頑固爺の言いたい放題

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保守派論客の地位を確立したケント・ギルバート

2018-06-18 15:49:52 | メモ帳

前回に引き続いて、ケント・ギルバート氏(ギ氏)の「マスコミはなぜそこまで反日なのか」に対する所感を述べる。太字は同書からの引用である。

最近の日本のメディアは、日本人の精神を壊すような反日的な情報操作をやっています。日本を貶めるとか、国民全体のやる気をなくさせるような報道ばかりです。

ギ氏は筋金入りの保守派である。私は保守派を自任しているが、彼は私以上に保守派だと感じる。

経済にしても、悲観的な記事が多すぎます。経済記事を通じて、前向きで、景気がよくなるという雰囲気を作れば、多くの人がお金を使い、日本の景気はもっと順調になると思いますよ。

日本の株価は他国に比べて低いようだ。その理由が、「メディアが日本経済を否定的に報じるからだ」と思えば納得である。

一方、気分を落ち込ませると経済も落ち込みます。これからもっと景気が悪くなる、年金受給額が下がる、税金が高くなる、そんなことばかりを報道して、一方で、日本人はお金を使わず貯蓄にばかり回していると批判している。

「悲観的な報道によって、消費者の消費意欲が阻害されている」という面があるのは否めないと思う。ギ氏に同感である。

メディアの記事は書く方向性が、取材する前から決まっています。経済なら、悲観的に書く方が安全で、読者の反響もいいと思われています。・・・安倍首相に関する記事であれば、メディアは権力に対して批判的に書くものと思っていますから、支持率が上がる記事を書くより、否定的な記事を大々的に書きます。読者は何があったかが気になるので読みますが、しかしその記事を通じて、日本の将来がよくなるわけではありません。

欧米のメディアも似たり寄ったりではなかろうか。

政治不信が政治家のせいだとメディアの多くは批判します。もちろんそれもありますが、政治不信を煽っているのは多くのメディアです。彼らは自らが、日本の政治の方向性を決めていると思い込んでいるのです。

同感。

政府は、マスコミの報道姿勢に対して、もっと毅然と対応すべきです。事実関係の間違いに対しては、もっと強く反論すべきですし、政府としての見解もしっかり言うべきです。・・・

マスコミは、政府が記者や記事に抗議すると、すぐに言論弾圧であるといいます。私は全然そうは思いません。政府の見解を政府がいうのは当たり前であって、それは自由ですよ。マスコミも、それに対して政府の抗議そのものを否定するのではなく、その内容について自分たちの意見や見解をいえばいいわけです。国民は、そのやりとりを見て、どちらが正しいのか、自分で判断するのです。それが健全な民主主義社会の言論と議論です。

ギ氏は自分がトランプ大統領支持者だと明言しており、この部分はトランプ氏がメディアをあからさまに批判していることを念頭に置いての意見だろう。それはともかく、ギ氏は、安倍政権がメディアを批判すると、すぐさま「言論弾圧だ」と反発する日本のメディアに不快感を持っているようだ。確かに、トランプ氏に比べれば、安倍政権はメディアにかなり遠慮しているように感じる。

さて、ギ氏は日本ですっかり保守派の論客という地位を確立した。いい居場所を見つけたものだ。アメリカよりも居心地がいいに違いない。印税が十分入っただろうから、もう日本人向けの評論はほどほどにして、これからは韓国批判・中国批判を英語で執筆し、アメリカで出版してくれないかな。それが成功させてもらっている日本に対する恩返しである。