2023年4月上旬
今年の春もジャガイモを植えました。
でも前期高齢者夫婦なので、毎年のように需要が減ります。
これは、余りのジャガイモです。
芽が出始めていますので、とりあえず置いておけば、そのうちに芽が15cmくらい伸びて皴皴になり、結局捨てることになります。
もったいないと言えばもったいないので、秋ジャガに次いでまた片栗粉(正式には、馬鈴薯デンプン)を作ることにしました。
皮を剥くのを面倒くさがらないなら、片栗粉は簡単に出来ます。
包丁やピーラーで皮をひたすら剥きました。
皮も、コンポストで土に戻します。
ジューサーでジャガイモを搾ると、デンプン成分のために、泡立ちながら豆乳みたいな汁が溜まります。
サトイモもジャガイモも、このデンプン分の粘りのある泡が次々と産まれます。
調理中に目を離して良く失敗するのですが、煮ると粘りのある泡の中に空気・水蒸気が入り、鍋から吹きこぼしてしまいます。
これは、多糖類のデンプンのグルコース分子がグリコシド結合によって重合した天然高分子化合物のためです。
搾り汁をオーブン焼きで使う、金属トレーに移します。
搾り汁受けの容器の底には、既に濃いデンプン糊が溜まっています。
これもヘラで取り出します。
市販の片栗粉は真っ白ですが、色はこういうものです。
ムラサキジャガイモは、ムラサキ色になりますから、ジャガイモの色素です。
比重の違いで、底には濃いデンプン糊が沈み、表面には薄い汁が溜まります。
しばらく静置しておくとそれだけである程度分離出来ます。
写真は、トレーを傾けて上澄みの薄い汁をある程度捨てた状態です。
それから天日に干すこと7日間。
ここで待ちきれず、決して火にかけてはいけません
天気が良いと時々眺めて、乾き具合を見ていました。
金属トレーが太陽光の吸熱で、干し上りが断然早いです。
乾くと、ひび割れた田んぼの様になり、表面の色はグレーになります。
ちょっと触ると、こんなにボロボロに崩れます。
いわゆる全粒粉的な色で、漂白もしませんので、これが自然な色です。
白玉粉(熊本産)なら、こんな崩れた状態で販売されていますね。
これをミキサーボトル(ガラス容器部分)にこぼれないように入れ、ミキサーにかけます。
脆いデンプンはすぐに粉になりますが、直ぐには蓋を開けてはなりません。
デンプンの紛幕にやられますし、ガスコンロに火が着いていると、粉体爆発の危険もあります。
デンプン粉の沈殿を見て蓋を取り、カレンダー等の広い紙をボトルに被せて、縁を丸く折り曲げ、そのまま上下にひっくり返します。
平たい台の上で、コンコン叩いて、カッターのカプラー(モーターの回転を繋ぐ歯車みたいな所)を手で回し、付着したデンプンを回収します。
こうして出来た自家製デンプン178グラム。
原料ジャガイモは3000グラムでしたから、約6パーセントの精製率でした。
もう少し丁寧に皮を剥き、丁寧に上澄み液を捨てたなら、10パーセント位は作れたかもです。
これまでの手間と、市販の真っ白いデンプンの安さを比べると、実に馬鹿な事をやっていると思います。
数日後、タケノコも掘れたし、さっそく自家製デンプンを使った料理をしました。
水溶き片栗粉を準備して。
鶏がらスープの味付けで、タケノコ・人参、溶き卵に水溶き片栗粉でトロミを付けました。
美味しくいただきました。
片栗粉は他にも、 カビ取り に使えますよ。
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