このところ、毎週のように台風がやってくる。
勤務校では、大雨・洪水・雷などの警報が発令されたら休校となる。休校になっても、教員の勤務はなくならない。しかし、授業がなければ、たまっている仕事を片付けたり、打ち合わせをする時間ができるのでありがたい。出勤前に日本気象協会のホームページにアクセスし、警報を示す赤がないかをチェックするのが習慣だ。
今朝もいそいそと、台風13号の影響で警報が出たかどうかを見てみた。外は曇り。大雨で洪水が起きそうな気配もなく、黄色の注意報が行儀よく、ボタンのように整列しているだけだった。ガッカリする一方で、水害に苦しめられた地域に思いを馳せる。大きな被害がなかったことを、何よりも喜ぶべきであろう。
イヤイヤ出勤すると、同じような顔をした教員たちが、シブシブ授業の準備をしていた。
「今日は休校だと思ったから、ろくに準備をしていないんですよ。まいったなぁ」
「私も、これから提出物に目を通さなきゃ」
休校でないことに失望しながらも、彼らはキビキビと動いていた。空はすでに明るくなり、陽が差している。しかし、いきなり灰色の分厚い雲が駆け足でやってきて、ババババと機関銃のように雨粒を打ち込み、足早に去っていった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/f5/a91800ce0318ce806338586ed648e7d1.jpg)
温帯低気圧に変わったとはいえ、元台風は雨雲大臣だ。
「教室に行ったら、生徒が半分しかいませんでしたよ」
「3年ですか? 1年はもうちょっといたかな。欠席は8人でしたから」
教員がやる気になっても、生徒はまた別だ。自主休校を選んだ者の多かったこと、多かったこと。
かくして、台風がこちらに向かってくる時点で、翌日の授業がパァになる。
実のところ、休校になったらなったで、もっと面倒なことが起きる。ネットで警報を確認せず、普通に登校する生徒がいるからだ。
たとえば、30人のクラスだったら、5人くらいは何の疑いもなく学校に来てしまう。
「えっ、警報が出てるとダメなんですか? 注意報が自宅学習かと思ってました」
「料金滞納で携帯が止められているから、確認できませんでした」
「休校だなんて、誰も教えてくれませんでした」
理由は人それぞれだが、荒天で警報が出ている間は学校で待機せねばならない。天気が回復した隙に帰宅させ、家に着いたら必ず電話をさせるなど、生徒の安全確保が大事なのだ。
ところが、フジオという男子生徒はこれに耐えられなかった。ろくに確認もせず登校したくせに、天気が落ち着くまで待ちなさいと言われたことが不服だったらしい。待機場所の図書室を無断で飛び出し、勝手に家に帰ってしまった。慌てたのは担任だ。様子を見に行くとフジオの姿がないものだから、校内を隅から隅まで探し回り、何度も家に電話をかけてやっと安否が確認できた、なんてこともあった。
やはり、台風は来ないほうがいい。
警報の赤も、注意報の黄も、出番がありませんように。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/18/b2b19eb2db2595e3407c99e2498c999f.png)
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
勤務校では、大雨・洪水・雷などの警報が発令されたら休校となる。休校になっても、教員の勤務はなくならない。しかし、授業がなければ、たまっている仕事を片付けたり、打ち合わせをする時間ができるのでありがたい。出勤前に日本気象協会のホームページにアクセスし、警報を示す赤がないかをチェックするのが習慣だ。
今朝もいそいそと、台風13号の影響で警報が出たかどうかを見てみた。外は曇り。大雨で洪水が起きそうな気配もなく、黄色の注意報が行儀よく、ボタンのように整列しているだけだった。ガッカリする一方で、水害に苦しめられた地域に思いを馳せる。大きな被害がなかったことを、何よりも喜ぶべきであろう。
イヤイヤ出勤すると、同じような顔をした教員たちが、シブシブ授業の準備をしていた。
「今日は休校だと思ったから、ろくに準備をしていないんですよ。まいったなぁ」
「私も、これから提出物に目を通さなきゃ」
休校でないことに失望しながらも、彼らはキビキビと動いていた。空はすでに明るくなり、陽が差している。しかし、いきなり灰色の分厚い雲が駆け足でやってきて、ババババと機関銃のように雨粒を打ち込み、足早に去っていった。
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温帯低気圧に変わったとはいえ、元台風は雨雲大臣だ。
「教室に行ったら、生徒が半分しかいませんでしたよ」
「3年ですか? 1年はもうちょっといたかな。欠席は8人でしたから」
教員がやる気になっても、生徒はまた別だ。自主休校を選んだ者の多かったこと、多かったこと。
かくして、台風がこちらに向かってくる時点で、翌日の授業がパァになる。
実のところ、休校になったらなったで、もっと面倒なことが起きる。ネットで警報を確認せず、普通に登校する生徒がいるからだ。
たとえば、30人のクラスだったら、5人くらいは何の疑いもなく学校に来てしまう。
「えっ、警報が出てるとダメなんですか? 注意報が自宅学習かと思ってました」
「料金滞納で携帯が止められているから、確認できませんでした」
「休校だなんて、誰も教えてくれませんでした」
理由は人それぞれだが、荒天で警報が出ている間は学校で待機せねばならない。天気が回復した隙に帰宅させ、家に着いたら必ず電話をさせるなど、生徒の安全確保が大事なのだ。
ところが、フジオという男子生徒はこれに耐えられなかった。ろくに確認もせず登校したくせに、天気が落ち着くまで待ちなさいと言われたことが不服だったらしい。待機場所の図書室を無断で飛び出し、勝手に家に帰ってしまった。慌てたのは担任だ。様子を見に行くとフジオの姿がないものだから、校内を隅から隅まで探し回り、何度も家に電話をかけてやっと安否が確認できた、なんてこともあった。
やはり、台風は来ないほうがいい。
警報の赤も、注意報の黄も、出番がありませんように。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
いや、被害が少しでも減るなら、文句を言ってはいけませんね。
鎌倉市は、前日から小中学校の休校を決めていました。
時折ざっと激しい雨が降りましたが、休校にするほどではなかったかな。
結果として、鎌倉っ子はラッキーでした。
たくさんの人が集まる場所にいると、いろいろな人がいるのだなぁと思い知らされます。
脱出して帰った男子学生さんには、それが危険を伴ったかもしれないこと以上に、担任に心配といらぬ労力をかけたことを自覚してほしいですね。
それも分からないようでは、ろくな社会人になれませぬ。
鎌倉っ子にとっては恵みの雨でしたね。
こちらは8時台に一斉射撃のような雨を浴びせられたものの、あとは3時まで何もなしです。
生徒が帰るころになってドシャドシャでしたから、「ふざけんなよ~」とみんな怒っていました。
脱出男子は罰が当たったのか、希望大学に不合格。
専門学校に不本意入学しましたよ。
ところで、明日からまた雨模様とか。
長靴がしまえませんよ(笑)
台風がきても雪が降っても教師の方は学校に居なきゃいけないから大変ですね。
砂希さんの記事を見て、また1年経ったなあと感じます。
本当に、被害がない位の歳時記的な規模ならいいのに。
でも生徒にとっては、休校になってくれるくらいがいいのでしょうかね。
週末に来る分には気楽です。
でも、平日だとドキドキしますね。
休校になると開店休業。
教員も休暇をとって帰る人が多いです。
電車が動いていれば、警報が出ても出勤できるんですけどね。
電車が止まったらお手上げです(笑)
そうそう、他人様のブログから季節の移り変わりを感じるんです(笑)
また1年、さらに1年と重なっていきますね。
去年の昨日は休校になったようです。
日記に書いてありました。
雨が強いわけではないのに、警報が出てなかなか解除されなかったんです。
分厚い雨雲が居座っていたのかも。
常総市に水害をもたらせた雲です。
被害がないことに感謝せねばなりませんね。