前編より続く~
一方、取っ手の材料のブビンガ木が届いた。
取っ手の大きさに切った2枚の板に、ナイフの左右面の模りを行い重ねる。
糸鋸でそれを切り出すのだが、直線部分は快調、しかしカーブ部分で変によじったために、糸鋸の刃を折ってしまった(ゴメンナサイ)
切り出したブビンガ板の取っ手で、ナイフを挟んでみると、またまた”らしく”なった。
綺麗に洗って、次の作業は乾きを待つのだが、接着とヒルトピンの取り付けは、名人仲間の”スキンヘッドさん”に任せた。 さて、ブビンガ板の接着とヒルトピンの取り付けが出来上がったので、磨きだし作業。刃は既に切れる状態なので、厚紙新聞紙で鞘を作ってのベルトサンダーがけ。ナイフの金属部分までブビンガ板を削り込む。
ナイフの金属部分に当たると火花が散るので、止めどころは分かる。取っ手は握り心地に合わせて、シンメトリー(対照)ではない指のかかりに合わせて大まかに削り込んだ。 すでに9月に入っていた。後はまたまた、SPでの磨き作業~今度は取っ手のブビンガと真鍮のヒルトを磨く~10月はほとんど磨き作業が続いた。
取っ手のブビンガとヒルトの磨きが終わると、鞘を外してナイフも磨く~シノギ(横っぱら)には、焼入れ時の酸化皮膜があり、さび止め効果があるので、そこは磨いてはダメなので、ガムテープやセロハンテープでマスクして磨く。
1000→1200→2000番と粒子を小さくしていき、1200番くらいで、綺麗な波紋(鋼のサンドイッチ)が、鬼の洗濯板(宮崎県青島の地層断面)みたいに浮き出てきて、2000番では顔が映り、ヒゲが剃れるようになった。(笑)
磨きだした鋼の波紋は本当に綺麗だ~しみじみと眺めていると、仲間から『なんか、ニタニタして、危ない人みたいですよ~』
~『う~ん、芸術だ~!』って、答えた(笑)
この日は完成も近いとあって、”スキンヘッドさん”と、皮製のホルダーのデザインを検討し、作成を依頼した。
さて、早くも10月となった。夜な夜なの自習磨きにも徹したので、自分的には完成していた。~先週は台風来襲予想で早々の中止だったので、この夜は勇んで出席した。気持ちは早まり、準備よろしく次の作品のために調達していた”鹿の角”まで携えて~
依頼していた、ナイフホルダーも牛革で、しっかりしたものが出来ていて、満足。ナイフをホルダーに刺して、完成を実感していたところ~”岡秀”名人の~
『切っ先が、甘い!やり直し!』の一言で、次の作品計画もすっ飛んだ(泣)
水砥石で削られて、あのピカピカの切っ先は、またザラザラに戻った~
しかし、うまい具合に尖った切っ先が出来た。
その夜は、それをサンドペーパーで、240番→800番→とひたすら磨いた。
切っ先だけでなく、刃渡り全体まで磨かないと段差がでるということで、すべての刃渡りを磨きなおし~内心『ひえっ~』である(泣)
『名人は切っ先が丸いことは、ずっと前の工程で知っていたはずなのに~どうして完成の今になり、やり直しさせるの?!(泣)』とブツブツ思いながらも、黙って磨いていた。
チラチラ様子を見に来る名人と目が合うと、『最初に妥協させると、これから(複数作っていくとなれば)は、どんどん妥協が出てくる~一番最初の作品をちゃんと作らんといかん!』と、言っては、過去の優秀な生徒の事例話をひときりして、別の生徒の指導へ。
800番を終わったところで、切っ先で新聞紙が綺麗に切れるようになった。
また、晩酌しながら、手を黒い金属粉に汚しての、夜な夜なの”刃物研ぎ”をした。
1000番→1200番→2000番の仕上げ、シンチュウ製のヒルト(鍔:ツバ)の磨きなおしも終わって~11月を前にして完成した。
さ~て、すでに思いは次の作品に馳せている(笑)
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