大荒れ韓国外交、「親日か反日か」を問う前に代案を示せ”(抜粋)。

「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)氏は先月、釜山市の東区庁が日本領事館前から少女像を撤去した際「親日行為だ」と批判した。今の時代、大韓民国に親日派が存在するという考え方を大統領候補である文氏が持っていること自体が何よりも衝撃的だ。これは30-40年前の左翼系の学生たちと同じレベルの認識であり、このレベルの考え方で今の複雑かつ多面的なグローバル時代にどうやってこの国を導こうとするのか全くもって理解できない。

ところがこの日本との複雑な関係を「親日か反日か」といった単細胞的な観点からしか考えられないとなれば、冷静かつ常に用意周到に立ち回る日本人と渡り合うことなど到底できない。共に民主党と文氏は「もし政権を握れば直ちに韓日慰安婦合意を破棄する」と豪語しているが、これが本当に可能かどうか疑問であるのはもちろん、もしそれを実行に移せば、国際社会において韓国が置かれるであろう立場や状況についてどう考えているのかまずは説明すべきだ。

要するに朝鮮日報は、「親日・反日という単純な価値観で済む時代ではなくなった」として、慰安婦像設置には否定的な論調である。

ハンギョレ新聞

社説(1月7日):“市民の「少女像」に報復した日本の居直り” (抜粋)

日本政府は問題の根本原因が合意自体にあることを直視しなければならない。合意当時、日本政府は元慰安婦被害者に対する法的責任認定をはじめとして絶対的に必要な措置をほとんど取らなかった。そのうえ元慰安婦支援として10億円を出すことでこの問題が不可逆的・最終的に解決されたと宣言した。

少女像の設置が日本の責任回避と歴史無視に対する韓国市民の抗議であることを日本政府が分からないはずはないだろう。それなのに根本問題には目を瞑り少女像を撤去しろと言って超強硬報復行為をするのは懺悔と正義を求める声を力で押さえ付けようとすることに他ならない。

要するにハンギョレ新聞は、慰安婦問題に関する日韓両政府の合意は認められないと主張しているわけで、野党の立場を代弁している。この主張には北朝鮮が拍手喝采しているだろう。

日本政府は約束を守れと主張しており、韓国野党は約束自体が無効だと言っているわけだが、朝鮮日報も認めているように、この事案は日本側に理があることは自明である。統治能力を失っている韓国政府がどう対応するか。一歩間違えると、北朝鮮が韓国を飲み込むことになりかねず、韓国のみならず、日本にとっても難しい局面である。