2019年2月中旬
曲がった刀身の歪(ヒズミ)取りの工程で、刀身が折れるハプニングにもめげず
写真左の刀身から、2本の刃物を作った報告です。
折れた先の刃は未だ40cmもありましたので、刃側から中子を切り出すことにしました。
厚さ1mm足らずの薄いディスクグラインダーで切断しました。
この火花を見るのも楽しみです
それはなぜか
火花による炭素含量判別
やや中子の幅が狭く、湾曲もしていますが、こんな感じでちゃんとした刃物の体になりました。
鋭い断面ですので、グラインダーで面取りをしました。
中子の切り出しで出た小さな刃の部分も、それからさらに中子を切り出し、(肥後の守)的な小刀にすることにしました。
後は、研ぎです。
中研ぎで切れる刃まで研ぎ出します。
端切れでも、刃渡り22cmと長いので研ぎ甲斐があります。
普通の人は数時間も研ぐことは絶対ないと思いますが、仕上げ研ぎまで2時間くらいかかりました。
あらかじめ作っていた柄に口金をはめ、固定ピンの穴あけです。
ボール盤を持たないので、先ずは3mmドリルで穿孔します。
次に、目的の6mmドリルで穿孔します。
綺麗に貫通しました。
真鍮棒を突っ込み、金切りノコで切断し、両端に出た金属をリベット止めします。
2カ所をピン止めしますが、2カ所目でまたハプニングが起きました
なんと、硬くてドリルが入らないのです。
穴を覗いても、黒錆が剥げているだけ
新品のドリルに交換しても、いつまでたっても金属に食い込みません
もともとここは、長い刀身の中ほどであった訳で、それだけ焼き入れが効いていて、マルテンサイト変態がうまくいき、ドリルの硬度を上回ったと結論付けました。
仕方なくこのとおり、ピンは1カ所としました。
さて、この竹は
そうです。
柄を切り開いて、中子を突っ込んだ、背側・腹側には、溝の空間が開いていますので、これを埋める竹です。
木でも良いのですが、孟宗竹の方が加工が簡単です
はみ出した余分な部分をそぎ落とします。
後日、透明接着剤で固定します。
さて、端切れの、端切れで作った小刀です。
適当な柄がありましたので、それに合わせて中子を削り、突っ込みました。
峰部分が厚く、指で峰に力を入れて押さえて切れるので、意外と頻繁に使っています。
1本の長モノが、3つの刃物に変わりました。
切れ味も良いので、《まっイイカ》
4つのシリーズをご覧いただき、ありがとうございました。
No1:鍛造編
No2:柄づくり編
No3:焼き入れ編
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