この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

『トゥルー・グリット』、真の勇気を持つもの???

2011-03-21 22:13:12 | 新作映画
 ジョエル&イーサン・コーエン監督、ヘイリー・スタンフェルド主演、『トゥルー・グリット』、3/20、天神東宝にて鑑賞。2011年11本目。


 コーエン兄弟監督の作品は、カルト的な人気を誇る『ファーゴ』やアカデミー賞の作品賞を受賞した『ノーカントリー』も含め、あまり面白いと思ったことはないんですけど、本作は十四歳の少女が父親の仇を追うというストーリーに惹かれたので観に行ってきました。

 本当は家から近いワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野で観たかったんですけど、こちらでは五月からの二週間限定の公開だったので、万が一見逃すことになったら困ると思って普段あまり行くことのない天神東宝で観ました。
 筑紫野はどうしてそんな公開の仕方だったんだろうなぁ。
 アカデミー賞にノミネートされたことで急遽公開が決まったんだろうか。
 本当だったら家から近いところで観たかったんだけど。
 まぁ公開されるだけでありがたいと思わなくっちゃいけないんでしょうけどね。

 えっと、まぁ面白かったです。
 批評家たちから絶賛されるのも充分頷けるものがありました。
 ただ、個人的にはそこまでハマれなかったかな。

 タイトルの『トゥルー・グリット』は「真の勇気」という意味で、作中ではジェフ・ブリッジス扮する老保安官コグバーンがそれを有するってことなんですけど、彼のキャラクターがイマイチよく掴めなかったのです。
 というのも追跡の途中立ち寄った雑貨店で、店番をしていた子供を後ろからいきなりまったく手加減なく、、、いや、この場合足だから足加減か、ともかく思いっきり蹴り飛ばすシーンがあったんですよね。
 あのシーンは何の意味があったんだろう?
 あれがなければもっと素直に一見すると荒くれ者だが実は真の勇者というキャラクターを受け入れることが出来たんだけどな。

 ヒロインであるマティを演じたヘイリー・スタンフェルドも実に魅力的でした。
 決して絶世の美少女ってわけでもないんですけど、その目力、および演技力は尋常でなく、しかも十四歳にしてあれだけ馬が乗りこなせるとあっては(馬が乗りこなす役はそうそうないだろうけど、彼女なら大抵のことは何でも出来そうな気がする)、彼女は次世代を担う女優になるといわれれば、確かにそうかもしれないと納得できます。

 彼女のことを主演としましたが、アカデミー賞では助演女優賞としてノミネートされてんですよね。
 自分の目には彼女はどう見ても主演としか映らなかったのですが、アカデミー賞の主演と助演の振り分けは本当に不可解です。
 他の人にはどう映ったのかなぁ。

 西部の大地の風景画のような美しさ、父の仇を討たんとする少女の健気さ、銃撃戦の迫力など、決して観て損はない作品です。
 個人的には前述したような理由でそこまで高い評価は出来ませんが。


 お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (4)
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