2016年7月18日
三連休でどうにか完成させたい思いはありましたが、親戚の葬儀で没頭出来たのは最終日のみでした
だから、早朝から、彫り始めました。
ほとんど彫刻刀での細部の削りとなり、ご近所にも迷惑を掛けない静かな朝です。
寅次郎の顎の下、喉の余計な膨らみを削ぎ落とし、口元も 浮世絵の助六 みたいに、キリッとさせました。
指先(爪)がやっかいです。
材の榧(カヤ)の木が、細部の表現に、ついてこない~
ついてこない=細かく彫ると、欠けてくる という意味です。
適当な厚みを持たせての爪の表現です。
『寅次郎が、何か見つけた狙っている~』こんな感じかな
さて、面倒な毛の表現です。
本当は、毛の太さは現される大きさではありません。
『・・でも、のっぺら表面ではなあ~』と思って、U字刀で毛の流れ=毛並み を表現する事にしました
もちろん、見えない腹側も。手には肉球も彫りました
お腹の部分に、作成年月と揮毫をしました。(左写真)
(左写真)、シッポの塊が大きくて折れやすいため、根本を太く△にしていました。
終盤ですので、いよいよ正規のお尻の形にしなければなりません。
次は、最後のシッポの掘り出しです。
ノミで彫ると衝撃で折れるので、ドリルで穴を連結しようと穿孔を進め、いざ、最後の穴になって、『パリッ』っと音がしてシッポの先が折れてしまいました。
『どうしよう~欠片(カケラ)を接いで、長さの比率を守るか~。でも、誰も実際のシッポと比べて、短いと言う者は居ないし~』
ということで、欠片を捨て残りで彫る事にしました。
気を取り直し、残った肉厚の余計な部分を取ろうと、再びドリルで穿孔していて、またもや『ペリッ』っと音がして、一番大事なシッポの先が折れてしまいました。
『もうこれ以上短くする事は出来ない寅次郎に文句を言われる』
欠片を予めシッポの先端の形に削った後、断面を綺麗に合わせて、ドリルで支柱(竹串)を通す穴を掘りました。
竹串を作る要領は、腿の上で右手のナイフを一定の角度で固定し、左手で余裕のある長さの竹串の方を持ち、カンナの様にスライドさせる事です。
こうすれば、同じ径の太さの串が出来ます。
もし、ナイフを動かすと凸凹の串となり、綺麗な串は出来ません。
ドリルの穴に、ちょうど良い太さで通す事ができました
木工ボンドで固定し、午前中は終わり。
シャワーを浴びて、着替えもした午後、ホントはボンドをもう少し乾かしたい所。
待ちきれずに、彫り始めました。
殆ど、断面の境目も分かりません。
さて次は、先日撮影した寅君のチンコと肛門をスマホ画面に表示します。
去勢済みなので、小振りです。
実際はペタッと尻を着いている体勢ですので、こんな感じに潰れます。
下腹部から、シッポの先まで、V字刀で毛並みを入れました。
彫りは、これで完成です。
『オオッ狙っている~』感じが出ています・・か
役に立った土の寅君も、これでお役ご免です。
おや~モデルの寅次郎が、完成の確認に来ました。
気に入ってくれたでしょうか
2016年7月20日
仕事からの帰宅後、まだ西日の中で、そそくさとニス塗装をしました。
ある程度塗ったら、針金輪っかにシッポの先を引っかけて、塗り残しが無いように仕上げました。
まるで、鳥の照り焼きみたいです(笑)
2016年7月21日
翌日の朝、塗装の乾きを確認し、仕事に出勤しました
この日の夜は、写真を整理し、完成の喜びを報告するつもりが・・・
なんという事でしょう。
21日午後8時頃、自宅近くのバス通りの道で、ずっとモデルとなってくれた寅次郎が、死んでいるのを、帰宅途中の妻が見つけました
『間違いだろうまさか』・・行ってみると、間違いなく寅次郎でした
まだ、余熱のあるアスファルトの上に手足を伸ばして、横たわっていました
震えながら抱き上げると、まだ温かく、手足もダランとして、幸いにも多くの車に踏まれた様子もなく、体は綺麗で骨折・外傷もありません。
ただ、耳と口からは・・・
思い起こせば、10ヶ月前、長男が犬の散歩で、段ボールの中で鳴いていた子猫を見つけました。まだ目が開いたばかりの乳飲み子で、他の兄弟は、烏の餌食になっていた様です。
それから、ミルクと下の世話をして育てた、一番手の掛かったネコでした。
家族旅行にも連れて行って、一人にはしませんでした。
順調に乳離れして、だんだんと、やんちゃに
寝る時には、抱かれに来て、指をチュッ・チュしに来るので、乳首が恋しいんだろうと、ずっと吸わせていました。
それだけ、可愛い寅次郎でした
車の危険性を教えなかったのが悪いのか・・・まるで完成を待つかの様に逝くなんて、神様の意地悪なのか~もしかして、彫刻のモデルにしたからか
彫刻は、入魂・・・その想いが、寅次郎の魂まで奪い取ったのか ・・・だったら、彫刻なんてもうしないぞ・・・老衰ならともかく、1年も無かった短い命・・・まさか交通事故で死ぬとは、今更ですが、悔やんでも悔やみ切れません。
ネコの天国
が、あるかどうか分かりませんが~
草むらの虫やネズミを相手に、こんな格好して元気で走り回っていて貰いたいと思います
『寅次郎~これから青春という時に、バカタレが・・・・・でも、安らかに~短い1年間だったけど、本当に家族を和ませてくれました・・・可愛い姿をありがとう~』
以上、今回の彫刻は3つのシリーズで、完成のこれがちょうど300件目の投稿でした。
本当は、喜ばしい記念の投稿の筈が・・・こんな報告になるなんて・・・・
これまでたくさんのブログをアップしましたが、涙を浮ながらに作ったのは初めてでした。
寅次郎が居なくなって、ため息ばかりのここ数日でした
やっと気を取り直して、ブログをまとめる事が出来ました。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。
猫(寅次郎)を彫る~荒彫り
猫(寅次郎)を彫る~中削り
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