昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

2018-04-11 00:18:45 | 俳句

沢庵という漬物がある。
ご飯のおかずに、酒の肴に、まことに好ましい食べ物である。
禅僧の沢庵宗彭が考案したというが、怪しいものである。
沢庵漬けは、沢庵和尚が生きた江戸時代よりもずっと以前からあった。
漱石の『吾輩は猫である』に、登場人物の「理の陶然」が禅寺で修行して沢庵漬け(万年漬け)を食ったから、腹膜炎で死んでしまったという記述が出てくる。
禅院の食事としては、簡素で食うのに手間がかからず保存も効くので、絶好のものだったろう。
オカブも沢庵が大好きである。
沢庵だけで、飯が三杯は食える。
先人の創作の恩恵と、伝統の尊さの恩恵に毎日、浴しているわけである。

友逝きてすみれ揺らせる風のやふ   素閑

菫草この家のあるじの好ましき   素閑

菫咲き六十路の今日を刻みける   素閑

垣に咲くすみれををとめ歌にして   素閑

永遠の無辺の天地菫草   素閑

窓あくも菫の花のなかりけり   素閑

佳き日かな猫もながむる菫草   素閑

みやこに咲けどすみれをおもふ山の里   素閑

いつか来た路振りかえり菫草   素閑




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