Goo・ちょき・パーで、なに作ろう!

定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

妻のリクエストにお応えして、牛刀づくり!(後篇)

2011年08月21日 20時10分50秒 | Weblog

2011年8月10日

実は~。8月になって先生は『8月は暑かけん、包丁会は夏休みに入る』の一言で、休止状態になっていた
もうすぐ牛刀は完成というのに、このままじゃ9月の帰省まであと1ヶ月も放置状態となる
だから、今度のお盆休み(12日から帰省予定)を見す見す逃したくないと言う事で、水曜日週経の様に岡秀の門を叩いた

意欲があっても先生が居なければ出来ないので、実は事前に電話で事情を説明していた

先生は『あっ、水曜日、居るよ、良いよ』の軽やかな快諾
内心、『しょうがないなあ~3年目になると、生徒もだんだん我がままになるのかな』と、思っていたのかもしれない

さて、先生の気が変わらないうちに、仕上げの『ボカシ』の準備~
マスキングテープとして、ガムテープを使うが、鎬(シノギ)全面に貼り、型紙ならぬ型鉄の曲面定規を当てて、包丁の刃のカーブを線引き

 
カッターナイフを入れて、切れる刃の方を剥いで行く。


片面が出来るとひっくり返して、同じように貼る。



また同じように、型鉄の曲面を取り、カッターナイフを入れて、切れる刃の方を剥いで行く。これで、『ボカシ』の準備が出来た




要するに、マスキングテープのガムテープが残る背側(ミネ側)は、ボカシの磨き粉(青棒)からガードされて、2000番で磨いた鏡面が残される

次のボカシは、ワイヤーブラシに粘土を塗ったモノで、青棒で磨いた刃にさらに傷を付ける
と言っても、傷は鋼には入らずシノギ部分を白っぽく傷つける
これで、コントラストが出来、見た目の『シマリ・アクセント』が刃を鋭く見せる~まあ、最後の化粧仕上げの工程でしょうか


 

次は取っ手の塗装仕上げ
薄めたラッカーを3回塗り重ねて、あの薪だった樫の木の枝が、牛刀の取っ手に仕上がった。




3回目仕上げの乾燥の間、先生はゴソゴソと棚の中から包丁のケースの平面紙を3種類(底箱・蓋箱・中敷き)を取りだし、テーブルに置くと手際良く組立始めた


  

あっと言う間に箱の完成~『手作り鍛造の料理包丁』と書いてある~成る程、偽装表示で無い事はこのブログが証明します(笑)



どうです~ボカシの効果がハッキリ出ています
ワイヤーブラシの傷がシノギ部分は白っぽく、切れる刃は光って、コントラストのシマリが、いかにも切れそうな刃に仕上げています

  
取っ手の仕上がりは~どう見ても、田舎のお縁の下に押し込んであった薪の運命の樫の木とは思えない綺麗な取っ手です




刃のアップです
まあ、難を言えば、最初の水砥石の傷が取れ切れていない~これを消すには根性が要ります。僕の場合いつまで経っても根性がたりません
見た目の鏡面ですから、切れ味には関係ない傷跡です

鋼が3mm程裏表出ていますが、この鋼を均等に刃先から根元まで裏表均等に出すのが、本当に難しいのです
日頃、市販の包丁をそんな観察する事はありませんが~自分で作ってみると、見る目が変わって来ます
 

  

果たして帰省したお盆休み~13日に妻に渡しました
『奥さんは喜んでくれるたのでしょうか



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妻のリクエストにお応えして、牛刀づくり!(前篇)

2011年08月18日 21時55分04秒 | Weblog

2011年6月29日

毎週水曜日に、包丁会に行って刃物づくりをしているのは妻も知っている
作成途中の品を帰省のたびに持ち帰っては、サンドペーパーをかけたりするからだ
その時の評価は『こぎゃんとば(例えば前作の腰ナタ)作って、いつ使うともっと役に立つものを作ったら私は、使いやすい牛刀が欲しか~』って言った。

それを聞いて『人がどんなものを作ろうと勝手だろ人の趣味にケチ付けるな』と、喉元まで出たが、喧嘩にならないようにグッと抑えて『んなら、今度は牛刀ば作ってやるけん~』となった。

写真はいきなり形になっているが、鋼板からの切り出しの写真がどうしても見つからない 撮影できる状況でない時も多々あるので、そうだったのかもしれないが、記憶がない~記憶も記録もLost

簡単に説明すると、①牛刀用の1mmくらいの厚さの鋼板(青紙?号)に、お手本の牛刀を当てて線引き(好みの大きさに調整)②それを窯で焼いて柔らかくし、押し切りで切り出す。③冷めたら写真のように、バリを水砥石で削り、焼き入れに備えての軽い刃付け

  

素人目では、未だにまだよくわからない、押切りや熱による歪みの発生を、先生による金床の上で、ハンマーコンコンの歪み取り
次回までに、他の商売用の作品とともに焼き入れをやっておくそうだ

この夜宿題が出た『取っ手になる木材を探して、次の回まで持って来る事
『そんなァ何処に売ってあるの
』とも思いながら、ホームセンターで売ってあるはずも無く
実家に帰った時に薪の中から、適当な大きさの樫の木の材を見つけ出した
これは既に20年以上も経つ虫食いも無い材木
内心『僕と育ちも環境も違う人は、どうして適当な材木を見つけるの』とも思いながら、加工開始

2011年7月3日

   

電動カンナで、樹皮を削った次の作業は取っ手を挟む為の、半割これが難しく危険
径の小さな棒なので、手で握っての鋸引きは出来ない~万力にむと、圧力がかかって鋸挽きがしにくい
兎も角、万力に挟んで、電動丸鋸を入れた抵抗と反乱はあったが、なんとか半割り成功
適当な長さの半割部分と、もしかしてこっち使うかもの丸棒部分を準備した。

2011年7月13日

この日は、焼き入れの済んだ包丁に水砥石で、刃をつけた
お手本を見て、そのとおりにやっているつもりだが、なかなか思い道理にいかない。
牛刀も合刃(アイバ)なので、断面はV字型に中心の鋼を均等に出さなければならないが、回転する砥石に翻弄されながら、角度の大きな刃がついてしまう

『ダメだなあ~もう何年やってるのコウ~指で押さえたところが削れるんだから、じっとしていたらそこだけ減るバイこうやって刃渡り左右全面に動かして~』
背中の谷を汗がタラリ~んと伝うのがわかる水砥石の時には力が入ってしまう


   

 四苦八苦しながらも、なんとか刃が付いた
後はSPで一生懸命磨く~80番の荒い目から始めて、水砥石の傷を出来るだけ無くしていく。


   

 
SPでの研ぎは、晩酌での夜なべ仕事~。気分良く酔ってもいるが、そもそも指に持ったSPで刃の上(シノギ)を滑らすものだから、ちょっとした油断でこの通り、指を切ってしまう事も何度か
最終の2000番までいくと鏡のように映るようになる。
また、水は表面張力の玉になって転がるようになる

  

2011年7月27日

今回はいよいよ取っ手の取り付けとなった。
先生は、半割りしたものを包丁取っ手に当てていろいろ具合を試すが、『いかん、こら使えん
そこで、”もしかしてこっち使うかもの丸棒”を出すと、『うん、こっちが良か』となった。
なんでも、予備は準備しておくものだ
万力に挟んで、包丁の取っ手の厚さに鋸の縦引き
さらに、ベルトサンダーで小口(コグチ)磨き特に包丁を差し込む側はもう磨けなくなるので、今のうちに仕上げておく

  

取っ手の横っぱらはカンナで適当な厚さまで削り、ベルトサンダーで磨き上げ
ピン止めする穴の位置に印付け
2mmのドリルで穴あけ


  
さらに、ピンの頭が取っ手に埋まるように、8mmのドリルで浅い凹あけ。
ピンは両側の穴より打ち込むと、中央部分で膨らみ止まる仕組み

  

再びベルトサンダーでピンの頭を削る程に丸みを付け磨き上げる



グリップ部分はベルトサンダーにかけられないので、木工ヤスリで曲面をつける

 

2011年7月30~31日

休日もウズウズ~
”との粉”を水で溶いて、隙間を埋めていく。グリップの丸みは、実際の”握り”を確かめながらナイフで形を合わせていく。本当は妻の右手が欲しいところ

  

との粉は乾くとポロポロはげる性質があるので、空いた隙間に木工パテを塗り込んだ。
サンドペーパー1000番で滑らか仕上げ。

  

完成までもう少しだけど、残りは後編につづく~アップまでしばしお待ちを

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鶴瓶(笑福亭 鶴瓶)には絶対できない、つるべ(釣瓶)設置作業(宮園のお宿の囲炉裏)

2011年08月04日 00時09分14秒 | Weblog

"宮園のお宿づくり"を以前紹介しましたが、そこには囲炉裏があります。ところが、囲炉裏につきものの『つるべ(釣瓶)』がありませんでした
でも、手に入ったのです

つるべとは、囲炉裏の火の上に、天井から吊るした”ひっかけモノ”の器具で、鍋ヤカンを吊るすモノです。なんと新品なら4.7万円とか
参考サイト:http://7rinhonpo.jp/archives/50911369.html

ある日、集落内の宮田さんが、昔、我が家で実際使っていたという”つるべ”を、『こるば、つけない(これを取り付けなさい)』と言って持って来てくれたのです
『でも、誰が取り付けるの大工さんに頼むお金は無しならば自分でやるしかない
それをお宿の囲炉裏に取り付けるまでの奮闘記です。

お宿づくりの頃のお話は、コレ
http://blog.goo.ne.jp/saisyohagoo_1959/e/18ec875b2aef7035f18ad1f6a12a8ec4



つるべが無い頃は、この様に五徳の上に鍋ヤカンを乗せていました。

2011年5月21日
宮田さんが持って来てくれたのは、このとおりの錆だらけでしたので、さっそく持ち帰り、休日を使っての作業です

 


準備したのは、ディスクサンダー・ワイヤーブラシ各種・電気ドリル
先ずは、ディスクサンダーで四角い面をサッとかけて錆を落とします。(余り強く押し当てると、ノペーッとした平面になり趣が無くなると加減
周りには赤い錆びの粉末が舞います
慌てて、マスクを掛け、ゴーグルもしました


 

チェーン部分は、どうしようもない部分ですが、ワイヤーブラシでガリガリやってみました
手づくりのS字型チェーンで、如何にも古い事がわかります


 

四角い軸面は、凸凹に腐食が進み、サンダーでは窪みまで綺麗にする事は出来ません。ドリル装着のワイヤーブラシに、仕上げにハンディーブラシで出来るだけ凹の中まで丁寧に錆を削りました

 

実は、ドリル装着のワイヤーブラシでガリガリやっていたら、この大事な吊りフックの部分が、ポーンと飛んで行き、一瞬青ざめたのでした
錆を削った分、引っか”カリ”が小さくなり外れたのでした。『ならばどうする』と考えた挙句、ゲンノウでリングの穴を少し潰して、カリが引っ掛かるようにしました


 

5-56をスプレーして、錆をふき取り防錆び処理し出来上がり

さて、いよいよ取り付けです。囲炉裏の中央から垂直に天井に上がったところが吊り場所天井板では重さを支えられないため、ここに(糸・針金・チェーン・ワイヤー)の通る穴を開け、天井裏屋根にあると思われる頑丈な梁などから吊らねばなりません

 

とりあえず囲炉裏の中央から垂直に天井に上がったところに穴を開け、目印の紐を天井裏に通しました
次に天井裏の様子を探ります~メジャーやデジカメ・照明のカンテラ
等を持って、天井裏に挑みます
梯子が無いので、テーブルに椅子を乗せた足場をよじ登り、狭い△隙間から入り込みます天井裏の屋根板には至る所に、釘が飛び出ていてとても危険です

 

天井裏はだんだん暗くなり、手を付く所には何十年もの埃が積んでいますが、それにめげず2部屋分進みます

 目印の紐を発見
運良く、開けた穴は吊り天井の吊り梁の横木のほぼ真下です。
50cmおきに天井を吊っている針金が見られます。




この横木ならば、つるべとヤカン鍋の重量15kgくらいは十分に吊ることが出来るハズです

 

天井から横木まで70cm、ぐるっと横木に巻き付けて90cm天井下に90cm、合計180cmくらいのあれば吊れると判明




それからホームセンター・ナフコに走り適当な資材を物色
チェーンも考えたが、天井にもっと大きな穴を開けなければならない~結局、ビニルコーティングしたワイヤーで吊ることにした。
長さは90cm規格を2本、ワイヤーとつるべのジョイントにフックを購入した。ワイヤーとワイヤーを繋ぐ物には、廃材のスプリングを活用した

2011年5月22日
再び鼠小僧のように天井裏に登り、いよいよ作業開始
見よこの積年の埃の絨毯
そんなKも気にしないで、横木にワイヤーを巻き、ワイヤーとワイヤーを繋ぎ、天井の穴を通したこれで吊れる

 

ところが昨日の点検の時に心配事がひとつ産まれていた
天井の穴と横木のワイヤーの垂れの関係が、垂直では無かったのだ誤差で2cmたった2cmだが、約15kgの重みが垂直にけん引されると、写真上方向に薄板がワイヤーの小さな断面積で圧縮されることになるそれが気がかりだった
しかし、それを防ぐために昨夜の内に妄想し準備した、ヒラメキの孟宗竹の突っ張り
短長2本の竹の棒を桟木に突っ張る長さで切って、穴の拡大や天井板の曲がりを防いだ思いつきの対策
イヤ~っ、垂直って、本当に難しいですね

   

埃まみれを外で叩いていよいよワイヤーにつるべを吊るしてみた

    

完璧な出来上がり
部品の名前は知らないが、このチェーンの着いた四角い穴の横クランプが、つるべの長さを調整する器具~よく魚の形が見られる所


 


つるべのおかげで、ヤマメの塩焼きも、ヤカンも同時に出来るようになった



つるべのある囲炉裏を囲んで、今夜もまたお客さんが集います



宮園のお宿のホームページは、これです1泊2000円、完全自炊ですが周辺での食事ケータリングも出来ます。ご利用下さいhttp://www.geocities.jp/itsuki_mura/oyado/index.html


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