頑固爺の言いたい放題

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文在寅大統領の演説を大手新聞はどう報じたか

2018-03-02 15:57:07 | メモ帳

韓国の文在寅大統領は3月1日の演説で慰安婦合意に関し「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはならない」と述べた。これでは慰安婦合意を否定することになるが、それはともかく腹がたつのは「加害者」という表現だ。

「加害者」という表現は「旧日本軍が女性を強制的に連行し、売春婦にさせた」事実があったことが前提になる。この文大統領の発言に対し、日本の大手新聞はどう反応したか。読売、産経、朝日を読み較べてみた。

読売新聞 社説「歴史を歪曲する反日体質」:旧日本軍や官憲による強制連行を裏付ける資料は見つかっていない。慰安婦の境遇が悲惨だったのは確かだが、あたかも戦争犯罪のように見なすのは歪曲である。

産経新聞 阿比畄瑠偉の極言御免「朝日は自社の慰安婦報道直視を」:堀井学外務省政務官は2月27日、ジュネーブでの国連人権理事会演説でこう指摘した。「『性奴隷』という言葉は事実に反するので、使用すべきではない。・・・慰安婦強制連行という見方は、故吉田清治氏が虚偽の事実を捏造して発表し、日本の大手新聞社の一つにより、事実であるかのように報道されたことで、国際社会にも広く流布された。しかし、これは後に完全に想像の産物であったことが証明されている」・・・ただ問題は、吉田氏の虚言を18回も取り上げ続け、世界に広める共犯者的役割果たした朝日新聞が、今回の堀井氏の発言を報じていないことである。

朝日新聞:社説では触れず一般記事で「文氏、加速する対日批判」という見出しで、淡々と文大統領の発言を報道した。

頑固爺所感

私は慰安婦問題を次のように理解している。

1993年、当時の官房長官であった河野洋平氏が、慰安婦に旧日本軍が関与したことを文書で認め、同時に口頭で軍による強制連行を認めたことが日本政府の手枷,足枷になった。多分、河野氏は当時の朝日新聞の報道を鵜呑みにしたのだろう。虚報を事実と認めてしまったために、日本政府は強制連行を否定できなくなった。

産経が報じた堀井政務次官の発言は、これまでの日本政府の見解よりも一歩踏み込んで強制連行を明確に否定している点で高く評価できる。しかし、河野洋平発言を否定することになり、その整合性がどなるのかという懸念がある。

さて、産経の【極言御免】にある見出し「朝日は自社の慰安婦報道直視を」の見出しは誠に同感である。朝日は国益を大きく損なった責任をどう取るのか。

読売新聞の社説は、従来の日本政府の立場で論じており、間違いではないが迫力がない。

朝日新聞の社説は「働き方改革」と「のぞみの亀裂」を論じており、文大統領の発言を意図的に避けた感がある。

朝日は産経の批判にどう反応するか。多分、無視だろう。