時が巡る。
この前、春の声を聴いたと思ったら、もう花が散り、春たけなわである。
春が過ぎ、初夏が来て、オカブは歳を重ね、さらに老いていく。
昔は、こうした時の宿命を残酷なものだと思っていたが、最近では、その抗いがたい儚さを楽しんでいる。
老成といったものでない。
ただただ、老いぼれた故である。
灌仏会われは銅銭にぎりたり 素閑
仏生会陽も降り注ぐ留守居かな 素閑
ふすまあけ光の庭よ仏生会 素閑
仏生会余人に知らせぬ夫婦仲 素閑
川も雲もゆくかた同じ灌仏会 素閑
世慣れたる坊の主や灌仏会 素閑
灌仏会ひこふきぐもとうたふ歌 素閑
洪水のポールマルリー灌仏会 素閑
今日果てて明日は浄土か灌仏会 素閑
仏生会はるひのもとに呆けたる 素閑
灌仏会猫もおもひにふけりたり 素閑
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