英語で、あるいは外国語で作る俳句は可能か?
難しい問題である。
しかし、初代EU大統領のファロンパイ氏は自国語で俳句を作るのを趣味としているそうだ。
結果的には、取り敢えず、可能ということになろう。というか、既に、大きな流れとなって、外国語で"HAIKU"が確立されている以上、可能と断言するしかない。
しかし、オカブも英語で俳句を作って、外国人も読者のSNSに載せたことはあるが、原文が日本語の俳句を翻案したこともあり、「詩」として作ると、どうしても日本の伝統的な情趣や事物の解説に流れてしまい、結局は「詩」というよりも散文になってしまった苦い経験がある。
また、日本語の助詞の1シラブルで大きく意味合いや、味わいが変わってしまうという特殊性や、そもそも外国語で五・七・五に替わる定型詩ができるかという点にも大きく疑問が残る。
さらに、外国語で五・七・五のシラブル構成に意味があるのか?と言う問題もある。
結局、外国語で「俳句」を創るとしたら、日本の伝統句から大きく離れ、前衛的な外国語独自の対象を詠み込んだ"HAIKU”を作るしかないのではないか?というのがオカブの結論である。
Web上に掲載された英語の”HAIKU"も読んでみたが、確かに、俳句の情趣には限りなく近いものの、どちらかというと、ソネットなどのモチーフと情感や感興に近いような気がする。
少なくとも日本の俳句と同質のものを詠めと言われても不可能であろう。
多文化「共生」と言っても文化の壁を越えるのは難しいものである。
春愁のおもて愛国行進曲 素閑
往来に春愁行きつ戻りつつ 素閑
凡百は春愁思ふ由もなし 素閑
片親の子として生まれ春愁す 素閑
工場の煙突春愁の煙吐き 素閑
深酒におんな丈夫の春愁や 素閑
人参の葉摘み春愁深まれり 素閑
春愁や山の影よりからすきて 素閑
春愁や草の原にて花枯れて 素閑
春愁やにはとりに餌蒔きて遣り 素閑
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