昨年までは、“米国の金利上昇→ドル買い・円売り→円安”が常識だった。これを公式(1)とする。
ところが、最近はそうではない。米国の景気改善→米国の金利上昇→米国企業の業績悪化懸念→米国の株価下落→資金が株から円に移動→円高 という図式になってきた。
これを公式(2)とすると、同じ素因が(1)と(2)では真逆の結果をもたらしている。これは納得しかねる。
金利が多少上がっても、景気がいいのだから金利上昇分を売値に転嫁するか(例えばリース料や家賃)、製造業なら販売数の増加によって金利上昇分をカバーできるはずだ。投資家とはずいぶん悲観的な人種らしい。
米国がシリアを爆撃すると円高、北朝鮮が核弾道ミサイルを発射すると円高。有事の際は安全資産として円を買うという思考経路らしいが、株価下落懸念まで “有事”扱いになったのか。“有事”の際は金(ゴールド)を買うのが常識ではなかったか。
そもそも、日本の財政は大赤字だから、いつなんどき円が売られて大暴落してもおかしくないはずではなかったか。 円買いはリスキーではなかったか。
“有事の円買い”は日本国にとって光栄なことだが、日本経済としては(私にとっても)迷惑至極。円を買ったら、その円で日本株を買ってくれんかね(笑い)。