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本日、第5回東京マラソンが行われた。
職場の者が何人かボランティアに参加しているので、天候に恵まれよかったと思う。家でダラダラしている私は、9時にテレビをつけ、中継を見ることにした。
スタート地点の新宿・都庁が映っている。ここから皇居、品川駅、銀座、日本橋、浅草、豊洲を通過して、ゴール地点の東京ビッグサイトを目指すわけだ。
「銀座四丁目、和光の時計台です! ここを走るのを楽しみにしているランナーの方も、大勢いるようです!」
レポーターの弾んだ声が、お祭り気分を盛り上げる。
和光で思い出すことは、かれこれ10年前に、母とニット展に行ったことだろうか。当時通っていたエッセイ教室に、編み物教室を開いている女性がいて、「仲間と共同でニット展を開催するから、ぜひ来てちょうだい」と招待状を渡された。
私の編み物は初心者レベルだが、母はもう少し上の腕前である。場所も銀座だし、きっと興味を持つと思って誘った。
「あら、面白そうね。行ってみたいわ」
「じゃあ、和光でランチしようよ。ニット展には午後行って、お茶飲んで帰ればいいんじゃないかな」
「そうしよう、そうしよう」
正午に母と待ち合わせした場所が、ちょうどレポーターの背後に映っていた。
その日は、和光別館にあるフレンチレストラン「アルペッジォ」に行き、優雅な店内で豪華なランチを楽しんだ。コーヒーのおかわりを終えて、いざニット展へと急いだのだが……。
「何か、思ったより地味ね」と母がつぶやいた通り、パッとしない作品ばかりに見えた。技術的にはハイレベルなのだろうが、きらびやかなランチのあとでは、見劣りしてしまったようだ。
「よく来てくれたわね、ありがとう」とエッセイ仲間は歓迎してくれた。しかし、買いたいものが何もない。手ぶらで帰るわけにもいかず、「何かないか」と必死で品定めをした。
すると、水色のポップなセーターが目に入った。外国製の毛糸を使ったそうで、太い部分と細い部分の繰り返しになっている。このため、完成品には凹凸ができ、楽しい雰囲気となる。
しかし、家でこのセーターに袖を通したら、全然似合わなかったのでショックだった……。「高かったのに!」と悔しがっても、もう遅い。無駄な買い物をしたものだ。
「浅草寺です! 東京スカイツリーも見えて、すごい迫力です!」
中継が切り替わり、今度は雷門が映っている。東京マラソンでは、ここが約28kmの地点となる。浅草寺は好きだが、仲見世を見ると、苦い記憶が蘇ってくる。
あれは大学生のときだった。冷たい雨の日曜日、当時の彼氏と浅草でデートをした。思ったよりも気温が低く、あっという間に体が冷えてきた。仲見世を歩いていたら、ズキズキとお腹が痛む。生理痛だ。男性にはわからないだろうが、下腹を内側から叩かれるような、強い痛みが耐えがたい。冷えたせいで普段よりも悪化し、太鼓がわりにバチで殴られるような激しさである。私は苦痛のあまり、会話もできなくなってしまった。
「ごめん、お腹が痛いから今日は帰る」と、お昼も食べずに駅に向かう。家に帰り、布団で寝ていたら治ったが、こんなに苦しんだのは初めてだったかもしれない。
夜、彼氏から電話があった。
「どう? 下痢はよくなった?」
下痢じゃないってば!!
私は腹が立って、電話を叩き切った。
「豊洲です! こちらは風が強く、起伏のある厳しい地形となっております!」
画面には、また別のレポーターが登場している。
豊洲では……と思いだしかけてやめた。記憶をたどると、どうもこのコースには、不愉快な思い出しかないようだ。私はテレビを消し、結果だけを見ることにした。
11時20分頃にテレビをつけると、ちょうど男子1位のメコネン、2位にビウォットがゴールするところである。そのあとに、わが国の川内優輝が歯を食いしばって3位、尾田賢典が4位に食い込んだ。
ベランダに出て、布団をひっくり返したら続きを見る。今度は女子だ。トップを走っていた渋井陽子が、後ろから迫ってくるアリャソワに抜かれたところだった。「あーあ」とため息をついて消す。
5分ほどしてまたつけると、アリャソワが力強い走りでゴールテープを切るところだった。樋口紀子も続いてゴールする。渋井は、ペトロワにも抜かれて4位だったが、ひとまず安心した。
レース展開を見ていなくても、ゴール地点での映像は感動する。
選手のみなさん、お疲れ様でした。
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
職場の者が何人かボランティアに参加しているので、天候に恵まれよかったと思う。家でダラダラしている私は、9時にテレビをつけ、中継を見ることにした。
スタート地点の新宿・都庁が映っている。ここから皇居、品川駅、銀座、日本橋、浅草、豊洲を通過して、ゴール地点の東京ビッグサイトを目指すわけだ。
「銀座四丁目、和光の時計台です! ここを走るのを楽しみにしているランナーの方も、大勢いるようです!」
レポーターの弾んだ声が、お祭り気分を盛り上げる。
和光で思い出すことは、かれこれ10年前に、母とニット展に行ったことだろうか。当時通っていたエッセイ教室に、編み物教室を開いている女性がいて、「仲間と共同でニット展を開催するから、ぜひ来てちょうだい」と招待状を渡された。
私の編み物は初心者レベルだが、母はもう少し上の腕前である。場所も銀座だし、きっと興味を持つと思って誘った。
「あら、面白そうね。行ってみたいわ」
「じゃあ、和光でランチしようよ。ニット展には午後行って、お茶飲んで帰ればいいんじゃないかな」
「そうしよう、そうしよう」
正午に母と待ち合わせした場所が、ちょうどレポーターの背後に映っていた。
その日は、和光別館にあるフレンチレストラン「アルペッジォ」に行き、優雅な店内で豪華なランチを楽しんだ。コーヒーのおかわりを終えて、いざニット展へと急いだのだが……。
「何か、思ったより地味ね」と母がつぶやいた通り、パッとしない作品ばかりに見えた。技術的にはハイレベルなのだろうが、きらびやかなランチのあとでは、見劣りしてしまったようだ。
「よく来てくれたわね、ありがとう」とエッセイ仲間は歓迎してくれた。しかし、買いたいものが何もない。手ぶらで帰るわけにもいかず、「何かないか」と必死で品定めをした。
すると、水色のポップなセーターが目に入った。外国製の毛糸を使ったそうで、太い部分と細い部分の繰り返しになっている。このため、完成品には凹凸ができ、楽しい雰囲気となる。
しかし、家でこのセーターに袖を通したら、全然似合わなかったのでショックだった……。「高かったのに!」と悔しがっても、もう遅い。無駄な買い物をしたものだ。
「浅草寺です! 東京スカイツリーも見えて、すごい迫力です!」
中継が切り替わり、今度は雷門が映っている。東京マラソンでは、ここが約28kmの地点となる。浅草寺は好きだが、仲見世を見ると、苦い記憶が蘇ってくる。
あれは大学生のときだった。冷たい雨の日曜日、当時の彼氏と浅草でデートをした。思ったよりも気温が低く、あっという間に体が冷えてきた。仲見世を歩いていたら、ズキズキとお腹が痛む。生理痛だ。男性にはわからないだろうが、下腹を内側から叩かれるような、強い痛みが耐えがたい。冷えたせいで普段よりも悪化し、太鼓がわりにバチで殴られるような激しさである。私は苦痛のあまり、会話もできなくなってしまった。
「ごめん、お腹が痛いから今日は帰る」と、お昼も食べずに駅に向かう。家に帰り、布団で寝ていたら治ったが、こんなに苦しんだのは初めてだったかもしれない。
夜、彼氏から電話があった。
「どう? 下痢はよくなった?」
下痢じゃないってば!!
私は腹が立って、電話を叩き切った。
「豊洲です! こちらは風が強く、起伏のある厳しい地形となっております!」
画面には、また別のレポーターが登場している。
豊洲では……と思いだしかけてやめた。記憶をたどると、どうもこのコースには、不愉快な思い出しかないようだ。私はテレビを消し、結果だけを見ることにした。
11時20分頃にテレビをつけると、ちょうど男子1位のメコネン、2位にビウォットがゴールするところである。そのあとに、わが国の川内優輝が歯を食いしばって3位、尾田賢典が4位に食い込んだ。
ベランダに出て、布団をひっくり返したら続きを見る。今度は女子だ。トップを走っていた渋井陽子が、後ろから迫ってくるアリャソワに抜かれたところだった。「あーあ」とため息をついて消す。
5分ほどしてまたつけると、アリャソワが力強い走りでゴールテープを切るところだった。樋口紀子も続いてゴールする。渋井は、ペトロワにも抜かれて4位だったが、ひとまず安心した。
レース展開を見ていなくても、ゴール地点での映像は感動する。
選手のみなさん、お疲れ様でした。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
はい、思い出すのはいいことばかりという気がします。
悪いことには、保存機能が働かないのかもしれませんね。
友達は多いとはいえません。
結構好き嫌いがありますし。
でも、仲良くなるとしつこいですよ。
狭く深くのパターンですね。
いい思い出も、いっぱいあるように思います
記事を拝見するに、明るく楽しいかたに思います
きっと男性や同性のご友人と、
いろいろと幸福だったのでしょうね
銀座や浅草にも、いろいろと思い出があります
忘れかけていたことを思い出すことは
幸福なことですね
5年前のことはおぼえていませんが、2年前も相当寒かったようですよ。
仲良しの同僚2人がボランティアに参加し、雨の中、ずぶ濡れになって働いたと言っていました。
軟弱な私は家にいましたが…。
ラカタンバナナですか、知りませんでした。
防腐剤や防カビ剤が入っていなければ、バナナを食べるかもしれないです。
もう何年も食べていないなぁ。
走るではなく、飛ぶなんですか?
モーターサイクルで失踪する感じかと思っていました。
そのペースで2時間以上走るって、人間ワザじゃないですよ。
才能ですね。
血のにじむ努力があってこその結果でしょうが。
今年、全国各地のマラソン大会でも、出番があるかも。
スポーツ中継を見るのは好きじゃないんだけど、
来年は このエッセイを読みながら見て、
砂希さんの青春のメモリーを辿ってみようかな。
初回は鬼寒くて、トイレが大変だったそうですね。
年々改善されていくので、参加者も見物者も楽しめて、いいですね。
そうだね、トイレはどうするんだろう…。
早い人は2時間ちょいで着くからいいけど、4時間とか5時間とか我慢できるものなのかな。
オムツをして走るわけにはいかないし(笑)
給水所のコップには、ひもがついているんだね。
取りやすくしたのかしら。
陽水さんが駅伝選手だったなんて知らなかった。
運動神経いいんだね。
今度はマラソンに挑戦してみたら??
きっと早いよ。
いや~、思い出したら本当に切りがないですよ。
豊洲でも、いい思い出がありません。
私の暗い過去をつなぎ合わせてコースにしたみたいです(笑)
女子優勝のアリャソワは、小柄だけどパワフルな走りをしていました。
女子に抜かれると…男子は気まずい思いをするのでしょうか。
ゴール付近の画像では、妙に力んだ表情の選手がいましたよ。
俺も昔ゃ駅伝走って区間賞貰った実績があるんだけどね、その賞状の贈り主が俺の名字と一字違いで名前も一緒で…表彰台でみんなに笑われましたわ(笑)
また田舎のランナーとして地区運動会で走ろうかな~(^^ゞ
2時間ちょっとの間に過去が走馬灯のように駆け巡ったのですね。
全部思い出しながらゴールテープを切ってもよかったかと。
でも、豊洲あたりの忌まわしい記憶で本当に腹痛でリタイアしたかもね。
相変わらずお忙しいようで…。
昨日もお仕事だったんですね。
夫が都心に出かけようとしていましたが、電車にすると言ってました。
交通規制に引っかかるそうです。
しかし、電車も相当混んでいたとか。
交通網は混乱しますね。
マラソンって、見始めるとなかなかやめられないものです。
駅伝もですが。
全部見ていたらえらいことになっていました(笑)
今度は妹御でごじゃりますか。
たしか、私はあのとき、「生理通がひどくて」と説明したはずなんです。
なのに、彼の頭の中では下痢に変換されていたのがムカつきました。
人の話を聞いていないとか、おぼえていないという恨みが追加されたんですね。
いや~、本当にツラかった。
人形焼も買わず、手ぶらで帰ってきたことが悔やまれます。
結局食べ物??
幸せで楽しい思い出よりも、苦々しい記憶のほうが残りやすいものですよね。しかし場所を見ただけで、よくまあそこまで鮮明にやなこと思いだせまんな~~(笑)女性の恐ろしさってとこですかね。
常日頃、兄のYanoがお世話に賜り御礼の申し上げようもございません。私は、Yanoの妹の矢野小町にございます。実は、本日になりましても、兄はまだふて寝なる抵抗を続けており、恥ずかしながら代わりに参った次第にございます。平にお詫び申し上げます。
ところで先日、祖母が「“もうネタ切れ”とは何か? 私めは祖母にございます」と問うておりました。
さて、下痢でも結構じゃございませんか? たしかに婦人たるもの、「今頃は下痢にて“ブブッー ジョビジョバッー”と悪戦苦闘している」なんて思われると恥ずかしいと思う気持ちもよく理解出来ます。しかしどうでしょう? 下痢というものの定義は「水分が8割、則ち現代における80%以上の状態」が定義とされております。それゆえ、今後はそれなる状況に立った場合には、「わたくしは、水分が75%だから下痢ではございませぬ」と、その殿方に反論して差し上げてはいかがでしょうか?
それではいざ…。