これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

リスクと副作用

2010年03月04日 21時04分58秒 | エッセイ
「クロミッド錠50mg」
 さて、何の薬でしょう?



 これは、先日婦人科で処方された、排卵誘発剤なのだ。
 二人目が欲しいのに、なかなかできなくて困る。毎月、排卵しているようだが、この薬を飲むことによって、受精のタイミングを図ることができるらしい。

「多胎のリスクがあります」
 私は、主治医の説明に耳を傾けた。確率的には相当低いそうだが、万一、2個も3個も排卵してしまったとき、双子、三つ子が生まれる可能性がある。
 知人に三つ子はいないけれども、双子は結構いる。学生のとき、アルバイト先で一緒だった阿部という男子には、双子の弟がいた。二人とも魚に似ていたので、今でも顔をおぼえている。
「双子っていいね。仲よさそう」
 私の問いかけに、阿部は冷めた声で答えた。
「よくないよ。双子は仲いいか悪いか、どっちかだよ。うちは悪いほう。家でも全然口きかない」
 そういえば、昔読んだ漫画に、双子の育児でノイローゼになるお母さんの話があったっけ……。
 交互に夜泣きして、お母さんは眠れない。
 一人のおむつを換えたら、もう一人が待っている。
 一人にミルクをあげても、まだ一人残っている。
 終わらない育児に、お母さんは心身ともに疲れ果ててしまうのだ。

 うーん、やっぱり多胎は怖いな……。

 楽しそうだと思ったのだが、一人であることを祈ろう。
 主治医は、排卵誘発剤の副作用として、「頭痛、腹痛」をあげた。それくらいなら大丈夫だ。可愛いベビーちゃんのために頑張れる。
 だが、薬局で薬を受け取るとき、甘かったと思い知らされた。
「霧視等の視覚症状があらわれることがありますので、車の運転や危険のともなう機械の操作等は控えてください。下腹部痛があらわれた場合は主治医または薬剤師に連絡してください。主な副作用は、下腹部痛、眼のかすみ、発疹、頭痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、尿量増加、口渇、疲労感、気分が不安定、ほてり等です」

 薬剤師の説明に、血の気が引いていった。
「そんなにあるんですか!?」
 薬剤師はニコリと笑って返した。
「報告された症例です。私も飲んだことがありますが、何ともなかったですよ」

 ホンマかいな……。

 こわごわ、一錠飲んでみた。
 カプセルと違って水には浮かず、ポトリと舌に落ちて、へばりつく。
「苦ッ!」と悲鳴をあげそうになった。かなり不味い……。

 さて、問題の副作用は……。
 2時間後くらいから、胃がムカムカしてきた。が、我慢できないほどではない。
 あとは、やたらと眠い。
 いや、これは副作用ではなく、睡眠不足だからか……。
 ダイエット中の身としては、ぜひ、食欲不振になりたい♪




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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (18)
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