Goo・ちょき・パーで、なに作ろう!

定年退職してしまいましたが、再任用でまだまだ老後の蓄えをしなくてはなりません。それでも悔いのない人生にしたいと思います。

彫刻用手斧(ちょうな)を作ったぞ~

2011年10月18日 23時27分15秒 | Weblog

2011年9月7日

鍛冶屋・包丁会もすでに3年目に入った
単身赴任で始めたもうひとつの趣味、彫刻をやっていると、あんなとこ彫るのに、こんな刃物というものが出てくる

妻はもっと役に立つものを~と言うが、包丁も4本作ったし、自由にさせてもらうさ

ってな訳で、今度の作品は彫刻用手斧
ちなみに昔ながらの大工道具の手斧の説明はこちらでどうぞ
http://www.takumi-homes.com/yomimono/daikudougu/0017-chouna.htm

でも、作りたいのは彫刻用の手斧
ノミよりも早く、小まめに手早く斫り(はつり)、形を彫り出せる、そんな手斧が欲しかった
ある程度の規格物の形のナイフや包丁ならともかく、他の生徒も作らない作品は、デザインスケッチか紙や板で作ったモデルを持って行かないと相談にならない事が分かっているので、事前にエクセルで作った図面を持参した

先生との事前のレクチャーで、大きさや角度について、アレコレと論議して鋼材と形が決まった。
先生は、窯の火を入れると~

 

窯の周辺の棚から、ゴソゴソと鋼材の端切れを引き出した~
それを見て、『エッ、こんな切れっぱしで』と思ったのが正直なところ



先生は温石と金尺で、サッと線を引いて、温まった窯の中に投げ込んだ。
そして温石の線に合わせて切断機で切断



一方、鉄パイプをディスクグラインダーでカットし、柄を突っ込む部分を切り出した。
二つを合わせると形が見えてきた

 

今度は僕の作業~グラインダーでパイプ切断面のバリを綺麗に削り、内側は棒ヤスリで磨いた

 

刃になる方も、綺麗に形を整えた。
パイプの径の大きさに合わせて、接合部分のU字の窪みもグラインダーで削り込んだ~※この写真は無い
作業場が暗くて写らなかったのだ
でも、だいたいピッタリ合体

 

パイプと刃の接合はアーク溶接となった。
アーク溶接は母材と溶接棒の両方を溶かしながら溶接を行う方法で、ガス溶接よりも安全で、溶接速度が速く、溶接部の強度がある。でも、この様にスザマジイ溶接光で肝心の溶接箇所が見にくいため、初心者には難しく失敗をしやすい~ここは、アドバイザーのNさんに任せた。(アーク溶接の詳細)
http://www.nmri.go.jp/eng/khirata/metalwork/welding/electric/index_j.html

溶接は綺麗に出来た。
その後、水砥石で焼き入れ前の刃付けの荒研ぎ~
先生から『裏表間違うなよ』と念押しされた
この手斧は内側が鋼で外側が軟鉄になる(大工道具の手斧は逆)ので、外側に傾斜を付けて研がねばならないのだ

 
この夜、宿題が出た。『これをやるから、柄(取っ手)を来週までに作って来る事』
これと言って渡されたのは、折れた鎌の柄だった

9月10日

またまた久しぶりに帰省した。
この時も自宅に持ち帰り自宅で作業
グラインダーで溶接部分を綺麗にし、鎌の柄を切って、ハマる大きさに削った

 

ピッタリ合ったところで、試しに使ってみると、なかなか良い角度で当たっているので、一安心

 

9月14日

『先生、柄はこんな感じで、使ってみたらなかなか良い感じの角度でした。』
 先生いわく『なんコレこの角度が気に入らん~もっと段差なく、なだらかに仕上げんとったく、何にでも美的センスってものが必要よ
 そんな訳で、先生の鉋を借りてなだらかに削った。(右上の写真)
 それまでと言えば、パイプに入る部分だけを削った、(極端に言うと)徳利かワイン瓶の状態だった。
 でも『~美的センス』と言われたのには、ちょっと落ち込んだ

 『来週焼き入れをしておくから、もう少し刃を付けて~』の指示が来た。気を取り直して~再度水研ぎに臨んだ。
焼き入れ前にあまり鋭くすると、焼き入れで欠ける心配がある
0.5mm位の刃を付けた
それを柄に取り付けると、先生による試し切り
『うん、角度は良かバイ


 

9月28日


中1週空いての包丁会~焼き入れが出来ていて、マイ砥石持参での研ぎに入った
先生は砥石を見ると『Wwn、こぎゃん砥石じゃいかん平面に均してから研がんと、どんだけ研いでもダメばい
ってな診断で、先ずは砥石の平面化基準の平面荒砥石同士を擦り合わせて均した。平面化した判断は、研ぎ汁の着き方の均(ナレ)具合。
低い所にはこの様に溜まりが出来る。
さて、研ぎ出しはこの様に刃の中央に2筋の擦り跡が出た(右写真)
刃が湾曲しているのだ
中央が切れる刃になっても、両側にはまだ刃は着いていない。
それを均等に当たる等に研いでいく。
しばらく研いだら、砥石を手前と向こうを逆に転回する
この理由は~、どうしても手前が強く擦れ先は弱まる人間の腕の動きこれで、手前の窪みが早くなる。均等に砥石面を使うためにする
合点・合点
そしてまた、砥石同士を擦り合わせて平面化を繰り返す

  

中砥石に入った。ここでも、平面化は同じ。
手斧の刃の向きを変え、横向き研ぎに変えた。
この理由は、荒研ぎで均一に刃が着いたなら、仕上げになるに従って、ちょっとした手首・指の角度のブレが刃先に影響する。手前が角度が急になり、腕が伸びた向こうでは刃先が上がり浅くなりやすい。熟練すればマシンの様な手首・指の角度の微調整をで繰り返し、刃先は砥石に常に同じ角度で研げるようになる。
素人で間違いないのはこの横向き研ぎになるのだ
しかしこれも持ち手の右手がブレたら同じ事
必死で同じ角度を維持し、時々刃先を観察し思いどうりに研げているかを確認しながら研ぎ続けた背中が汗バンで来た
いよいよ、仕上げ砥石に移った。
相手は1枚の堅い金属板なのに、左手の指で押さえるところが余計に研げるのが不思議だでも、それを利用して加減して、目的の研ぎを極めて行く
荒砥石、中砥石、仕上げ砥石の使う時間的割合は、だいたい6:3:1くらい~荒砥石段階の基礎が出来ていなければ、いくら頑張っても切れる刃は着かない。
これまで仕上げまで来ていても何度も、『荒砥まで戻ってやり直し』と言われて来た
研ぎは本当に難しい


 

帰宅して明るい元で刃を見た
近くの紙きれを切ってみた~カミソリで切ったみたいに綺麗な短冊になった

 

これなら、ヒゲも剃れるのではと、足の毛で試してみた
剃れた


 

10月12日

仕上げを急ぎたかったが、先生の都合により、中2週空いた
いよいよ仕上げ
楔(クサビ)を打ちこんで固定すると思ったが、先生はピン止めが良いとした。ドリルで穿孔(右上写真)
ピンを打ち込んで、完成


 

帰宅してしげしげと観察
これで次の彫刻の作品もバンバン彫るぞ


 

お願いイイネなら、『熊本情報』をクリックして、投票して下さい。にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 熊本情報へ

 

 ランキングに参加中です。


ドラゴン(龍)を彫ったぞ~完成篇

2011年10月17日 23時29分42秒 | Weblog

2011年10月15~16日

 製作途中のモノは玄関の外に置くが、完成が近くなると部屋の中に入れ、寝食を共にする
 観察する時間が長くなると、単身赴任の寂しさか会話が生まれる
そうすると、親近感が生まれて、どうもこの龍は怖くない~ってなる
 以前鬼を掘った時も、だんだん、ひょうきんな感じに見えてきたhttp://blog.goo.ne.jp/saisyohagoo_1959/e/47c6e60b8a2835a38e4ad94abf6f6b8e

 まあいいや、彫り主に似てくるのかもしれない
ってことは、俺はひょうきんか

 ともかく、この休みで仕上げなければならない。
買ってきた塗料は、色はウオールナットで、ステインの水性タイプ
 ホームページで調べると龍は緑・白・黒・金色と様々あるが、どれにしても想像上なので何を塗っても間違いではない

 

先ずは、底の部分を塗る。
背中のタテガミに支えられて、底を見せながら斜め状態が維持できた。
上を向いている部分を丸筆でさっさと塗った。
表面を磨いても居ないし、との粉を塗ってもいないので、塗料はスポンジのように吸い込まれていく

 

狭い窪みがやたらと多い龍~細い筆も動員して、白肌の杉を無くしていく

 

上が終われば、横倒しにして爪の裏も玉も丁寧と塗った
16日は天気が良かったので、日光浴すぐに良く乾いた

 

真上から見たところと、斜め前の勇姿

 

斜め後ろの勇姿


 

粘土モデルづくりから約4ヶ月もかかったが、なんとか完成した

お願いイイネなら、『熊本情報』をクリックして、投票して下さい。にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 熊本情報へ

 

 ランキングに参加中です。


ドラゴン(龍)を彫ったぞ~中篇

2011年10月16日 23時13分02秒 | Weblog

2011年8月29~30日

暑い暑い日で、やる気もあまり出ないが刃物を使うので、そこは気を入れ直してハマってノミを振るった

 

 だいぶ、龍らしくなったが、細部はまだまだ
夏の乾燥で、収縮が始まりヒゲに当たる細い所がひび割れてきた。
とりあえずの手当てで、木工ボンドでつないだ


 

ヒビも入るし、ポロッと欠けやすくもなる。
前回の時に、左ヒゲの支えでもある背中のタテガミがノミの一刀で、ポロッと欠け落ちていた

まあ、良いかとも思っていたが、左ヒゲがどうもグラグラとおぼつかない
欠けた物はすでに処分していたので、別の宛がいを探してきた


 

複雑な面に合わせて、接地面をカットしなければならないが、そんな時に便利なのがこの沢山の針が一列に並んだゲージ

 

上下模って削って、だいたい噛み合わせがピッタリと合った

 

裏の方は傾斜がついているので隙間が空いてしまう~木切れを挟んで固定~木工ボンドで接着した

 

首の下は粘土細工では首だけだったが、いざ余計な側面部分を削り落そうとしたら、非常に狭い接地面となり倒れやすい事が分かった
そこで、龍がよく掴んでいる玉を握らせることにした
ちょっと窮屈な両手をもってきた感じだが、これで底面を広げる形が出来た

 

そもそも、刃物の怪我って、自分から刃に身体(手・指)をもっていったり、刃を自分にもっていく事で、刃に負けて身が切れる~刃物がひとりでに飛んでくる事は無い
分かってはいるが、それでも怪我をするのは自分のミス・未熟さ以外の何ものでもない。
左写真は、間合いがいい加減で、自分で刃物を滑らせた結果
右写真は、ノミの頭を叩き損ねて、自分の指の付け根を打撲した結果黒血がよっていつまでも痛い


 

まあ、そんな事にもめげず、だんだんと形にはなっていった

 

2011年10月9~10日

3連休だが帰省しなかった
だいぶ刃物を使ったので、研ぐことにした。
砥石をコンクリートに擦って平面化これをしないと均一平面に刃は研げない。

 

彫刻刀も研いだ。
さて、右の袋はこれは、ベルトサンダーの集塵バックにたまった木の粉


 

それをとの粉と、木工ボンドと混ぜて、ひび割れを埋めるコーキング接着剤を作った

 

折れた角には、ドリルで穴を開け~両方を一直線に穴を開けるのは難しい~

 

割り箸を芯にして、接着剤でくっつける

 

板目には、正目(マサメ)と逆目(サカメ)がある。逆目で削ると汚くなるし、先割れして形でなくなる。
包丁会で手作りしたミネが丸いコレを使って、曲面を活かして下から上に削った。
もうひとつ、突き出しナイフを叩いて曲面の刃にした。


 

局面の角度が良いのか、良く切れるようになった。
右は、腹側の、あの蛇の腹のような横線をV字のノミで刻む。

 

一番やっかいな歯・牙をいよいよ手がけた。
現実的に、上か下のどちらかの牙をなくさないとノミは入らない。
ドリルで穴をあけ、身の長いノミで奥までひたすら彫った


 

歯が開くとらしくなってきた



口の前は難しい 前歯と舌~ドリルを入れようにも、隙間の余裕はあまりない
舌を削らず、上の歯を削らないような微妙な角度を探してドリルを入れた
下の歯は諦めたが、舌を出すことには成功した

 

歯・牙・舌が入って、凛々しくなった

 

現場監督みたいに、いつも進捗状況を確認にくる住宅の子供たち



作品に手を伸ばすことはかまわないが、刃物に触るのは厳禁
特に、このジャリンコ暴走族は、補助車をジャリジャリいわせて、日本刀を振りかざしてやって来る


 

実は、目(瞳孔)については、悩んでいた。
縦に切れた目か、丸い目か~そこでやってきた子供たちに投票を試みた
結果、全員が縦に切れた目がイイと口をそろえた事で決まった
右はこれまた包丁会で作ったチョウナまだ未完成だけど、ノミとは違う切れ味と、スピードさで威力を発揮した

 

 
作業は細部を残すだけになった

 

左右の爪と玉

 

口の中を穿(ホジ)るのは実にやっかいだった。
目は眼球いっぱいにした


 

あちこちの欠けた部分の接着剤が乾くように、西日のある間と車の天井に上げて今日の作業は終了~疲れた

 

 次の後編では、いよいよ塗装で完成です。
お楽しみに

お願いイイネなら、『熊本情報』をクリックして、投票して下さい。にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 熊本情報へ

 

 ランキングに参加中です。

 


ドラゴン(龍)を彫ったぞ~前篇

2011年10月16日 00時25分05秒 | Weblog

2011年7月29日

50過ぎのオヤジが文房具屋に寄って探したのは、油粘土



対象年齢は5歳以上のR5だから、僕は十分、10倍も使って良い年齢となっている



竹ベラをチョチョッと作って、食後の粘土工作時間の始まり始まり~


 

さて、何を作り始めたのかいやいや、豚ではありません。
龍・ドラゴンです
自重で頭が割れてきたので竹の芯を入れた

 

粘土工作なんて、小学生以来じゃないだろうか
でも、これが意外と熱中して無心になれた
小さな円錐形のこれは、ドラゴンの歯(牙)


    

鱗の模様を入れて、リアル感を出したつもり

  

なんで粘土細工かというと~実は、7月上旬に伐採後の廃材の山から、こんな材を見つけたのだ~



直径55cm、幅35cmの丸太
梅雨の雨を吸い重たい重たい
やっと抱えて車に積み込んだ
その時から、龍・ドラゴンを彫ろうと思ってた

 

しかし、材は大きくても、龍となれば小さい
二次元的に紙に龍を描いてもうまく立体が表現できない
限られた容量の中に、如何に有効に立体を彫り出すか~
だから粘土で立体的なモデルづくりを先にやったのだ~

 

7月31日

粘土モデルを見ながら、マジックで下絵を描いた
次に、チェーンソーの刃を研いでいよいよ刻み開始

 

彫り作業を安定させるために、底を平らにカット。
チェーンソーのバーを寝せて、平面仕上げ。


 

下絵に沿って顔をカット~線は消えるからまた描く

 

チェーンソーの出番はここまでで、後はノミを使って彫りの開始

 

龍のヒゲは必須の象徴的アイテムだが、杉材は脆いので空間にしなり出すと、付け根でポキット折れるのは必至
粘土モデルとは違うヒゲの配置にした
口ひげや角と接合させ、支えることにした
ドリルでヒゲの形に沿って連続穴を開けた。



左右対称の同じヒゲでは面白くないので、しなり具合を変えた


 

8月7日

杉材は柔らかいが、年輪と年輪の間はスポンジみたいに柔らかく粘りが無いので、ポロッと欠ける
それを見越してノミの貫入角度や力を加減する。
口の牙となれば、どうしようもない(泣)の脆さ

 

時は夏休みとあって、住宅の子どもらがしょっちゅう様子を見にやって来る。
今回は粘土モデルの龍に興味津々
『おいおい、触って潰すなよ~



午後には日が当たり始める北向き玄関
西日よけの寒冷紗の下での窮屈な作業

 

8月16日


毎回大量に出る、削り屑~大きな端材は燃えるゴミで出し、小さな屑は生ごみと一緒に庭の畑で堆肥に利用しています
この日は、やる気が出るように、目を入れた
目には何故だかそんな効果がある

 

鼻と口ひげ~彫る場所は次々に、気まぐれ的に移って行く。
彫るべき場所はたくさんあるので、一ヶ所を仕上げると言うより、まんべんなく舐めまわすように削って行く方がバランスが取りやすいと経験的に思っている



8月23

この日は火曜日だが、土日の仕事の代休
『休みより、残業代をくれ~』と言いたいが、休みには彫刻が進むので、いつもどうりに早起きして、有効に休みを使う
ところが外は雨なので、部屋の中にマットを敷いての作業
前回、左目の片目で終わっていたので、右目を彫った。

 

次に背中のタテガミ
恐竜のステゴザウルスみたい板状にすることにした。
ドラゴン・龍は想像上のものなので、インターネットで探してみてもさまざまなタテガミがある。だから何を着けても、着けなくても間違いでもウソでも無いのがイイ

部屋の中の床板の上では、板が跳ねてなかなかノミが効かない。
2列のタテガミの間の溝を、なんとか彫り下げた。

丸太のカーブに沿って、丸く1列のタテガミを彫っただけで一日が終わった

  

この調子じゃ、先は長いなあ~続きはまた次の編で紹介します

 

お願いイイネなら、『熊本情報』をクリックして、投票して下さい。にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 熊本情報へ

 ランキングに参加中です。

 


冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏 彫ったぞ~後篇

2011年10月13日 22時45分48秒 | Weblog






 

 





2011年10月8日

これまでの殆どの作品は、部屋の中のテレビ横に置いていているので、いつも観察が出来る
そうすると、おかしい所が目立って浮きあがる

富士山のすそ野のライン



遠くの空は、平ノミで平らにした
富士山の噴煙が、その周りの雲と同じ模様はおかしいから、U字の彫り跡を平らにした
これで良し


 

削りの終了を決めた
次は、木工用のサンドペーパーで磨く
板のひび割れの狭い隙間に入れて、ゴシゴシ
遠くの平面な空は、平たい板にサンドペーパーを巻いて、平面に磨いた


 

波の溝には指先が入らないので、100円ライターのカーブを利用して磨いた波の穏やかな部分は緩やかな波盛に


 

この板が矩形、正しい長方形でない事は分かっていたが、矯正するのは最後の方だと決めていた
今日がその時
金尺を当てて、正確に切った
電気丸鋸は彫刻面がぐちゃぐちゃになるのを恐れて、手鋸で切った




トップページの磨く前と比べると全然雰囲気が違ってきた。



いよいよ仕上げの塗装
下手に色モノ着色するよりも、ホウノ木の木目の色の変わり目を見せた方が良いかもと思い、透明な水性ニスで塗った
窪みが浅い所は、丸筆の大きい物で塗った



波の窪地は細い面相筆で~




2度目の仕上げ塗装をして完成とした




富士山を小さくして良かった
押送舟を無くして良かった
ひび割れも気にならない~地平の境の様でも有り、富士山の向こうまで遠い海のようにも錯覚し~ちょっとしたジオラマ風な想像の世界にも入ってしまいそう



ともかく、これで完成

お願いイイネなら、『熊本情報』をクリックして、投票して下さい。にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 熊本情報へ

 

 ランキングに参加中です。


冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏 彫ったぞ~前篇

2011年10月09日 19時50分30秒 | Weblog

2011年8月31日

『ああ~夏休みが終わる~宿題終わらない』と、学童なら嘆く夜。
50過ぎのオヤジは、上村大工さんから貰った板をゲットして悩んで板
その板は、50×32×4cmで、立派なホウの木の厚い板ではあるが、このとおり~裂けて、欠けて、ひび割れて~



指が沈む3cmくらいのV字谷
丸鋸でスパッと切ってまな板にするか~でも、まな板は間に合っている。
ならば、何を彫る
右上が雲とか、風景が無かったり



『風景が無かったり~』そうだ、葛飾北斎の富嶽三十六景の中のあの有名『神奈川沖浪裏』~あの右上には何もなかった。
そう思って、インターネットで検索。すぐにヒットした



なんとか納まりそうな構図。とりあえず画面見ながらデッサンを直に板に描いてみた
『ううん、ちょっと比率が違うし、浪の形も違うけど、まあ、いいか



9月3日

第1刀目は~無難な、何でも無い左の上から~U字の彫刻刀でザックザク削る



ともかく奥の波は手前の波より向こうだから、深く彫り下げておかないと



彫刻刀ではちっとも捌けないので、U字のノミに代えてザックザク削る。この辺りは遠い空なので、大胆でOK




絵では二次元平面の風景の境は、三次元では段差のある立体。
Rの大きな波をノミの直線で溝を切り、板の繊維を切り別けて行く



富士山はRが小さいので、8mmのノミで溝を切る



予め溝を切っておくと、大胆に彫刻刀で捲っても溝で止まる
残すべき大事な表面を安心して残せる




富士山の向こうの空を彫り下げていたら、なんと焦茶色の板目が出てきた
『まいったなあ~もっと深く彫れば、無くなるのか
その後も恐る恐る彫るが、山頂部分の茶色は無くなりそうにない
調べてみると、宝永大噴火(ほうえいだいふんか)が、江戸中期の1707年にあっているから、富士山から噴煙が上がっていてもウソでは無い。

ただし、北斎は1760年産まれで、没の1849年までの富士山では火山活動はあっていないので、北斎とも切り離した作品にしなければならない(笑)



9月10日

実は、この時点までは富士山の下に『押送船(おしおくりぶね)』を彫ろうと描いていた。



もう一度、北斎の『神奈川沖浪裏』を見ると、この不思議な舟。
『江戸時代にサーファー気取りで大波を遊ぶ大人が居たのか』と不思議になる舟。




後で調べて分かったが、この不思議な舟が、押送船(おしおくりぶね、おしょくりぶね)と呼ばれるもので、江戸時代に実在したカッターみたいな小型の船。目的は江戸周辺で漁獲された鮮魚類を鮮度を保つため一刻も早く江戸へ輸送するために使用された高速船

しかし、彫らないことにした
理由は富士山の噴煙と、北斎との時代考証のため~



というより、本当は面倒だったのと、比べる物が無い波の方が大きく想像出来るためと思ったのが正直なところ



ともかく割り切って気が楽になったところで、彫り急ぐ
波の立ち上がりってどうなんだ
不謹慎かもしれないが、毎週のようにどこかの番組で見られていた東日本大震災の津波を、そんな視点で観察していた



勢いがある所は垂直的に、コブラの鎌首みたいなエネルギッシュな立ち上がりが、見られる。
砕け散る波頭は、北斎は人の指的に表している~でも、これを彫るのは至難の業~彼が使った版木が何か分からないが、おそらくサクラとかツゲ
版木を彫ったのは事実だが、真似をする技量はこちらには無い。
こんな感じでしょうか。

 

10月2日

重力に負けて、崩れ落ちる波頭は、シュワシュワーッと小さな泡の塊で垂直に砕け落ちる~

 

波の立ちあがりのウェーブはホントはもっと滑らかで広い幅、でも、そう彫るとノペーッとした面になってしまうので、狭い縦じま的に立体感と躍動感を表わしたつもり
U字の彫刻刀では幅が狭いUなので、両側からV字に溝を彫り、U字の彫刻刀で溝の底を丸める。



最初、崩れ落ちる波頭をシュワシュワーッの小さな泡の表現でしていたが、なんか物足りなく、棕櫚(シュロ)の葉を彫った感じになったので、思い切ってV字で彫って強い荒具合にした



だいたい完成かなって良く見て居たら、なんだか富士山が大き過ぎる事に気付いた



大き過ぎた理由は、例の褐色の煙のせいだ
富士山頂からあまり離れて居てもオカシイ~ってな事を考えて、付かず離れずの山頂を決めてしまっていた
高さが高いなら自ずと裾野も広く大きくなる
思い切って、冠雪境が山頂になるまで彫り下げた~



成層火山のコニーデのカーブが綺麗だ。





見た目、完成は近いが、もうちょっと手がかかる~前篇はこれまで
後篇は近日中に公開します
お楽しみに

お願いイイネなら、『熊本情報』をクリックして、投票して下さい。にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 熊本情報へ

 

 ランキングに参加中です。


counter

無料・カウンター
Today:

Yesterday:


出会い出会い系出会い系結婚相談ライブチャット 無料