この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

【ホーホケキョ となりの山田くん】、水墨画にも通じる、高度なシンプルさ。

2010-07-04 22:11:56 | 旧作映画
 ブログ仲間のまくらさんがスタジオジブリ作品の中で一番好き!と一押しの【ホーホケキョ となりの山田くん】を見てみました(さすがに二週連続で貸し出されてはいなかった)。

 新聞連載の4コマ漫画が背景やキャラクター描写などが極限まで省略された作風になるのは、それが4コマ漫画というものだから、というのもありますが、やはり緻密な描写をしていては毎日の連載が覚束ないという理由があると思います(中にはデビューしたときから4コマ漫画しか描いていない漫画家もいますが)。
 その真偽はさておき、ともかく劇場映画が4コマ漫画風であってはいけない理由はどこにもないわけで、そんな劇場映画はこれまで見たことも聞いたこともなかったのですが、いざ実際目にすると、さすがはジブリだなぁと感心すること頻りです。
 【ホーホケキョ となりの山田くん】、4コマ漫画を原作にした劇場映画では確かにこれ以上は望み得ないであろうクオリティの高さでした

 そのシンプルさは例えば水墨画に通じるところがあると思います。
 一見手抜きに見えてその実ものすごく高度な技術を要しているだろうこと想像に難くありません。
 なので途中暴走族が出てくるシーンで4コマ漫画風じゃなくなり、フツーに上手な作画になったときは逆に笑えました。

 ただ、上述の通り、こういう劇場映画もあるんだな、という意味では「へぇ~」と感心したし、実際にDVDで見る価値はあるとは思うけど、この作品を劇場で1800円出して観てたら、「何じゃこりゃ~~!!」と怒り心頭だったかもしれないですけどね。笑。
コメント (2)
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