2011年11月27日
(笑)なんでスリッパだろう~
実は、刃物づくりには『鞘:サヤ』は付き物
それを何で作るかは、いつも付きまとう問題
今回の槍鉋は反って湾曲し、平面の板とかでは出来ない
そこで考えたのが、以前どこかのホテルにあった使い捨てのスリッパ
1晩1回で捨てるのももったいなくて~と、持って帰っていたのを思い出し~とうとう使わずじまいだったのを思い出した
あのスリッパなら曲面に沿うハズと探したら、出てきた
甲の部分を切り落とし、両サイドから中央に曲げて、テグスを糸にして縫い、つま先を手前に縫い合わせると、ちょうどいいカーブに反って、すんなり入る鞘の完成
紐はいつかの結婚式の引き出物の袋の取っ手紐を使った
2011年11月30日
槍鉋が出来上がる前に、こんな感じにスッポリ安全に収まる鞘が出来た。
さて、早くも11月も終わりの包丁会
口金に何を使うかを先生と検討した
大きい口金はイブシの黒だが、小さい方はギンギラ
それはそれで構わないと思ったが
『立派な槍鉋に、こんな軽く安っぽい色はイカン』と言いだす先生
ならば、黒く色を塗るのかなと思えば~『こっば、サンドペーパーで磨いて、メッキを剥がさんばイカン』~と、口金磨きの作業になった
それが終わると、
窯の火の中にかざして真っ赤に焼き~油への焼き入れ
さらに水に入れて~こんな色に
『この口金はヨカ色が出ん~まあ、良かたい』
『ハイ、上等です。最初のギンギラに比べると渋い色です』と、僕は満足
いよいよ口金の取り付け
口金の径に合わせて、カンナで全体を細めると思いきや~
『な~ん、ぎゃんやって、口金の幅に合わせてノコで印をぐるっと1周入れて、木工ヤスリで、細めやんたい~ああ、ユルじゃいかんバイちょっとキツクて、叩いて締まるくらいで止めやんばい』
言われた通りに進めたが、1周するにはバイス:万力を何度も緩めては絞めての繰り返しで、なかなか進まない
それでも少しずつ入って行き、ユル手前で叩いてキュッくらいになった。
これを2本準備した
先生に見せると
『そしたら、次は”殺し”で締めやん~』
『コロシ 締める』
鑿:ノミで行う、”木殺し”の際の、口金の抜け防止だった。
木殺しの説明はコレ参照
http://www.miki-japan.com/houda/nomitukaikata/nomitukaikata.htm
さて、槍鉋を突っ込む穴は事前に空けていた
そこに、槍鉋を突っ込まねばならないが、接着剤を流し込んで固定する予定~固まったその時抵抗を増すために、ギザギザのクビレを多数作る。
グラインダーの角で、V字型の凹を作った
接着剤は強力型セメダインスーパー
これをタップリ注ぎ込んで~垂直に立てて流れ出さないように注意して、24時間放置(個人的に、接着剤の説明に書いてある時間は信用していない(笑))
2本の槍鉋が柄に固定できた
さて、次の彫刻用に確保していた角材を出してきて、『試し削り』
理想のクルクル削り屑が、サクサクと転がり出た
ニ本目も良い感じの切れ味~次の作品の出番まで、しばらく鞘に納めて待機中
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