Goo・ちょき・パーで、なに作ろう!

定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

ズイキ芋(蓮芋ハスイモ)を食材に!

2023年11月20日 22時28分36秒 | 日曜大工

2023年夏~冬

今年の夏は全国的に異常に暑い夏でした。
そんな暑さにも負けず、畑ではズイキ芋(蓮芋ハスイモ)が、例年になくすくすくと育ちました。
ズイキ芋と言えば、肥後ズイキ の材料でもありますが、私の栽培目的はあくまでも茎(芋がら)の食用です。

①生態

ズイキ芋にも芋が出来ますが、直径1~2cm位で小さくて食べられません。
葉茎の色も黄緑色で、里芋とは全く違います
ハス芋の語源は、茎を切るとその断面がレンコン(蓮)の様にスポンジの空隙(クウゲキ)だらけからきているようです。




②収穫

株元の茎は、この様な感じで重なり合って肥大します。



残暑のもと、葉の下に潜り込み、アイヌの伝承の小人 コロポックル 
みたいな感じで、外側の大きな茎を選んで包丁で削ぎ取っていきます。
いわゆる、総刈りではなく、何度かに分けて1株から3~4本収穫します。
降霜では茎葉が溶けてダメになりますので、冬になる前に数回刈り取ります。
小さなものは皮むきが大変ですし、中心部はスポンジ質になっていないため、諦めています。

(注)この時に茎の切り口から流れ出る、白い汁が肌についたら大変な事になりますので、注意が必要です。
葉の下に潜り込んだ状態で、大きな葉が邪魔だからと、葉を先に刈り取ると、知らぬ間に白い汁が首元に着いて大変なめに遭いました。




茎の切り取り方は、こんな感じになります。
茎の地際に300°くらい取り巻いていますので、グルっと刃を回し入れ、切り離します。
あまり深く入れると、その下の茎の生長を止めますので、刃圧加減に気を遣います。
その後に葉を落とします。




③皮むき

さて、厄介な皮むきです。
庭先作業で、コンテナをまな板にして、ピーラーで皮を剥いていきます。
この時も茎の切り口から白い汁が滲んでいますので、手や腕が痒くなります。
汗をぬぐうつもりで、顔に塗ると痒くなりますので、注意が必要です。



剥いたら、適当な長さにカットし、水に漬けます。
カット長は、淫具は作りませんので、10cm位です。
長いと乾きにくくカビが生えやすくなります。
この段階でも少しでもアクを流したいのですが、スポンジみたいなたくさんの小部屋の細胞の集まりなので、水に沈まないし、簡単にはアクが抜けません。




こんな感じで、水に漬けます。
漬物を漬ける時の丸いプラスチックの板で押さえて沈めたりしました。

作業の全景はこんな感じです。(実家の庭先)
約80cm1本当たりの皮むきには5分位要しますので、12本で1時間、24本で2時間・・・・と作業が続きます。
そして、うんざりするほど痒さにさいなまれます。



秋の日はつるべ落とし!
終わらないので、実家の炊事場に持ち込んでの作業となりました。
この後の天気と水切りが、乾燥を成功させるか(カビさせないか)の分岐になります。
天気はどうしようも出来ないので、水切りを洗濯機の脱水機でします。
布袋に入れて、脱水機にかけますが、1分間水をかけながら脱水し、その後水を止めて2分間脱水します。
これで、性悪のアクもだいたい抜けます。



④乾燥

次の日は晴天でしたので、バラ(養蚕の給仕籠)に干しました。




実家では乾燥の管理が出来ませんので、持ち帰って日の出前から乾燥籠での干し作業が続きます。



晴天率が良い秋の日は、太陽の動きに合わせて日当たりの良い場所を移動します。
これは実家での昼間で、南向きの縁側です。




これは午後3時頃で、だんだんと西日になってきたので、東の納屋の軒裏から針金を垂らして干しています。



さらに午後5時頃になると、いよいよ日没前です。
最後の最後まで日光を追いかけて移動して干しています。



色々試して一番効率の良い乾燥場所は、車中です。
職場の駐車場は露天なので、天気の良い日が続くと、3日間でカラカラになります。
日光除けのサンシェードもフロントガラスから外して、後部座席をフラットにして、敷きます。
下からの照り返しで、効率的に乾燥できます。




⑤食す

乾燥保存したものは、何年でももちます。
昔の熊本城では、保存食として畳の中や、壁の中に詰めていたそうです。

おでんに合わせて、さっそく今年産を食べてみました。
水に戻しますが、あれだけ乾燥に苦労したものが、30分で元に戻ります。
1回目の水替えで、ギューッと絞って、やや色のついた汁を捨てます。
しばらく置いて、2回目の水替えでも、ギューッと絞って、汁の色を確認します。
しばらく置いて、写真の様に透明な水ならエグミは無いと期待します。



今回のおでんです。
12~1時の位置が、ズイキ芋です。
いろいろな食材の出汁を吸って美味しいです。
麩にコシがある感じです。
ちなみに、2~3時=タマゴ、ゴボちくわ。
4~6時=サトイモ(自家菜園)、内側にコンニャク。
7~9時=ダイコン(自家菜園)、10~12時=干しタケノコ(自山孟宗竹)。
その中央に向かって、軟骨・牛筋です。




おでんよりも美味しいのが、ラーメン(豚骨系)に入れる食べ方です。
あくまでも、個人的感想です。

乾燥ズイキ芋の販売をすれば、儲かるかな?
高くしないと割に合いません。

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グラインダーのレストア

2023年11月15日 08時47分27秒 | 日曜大工

2023年10月・秋

実家の断捨離もしなければと、時間を見てゴソゴソしています。
親父が使っていたグラインダーが納屋の隅っこで地面に置いてあるのを見つけました。
いわゆる『双頭卓上電気グラインダー』で、ツールレスト(支持台)も安全カバー(砥石カバー)も付いています。
銘板は錆びていて、商品名が読めません。



全身が錆びだらけで、コンセントを突っ込んでスイッチを入れてみても、動きませんでした。
実家にはもう一台動くものがあるし、自宅にも双頭グラインダーはあります。
ビクとも動かないツールレスト(支持台)や、安全カバー(砥石カバー)のプラスの工具穴も錆で埋もれています。
『けっこう重たいし、金属ゴミで売れたら、少しはお金になるか?でも、いつの事か分からないなあ~。』




『見た目綺麗にレストアしたって、動かなければ意味がない。モーターのコイルが焼けていたらお手上げ。先ず使い物になるか確認して、ゴミか道具にするか決めよう!』
裏ブタ(底蓋)を開けてみました。
黒いビニルテープを捲ると、コンデンサーからスィッチに繋がれている赤い線が、テープと一緒に着いて来ました。
錆びた変質はんだが銅線を腐食させ、断線していました。




単なる断線なら簡単です。
さっそくはんだ付けをして、スイッチを入れてみました。
『グオ~ン~』と元気良くモーターが回転し、砥石も回りました。
次へのレストア確定です。




電装内部も綺麗に掃除して、手持ちの赤いビニルテープで電極を被膜しました。
コンデンサーを掃除して印刷で分かりました。

1969年製の部品ですから、その後のグラインダー組み込み。
私が10才以降頃の製品と分かりました。



動くと分かれば、後は綺麗に錆を落とす作業です。
ドリル(モーター)にフレキシブルシャフトを繋ぎ、回転ブラシを取り付けました。



舞い上がる錆粉末の吸い込み防止のマスクをします。
鋼線ワイヤーが高速回転中に折れると、凄いスピードで針が飛んできます。
失明防止のゴーグルは必携です。
安全策を講じて、ガンガンサビを落としました。
茶色の粉末が辺りに舞い上がります。




次はネジ類です。
ツールレスト(支持台)に使われている蝶ナットも固く錆びついていました。
無理に回すと蝶の羽は簡単に折れます。
パーツクリーナーを吹きかけコンコン叩いて浸透を待ち、やっと緩みました。
バイスに固定して、別のミニルーターに回転ブラシを取り付けました。
10個ほどの各部のネジ。そのネジ山・ネジ溝も綺麗に磨きました。




安全カバー(砥石カバー)のネジの工具穴はプラスですが、錆と埃でドライバーの先も入りません。
これに無理して突っ込み回すと、浅い突っ込みに駆動部の工具穴はいっぺんに崩れてしまいます。
ミニルーターにガラス工作用の尖頭グラインダーを付けて、プラスの工具穴を復元させます。




プラスの穴が見えたからと慌てて回すのは、まだ危ないです。
小さな鏨(タガネ)の先を、ネジ頭部の下のアゴに突っ込んで、360度コンコン叩いて一周します。




パーツクリーナーや、5-56を染み込ませ、またコンコン叩いてアゴから錆のにじみを確認します。
いよいよプラスドライバーを突っ込み緩めてみます。
反時計回りに、押さえる力6 対 回転の力4 位で捻じってみました。

緩みました。



安全カバー(砥石カバー)が外れると、これまた錆びついた、ナット・アウターフランジ・砥石が見えました。
その奥の、インナーフランジも固着しているはずです。
案の定、最初の固定ナットはスピンドル(回転軸)とアウターフランジに固着していて、難儀しました。
これも、パーツクリーナーや、5-56を染み込ませ、コンコン叩いて緩めました。
スピンドル(回転軸)にナット固定の場合、回転をロックするピンがあります。
これにもちゃんとありましたので、それを押し込んで軸の回転を止めて緩める作業です。




案の定、スピンドル(回転軸)にインナーフランジの固着は凄く、なかなか緩みません。
軸のネジ山・ネジ溝も磨きながら、5-56を染み込ませ、コンコン叩いてやっと緩みました。
あと、安全カバー(砥石カバー)の内側には、積年の削りクズが錆び固まって、溶接でもしたかのようです。
小さな鏨(タガネ)を使って、剥いでいきました。



これは、右側のツールレスト(支持台)は前後可動式のネジ調整タイプですが、全く動きません。
油作業となり、撮影不可となりましたが、全部ばらして動くようになりました。




左側のツールレスト(支持台)は、傾斜式でこれも分解掃除し動く様になりました。



やっと、ツールレスト(支持台)も安全カバー(砥石カバー)も分解掃除が出来ました。


2023年11月・秋

早くも11月となりました。
天気が良い土日で塗装をすることにしました。

錆び取りや掃除で、5-56等使ったので、塗料が乗る様に油分を拭き取りました。

ガソリンを染み込ませた布で塗装面を拭き上げました。



緑のペンキで、先ずは電装部と底蓋を先に塗りました。



次いで、安全カバー(砥石カバー)です。



さらに本体を塗ります。
2度塗りまでの間は、畑作業をしていました。




安全カバー(砥石カバー)は、注意喚起も兼ねて、赤のスプレーにしました。



次の日も天気が良く、完全に塗料は乾いていました。
組み立てです。
先ずは安全カバー(砥石カバー)を取り付け、インナーフランジナットを嵌めます。



そして、砥石・アウターフランジ・固定ナットの順でスピンドル(回転軸)に固定します。
同じ作業を左右して完成です。




完成~!



今、このクラスの双頭グラインダーは、1万円くらいかな?
まあ、親父の道具に命を吹き込めたのが良かったかな。
そして、おそらく自分の命より長く使える事でしょう。




『レストア』という作業には時間がかかります。
その労賃を比較にコスト計算をすると、おそらく時給・ペンキ・技術料計算だけでも2万円くらいになっているでしょう。
レストアの意義は、お金だけでは無いのです。

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