2014年7月
引き続き、龍の粗彫りを紹介します
先ずは、龍のアゴヒゲから手をつけました
板材への彫刻は、手前の自分に近い所から彫る事で、他の場所の彫り下げ深さが決まりますので、龍では、鼻先や顎辺りが一番手前として彫り始めました。
狭い所は、V字型のノミで地道に彫ります
ドリルで彫れる所は、出来るだけドリルを使います
省力=手抜き ではなくて、ドリルの方が先割れが少ない利点もあります。
ノミを力まかせにたたき込むと、材の性質や木目によっては、先割れしてしまうことが多いのです
約5cmの窪みの厚さに、龍の口の中の全てを彫り込みます。
ノミを彫刻刀に替えて、牙を彫りました。
首を傾げて口の中を彫るのはキツイので、気晴らしに他の場所も彫ったりします。
彫れば下書き線は消えるので、写し取ったシートを時々当てて、彫り位置を確かめます
右手の爪に移りました
爪はできるだけ鋭くしたいのですが、右手の爪先が欠けました
腕は、筋肉質が出るように、筋を入れました
左手は胴に隠れた部分があるため、妙に短い感じがします
狭い部分に詰まった、削り屑は空気入れで吹き出していました
髭は、出来るだけ長く、躍動感があるしなる鞭のように下書きしたつもりですが、彫るとなると細くて長いので脆い材では気を遣います
本来は空中に浮かべる様に彫らねばならないのですが、全部をそうしたら、直ぐに欠けてしまいます。
所々は空間を彫って、立体感を出します。
ノミでは力が入り過ぎポキッとやってしまいますので、切り出しナイフが無難です
手作り切り出しナイフ
当然ですが、髭は先端部分が一番細くなります。
土台に腐れがある部分で、ポキッと折れてしまいました
木工ボンドで接着しました
口の中に戻りました
牙の噛み合わせを考えながら、向こうの牙も彫ります
舌も彫ります。
喉の方の牙を彫り出すのは、段々狭くなるから、彫刻刀が牙や舌に当たって、段々難しくなります
案の定、この後ちょっとした不注意で、右の前歯を彫刻刀でこねて、折ってしまいました
頭部の粗彫りがだいたい出来ました。
右の前牙が折れたところです
でも、1本の牙が無くなったお陰で、喉の奥まで刃が届き、奥の牙の裏まで彫ることが出来ました
この折れた牙を接着剤で付けても無理だと分かりました。
そこで、義歯(差し歯)を付けることにしました
差し歯の材料を切り出した部分は、富士山の左肩と髭が作る三角部分
ここから、四角錐が取れました
これから、牙を彫り出し、差し歯にすることにしました
切り出しナイフで、牙の形に整えていきます
差し歯の土台 歯根を付けて、牙の出来上がり
ドリルで上歯茎に8mmの穴を開けます
龍の歯医者さんになった気分です。『ハイ!ア~んして』
ちょっと、ホワイトニングが効きすぎた牙ですが、まあ色はどうにかなるでしょう
平面な部分は、ノミよりもチョウナでハツる方が早く進みます。
手作りチョウナ
龍の尾ビレです
長い剣の様な鋭いヒレが付いています。
鋸で境目の線を入れました
ナイフで、一枚一枚のヒレを綺麗にしていきます
梅雨明けした酷暑の下で、たくさんの汗を吸った粗彫りの段階です。
左髭の中部分は腐れ材部分にあって、彫りようがない状態です。
そこをどうするかが問題です
現在は、波部分を彫っていますが、ブログに載せるのはまだまだです
しばしお待ちを
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